途中からちょっと頑張ってください。
ある普通の家族が、父親のリストラをきっかけに次第に崩壊、そして再生していく姿をつづった映画です。 黒沢清監督らしい、美しい映像と深みのある人間像の描写が楽しめる作品です。 しかし、気になったのは起承転結の「転」にあたる部分のあまりの急展開ぶりです。 ここで我に返ってついていけなくなる人がけっこういそうな気がします。 私も?マークがいっぱい浮かんでしまいました。ここまでハチャメチャにする必要があるのだろうかと。 でも、できればここで見るのをやめず、ぜひとも最後まで鑑賞しきってもらいたいと思いました。 最後まで見た人だけが味わうことのできる、素晴らしいラストが待っていますから。 ちなみにこの作品の題名につけられている『トウキョウソナタ』の”ソナタ”って、いったいどういう意味なのか気になって調べてみました。 クラシックの楽曲形式のひとつで、4楽章で構成されており、各楽章それぞれに定番の形式をもっているそうです。 中でも「あっ」と思ったのが第3楽章。スケルツォが主流とありました。 「スケルツォ」とはイタリア語で「冗談」という意味。その言葉通り、もともとはふざけて作ったような音楽を指しています。 テンポや曲調の激しいのが特徴ということでした。 物語に置き換えると第3楽章は起承転結の「転」にあたりますから、そういう意味でつけたのだとしたら、あの逸脱ぶりもうなずけます。
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