途中からちょっと頑張ってください。 - トウキョウソナタの感想

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トウキョウソナタ

4.504.50
映像
4.67
脚本
3.67
キャスト
4.50
音楽
4.00
演出
4.67
感想数
3
観た人
2

途中からちょっと頑張ってください。

4.54.5
映像
5.0
脚本
2.5
キャスト
5.0
音楽
4.0
演出
5.0

ある普通の家族が、父親のリストラをきっかけに次第に崩壊、そして再生していく姿をつづった映画です。 黒沢清監督らしい、美しい映像と深みのある人間像の描写が楽しめる作品です。 しかし、気になったのは起承転結の「転」にあたる部分のあまりの急展開ぶりです。 ここで我に返ってついていけなくなる人がけっこういそうな気がします。 私も?マークがいっぱい浮かんでしまいました。ここまでハチャメチャにする必要があるのだろうかと。 でも、できればここで見るのをやめず、ぜひとも最後まで鑑賞しきってもらいたいと思いました。 最後まで見た人だけが味わうことのできる、素晴らしいラストが待っていますから。 ちなみにこの作品の題名につけられている『トウキョウソナタ』の”ソナタ”って、いったいどういう意味なのか気になって調べてみました。 クラシックの楽曲形式のひとつで、4楽章で構成されており、各楽章それぞれに定番の形式をもっているそうです。 中でも「あっ」と思ったのが第3楽章。スケルツォが主流とありました。 「スケルツォ」とはイタリア語で「冗談」という意味。その言葉通り、もともとはふざけて作ったような音楽を指しています。 テンポや曲調の激しいのが特徴ということでした。 物語に置き換えると第3楽章は起承転結の「転」にあたりますから、そういう意味でつけたのだとしたら、あの逸脱ぶりもうなずけます。

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黒沢清は同じ映画を作り続ける決してネガティブな意味としてではなく、黒沢清は同じような映画を撮り続けている。本人が意識しているわけでもなく、映画監督としての仕事を黒沢清がまっとうすればするほど、彼の映画は同じような映画になってしまう、まるで何か見えない力に作用されているように。しかしながらそれが観客にとって「退屈」に感じるかというと決してそうではなく、むしろその「毎回同じである」ことは見る側に異様なスリリングさをもたらすことがある。なぜならば、同じような映画を撮っていたとしても黒沢清の映画は毎度ジャンルが違うのだ。一般的にはホラーの映画監督としてよく知られているしホラー映画も大好きな黒沢監督だが、本作『トウキョウソナタ』はホームドラマであり、これの前に撮った『アカルイミライ』はいわゆる「渋谷系」・・・と言われるような若者たちを主人公にしたヒューマンドラマであるし、最近では『リアル』や未公...この感想を読む

5.05.0
  • きたあゆきたあゆ
  • 247view
  • 2062文字
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