トウキョウソナタの評価
トウキョウソナタの感想
集大成的「黒沢清」映画
黒沢清は同じ映画を作り続ける決してネガティブな意味としてではなく、黒沢清は同じような映画を撮り続けている。本人が意識しているわけでもなく、映画監督としての仕事を黒沢清がまっとうすればするほど、彼の映画は同じような映画になってしまう、まるで何か見えない力に作用されているように。しかしながらそれが観客にとって「退屈」に感じるかというと決してそうではなく、むしろその「毎回同じである」ことは見る側に異様なスリリングさをもたらすことがある。なぜならば、同じような映画を撮っていたとしても黒沢清の映画は毎度ジャンルが違うのだ。一般的にはホラーの映画監督としてよく知られているしホラー映画も大好きな黒沢監督だが、本作『トウキョウソナタ』はホームドラマであり、これの前に撮った『アカルイミライ』はいわゆる「渋谷系」・・・と言われるような若者たちを主人公にしたヒューマンドラマであるし、最近では『リアル』や未公...この感想を読む
心を洗い流す邦画として選びたい
ミニシアターでこんな雰囲気の映画を見た後は、心がスッと落ち着いてリフレッシュできる。洋画の様に派手なアクションがあるわけじゃないけれど、じわじわと染みこんでくる具合が調度いい。小泉今日子さんの演技は久しぶりに見たけれど、とてもよかった。身近にいそうなきれいなお母さんで、背景が透けて見えるようだった。対照的だったのが役所広司さん。ハリウッド映画出演で染みついてしまったのか、オーバーリアクションが目立った。こんな雰囲気の映画では逆効果になってしまっていた。大きな役者さんなのだから、醸し出してほしかった。他のキャストでは、香川照之さんは貫録の、次男の井之脇海くんもナチュラルな演技が世界観とマッチしていた。
途中からちょっと頑張ってください。
ある普通の家族が、父親のリストラをきっかけに次第に崩壊、そして再生していく姿をつづった映画です。黒沢清監督らしい、美しい映像と深みのある人間像の描写が楽しめる作品です。しかし、気になったのは起承転結の「転」にあたる部分のあまりの急展開ぶりです。ここで我に返ってついていけなくなる人がけっこういそうな気がします。私も?マークがいっぱい浮かんでしまいました。ここまでハチャメチャにする必要があるのだろうかと。でも、できればここで見るのをやめず、ぜひとも最後まで鑑賞しきってもらいたいと思いました。最後まで見た人だけが味わうことのできる、素晴らしいラストが待っていますから。ちなみにこの作品の題名につけられている『トウキョウソナタ』の”ソナタ”って、いったいどういう意味なのか気になって調べてみました。クラシックの楽曲形式のひとつで、4楽章で構成されており、各楽章それぞれに定番の形式をもっているそうで...この感想を読む
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