コントの宝石箱や
「薔薇色のブー子」を視聴した感想です。
この作品は、アイドルの指原莉乃さん演じる主人公、ブー子こと幸子が、自分を変えるために理想の男性に会いに行く。
しかし、その道中でさまざまなアクシデントに遭遇してしまいまい…という物語です。
しかし、ストーリーはあって無いようなもので、実際は上演時間の一時間半、ショートコントをずっとやっているような内容でした。
私は福田雄一監督の作品は、「勇者ヨシヒコ」や「アオイホノオ」など、ドラマはけっこう見ており、監督のコメディのテイストは好きな方だと思います。
しかし、「監督のコメディは好きです!」と言い切れないのは、時々俳優のセリフ回しがくどすぎたり、何度も同じシチュエーションを重ねていく、いわゆる天丼がくどいなあと感じる時があるからです。
福田監督の作品では、俳優は「福田組」と呼ばれる、お馴染みの面々で構成されることが多いです。
監督のノリややり方を熟知しているだけに、どこか別の作品でも、そのセリフ回しをしてるよね?と彼らに感じることもあります。
そういう所が、くどいと感じてしまう理由の一つのようにも思えます。
もちろん、福田監督のファンはとても多いですし、これは私個人の感じ方だと思います。
抱腹絶倒の方も、たくさんいるのでしょう。
ですので、あくまで私個人の意見としては、そのように思います。
この「薔薇色のブー子」に関しても、ムロツヨシさんや佐藤二郎さん、中村倫也さんなど、福田監督作品には欠かせない俳優が多数出演しています。
わたしは各々の俳優さんが好きなので、面白く観られましたが、「あー、またこういう感じなのね」とも思ってしまったのも事実です。
福田監督作品を観るときは、歌舞伎のような、一種のお家芸を観る気持ちでいた方が、いいのかもしれません。
そこにマンネリを感じてしまう人は、この作品を一時間半視聴するのは、もて余してしまう気がしました。
わたしも、福田監督作品では好きな作品はたくさんあるのですが、正直薔薇色のブー子に関しては、30分過ぎた辺りから飽きてきました。
何かストーリーがきちんとあり、その上でコメディが展開されるのなら、まだ付いていくことはできたと思います。
しかし、この作品にはストーリーというものがなく、ショートコントに次ぐショートコントというように、ほとんど間を置かずにコメディが次々と展開されます。
面白いけど、ちょっと疲れますね。
また内容がけっこう天丼なんですよね。
中村倫也からの、マギーからの、ムロツヨシからの、中村倫也…みたいな。
途中から「これまたムロツヨシだろ」みたいに、先が読めてしまうのも勿体ない。
全部のコメディが、同じことの繰り返しなので、さすがにちょっと飽きてきましたね…。
わたしはちょっとアレでしたけど、福田監督のノリが好きだったり、各俳優さんのファンで観に行きたいという人には楽しめるのかなあ、と思いました。
ユースケ・サンタマリアさんの好演が印象的
この作品で印象に残ったのは、ユースケ・サンタマリアさんの好演です。ユースケさんは主人公のブー子の義理の父親で、ブー子からは「佐藤さん」と名字で呼ばれるなど、距離を置かれています。
佐藤さんは商社勤務をしていましたが、リストラされ、家族に内緒でいくつものアルバイトを掛け持ちしています。
ですので、いろいろなシチュエーションで佐藤さんはブー子の前に現れます。
その頼りなさげな佇まいと、不意討ちで登場した時の「ここでもユースケ・サンタマリア!」という意外性が、面白かったです。
割りと他の俳優さんは、「またここで出てくるな」というのが先読みできたのですが、ユースケさんはけっこう不意討ちでしたね。
笑っちゃいました。面白かったです。
福田組の面々も健在!
また、お馴染みの面々である、ムロツヨシさんや佐藤二郎さんも相変わらず面白かったです。
お二人とも今ご活躍のようで、いろいろな作品でお見かけします。しかし、やっぱり福田監督作品のお二方はいいですね!
ノリノリというか、イキイキとしているように見えます。
ムロツヨシさんは、バスジャックと立てこもり犯ということで、普段あまり見ない怒声などが観られましたが、最後はいつもの感じでした。
若いですね、ムロさん。面白かったです。
また、最近のブレイク俳優と言われている、中村倫也さんも少しではありましたが出演していて嬉しかったです。
福田監督作品だと、「アオイホノオ」に出演していましたね。
中村さんって甘いマスクで優しい感じに見えるのですが、本当に何でも演じられるというか、カメレオン俳優だなあと思います。
ちょっと嫌な役とか得意ですよね。
中村さんは福田監督作品だけでなく、飯塚健監督の作品にもかなり出演しており、色んな監督に好かれているんだなあと思います。
やっぱり撮る側から見ても、優秀な人なんでしょうかね。
ちょっと前の作品ですが、今中村倫也さんにハマっている人にも楽しめる作品になっていると思いました。
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