女性目線から見た大河ドラマ - 篤姫の感想

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篤姫

4.254.25
映像
4.20
脚本
3.75
キャスト
4.25
音楽
4.00
演出
3.95
感想数
2
観た人
4

女性目線から見た大河ドラマ

4.54.5
映像
4.5
脚本
4.0
キャスト
4.5
音楽
4.0
演出
4.0

目次

どうして「篤姫」に惹かれるのか

「篤姫」といえば宮崎あおいの代表作。最初はこんな若い子に大河ドラマは大丈夫かなと思ったけれどもその心配は杞憂だった。篤姫に比べれば知られた女性じゃないけれどもそれでも一年間NHKの大河ドラマの主演を張るのは女優さんにしたら大変な重圧であったであろう

「篤姫」以前も女性を主役にした大河ドラマがなかったわけではない。それなりにきっと高視聴率をたたき出していたのだろう。ただ、私が個人的に興味を持って見ていられなかった。年齢的なものもあっただろうが、歴史や時代劇に全く興味を持てなかったのである。「篤姫」以前の大河ドラマは全話通して見たことがない。それなのに、「篤姫」には惹かれるものがあって、集中してみていた。毎週楽しみにしていたといっても過言ではない。やはりこの「篤姫」の人気が高かったことが女性の主役が増えたひとつの要因ではないだろうか。何となく親しみ安いというか、共感を持ってみられるというか。男同士のチャンチャンバラバラよりは、身近に感じられる。女…ただそれだけの理由で。ある意味不幸なプリティウーマンみたいな。

私は、歴史のことはちんぷんかんぷんなのだが、それでも面白かった。薩摩のおさるさんのような小娘が権力を手にいれていく様子。幕末に向かっていく時代の変化。物語は見る側を飽きさせなかった。だいたい、日本人は幕末の話が好きなようだ。大きなレヴォリューションに心がときめくのだろうか。

どこまでが史実かなんて知らなくても大丈夫

実は私が、このドラマが好きだった一番の理由としては、歴史の移り変わり云々よりも、「篤姫」という女性そのものに惹かれたからだ。ドラマのなかでは小松帯刀と昔から交流があったみたいなことになっていたが、そんなことは嘘だと十分に理解している。篤姫がちょいちょいまつりごとに口を出していたが、実際はそんなことも創作だろう。第一この頃の御台所が、男の仕事に首を突っ込むなんてことがあるわけがないと思っている。それでも、そんな脚色は全然構わない。それがドラマを面白くしているのだし、本当のことは誰にもわからない。

特に時代劇は脚本によって、人物の描かれ方が全然違う。篤姫の夫だった将軍はこのドラマでは実はうつけのふりをしたキレるオトコだということになっている。ドラマでは篤姫と心を通わせていたけれど、本当に二人は仲睦まじかったのか、寝所で囲碁をして遊んだのか、それを史実かどうか確かめるよりも、素直にドラマを楽しんだ方がずっと得ではないか。

篤姫が夫に愛されていたと思えばそれはとてもいいことだし、無血開城の時にお花を活けたと思えば感動もする。これはどちらかというと女性がターゲットだったのかもしれない。私は夢中で見ていたが、夫はそうでもなさそうだった。歴史ドラマとしてみるか、一人の女性の生き方としてみるかでその解釈も違ってくるのだろう。

成長して行くにつれてだんだん姫らしくなっていく宮崎あおいの演技。童顔であるゆえに、年齢がわかりづらく、メイクさんも苦労したと思うけれども、私はその世界の中にわりとすんなり抵抗なく入っていけた。逆に一生を描く朝ドラの方が苦しい。毎日見ているせいだろうか?

祭りの終わりのような篤姫の一生

あんなに真面目そうに奥さんを愛していたと思っていた小松どのに愛人と子どもがいたこと。これは事実ながら私にはショックだったなー。わりと気が多いヤツめ。女性目線だ。ともさかりえが気の毒だった。年上であることをすごく恐縮していたのに。この時代の男の人ってみんなそういうものなのかしら。

あと、原田泰造は芸人さんなのに演技がものすごく上手だった。そういったところも、新しい発見だった。よくNHKのドラマに出演されている。

大奥の衣装も豪華で目の保養になった。どれだけのお金がかかったのかと嫌なことを考えてしまうほどだ。あの頃の女性の夏は暑かっただろうなとか要らぬことを想像してしまったよ。どの人も凜としていた。まさか徳川の時代が終わるとは思ってもみなかったのだろう。もう少し倹約していれば良かったのに。マリーアントワネットを思い出したわ。篤姫ほどの賢い女性が何とかできなかったものだろうか。だんだんと倹約に努めていたのは知っていたけれども、時、すでに遅しといったところだろうか。生活を急に変えるのは大変だものね。リストラが遅かったかな。人生っていつもそういう小さなことから歯車が狂っていくんだな。

以前、徳川美術館で実際の篤姫のお嫁入り道具を見て感激したわ。とても細かい細工で美しくてやはり立派だった。地震があってその後、薩摩の殿様の命令によって西郷隆盛が揃えた思うと歴史の中に自分がいると感じられる。

篤姫の迷いのない生き方に焦点を当てたドラマだった。実際の篤姫も将軍と心が繋がっていたらどんなに良かったことかと願わずにいられない。きっと、不運な輿入れのなかにも彼女なりの矜持があったと信じていたい

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4.04.0
  • sakanasakana
  • 274view
  • 2009文字
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