過去シリーズの満足度を大きく下回る - ショムニ2013の感想

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ショムニ2013

2.002.00
映像
2.00
脚本
2.00
キャスト
2.00
音楽
3.00
演出
2.00
感想数
1
観た人
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過去シリーズの満足度を大きく下回る

2.02.0
映像
2.0
脚本
2.0
キャスト
2.0
音楽
3.0
演出
2.0

目次

過去の作品の方が面白い

「ショムニ2013」を視聴した感想です。
この感想を書くにあたり、一応2002年放送の「ショムニFINAL」も見たんですけど、「ショムニFINAL」の方が全然面白かったですね。

キャストの華やかさも全然違いますし、セリフの掛け合いの面白さも、過去の作品の方がやっぱり新作を上回っています。
また、話のテンポも良くない気がします。

多すぎるキャラクターを生かしきれない脚本


また、各キャラクターですが、どうして全員旧作に近づけたのでしょう。
愛人キャラに銭ゲバおばちゃんキャラ、冷徹秀才キャラにオカルトキャラ、そして地味な新人…。
人事部や秘書課に至るまで、全てのキャラクターを、旧作に近い形で再現しようとしています。
しかし、それでは視聴者から、「偽物はどこまでいっても偽物」という印象しか持たれないと思います。
ショムニシリーズは完成度が高く、今見ても面白い作品です。
正直、昔のドラマの設定を、違うキャストでやったところで、過去の作品の満足度を超えることは無理だと思うんですよね。
いつまでも10年以上前の作品を、引きずっているの?という感じです。
だったら、もっと時代を反映するような、新たなキャラクター作りをした方が良かったと思います。

また、制作する側も、キャラクターの扱いに困っているように思います。
というのも、作品中、序盤で千夏が名前で呼ぶのは、ほぼ「まどか」だけです。
一人一人にスポットが当たると、やっと名前が出てくるくらいで、基本的には誰が誰だか分からないまま、ストーリーが進行してしまいます。
ですので、丸山詩織と安部麗子は終盤まできちんと名前が出てきません。
これは、沢山のキャラクターが動いている作品に置いては、致命的に不親切です。
しかし、脚本や演出は恐らくその点に気づいていないでしょう。
それだけ個々のキャラクターを、制作側が把握していないのです。


また、キャラクターの設定も生かしきれていないように思います。
旧作では坪井千夏以外のキャラクターも、毎回その特徴をストーリーの中で活躍させていましたが、今回はそういった個性がほとんどストーリーに反映されていないように思いました。

旧作では、日向リエの占いによってストーリーが左右されたり、宮下佳奈の人脈によって窮地を切り抜けたりしていました。
しかし、今回のシリーズでは、そういった個々の特性が生かされることはありませんでした。
ですので、坪井千夏以外の面々は、後ろから一言づつコメントをするだけのキャラクターにしかなっていませんでした。
こんなに沢山のキャラクターがいるのに、勿体ないですよね。むしろ多すぎて持て余しているようにも見えてしまいました。

また、キャラクターの設定も曖昧ですよね。
公式に「小悪魔系OL」とあだ名される小島美鈴は、実際には、男をたらしこんでいる描写は少なかったです。
安部麗子に至っては、「オカルトキャラ」のようなセリフはあるものの、日向リエのように決定的に何かしている描写は、ほとんどありませんでした。

ゆとり世代を叩くのはやめてほしい


また、ストーリーのテーマもよく分からないように感じました。
2013年版では、ゆとり世代や草食男子、コンプライアンスやパソコンでの業務など、その時代に沿ったテーマをストーリーに取り込んでいます。
それはいいのですが、その問題提起に対して、帰結するところが雑だと思いました。
一番酷いと思ったのは、海外事業部の左門にスポットを当てた話です。

左門は契約を取り付けるため、休日返上で接待に勤しみます。
しかし、休日手当てを会社に申請すると、「これだからゆとりは」と却下されてしまいます。
そしてその後、一年かけて接待してきた取引先を、あっさり切るように上司に言われてしまいます。
当然取引先は激怒。左門自身も脱け殻のようになってしまいます。
しかし、社に戻ろうとしたその時、電話が…。「やっぱり社長の気が変わってね。その取引先と、やっぱり事業展開してよ」…。

もうここまでで、色々と「何じゃそりゃ」と思いますよね。
しかし、この理不尽の連続に、きっと坪井千夏が渇を入れてくれる。逃げようとする上司に、「アンタ達上司だろ?責任くらい取んな!」と言ってくれる。そう信じて見ていたのですが…。

左門が怒られてました。
はあ?って感じですよね。
この脚本家は、左門の方が悪いと思っているのでしょうか。
休日手当てを請求するような、上司との飲み会を蹴るような、ゆとり社員が悪いと思っているのでしょうか。
左門が上司に「一緒に来てくれ」と頭を下げるシーンがありますが、「マイペースなゆとり社員が、やっと頭を下げられて良かったね」と言わんばかりです。
もう、すごい屈折した差別意識ですよね。

もう坪井千夏というキャラクターを使って、新しい世代に文句を言いたいだけ。

この話は、上司側に明らかにコンプライアンスに違反している描写がいくつもありますし、左門を悪く印象付けることは、どうしたって出来ないはずです。

話の着地点がおかしいですよね。

わたしが左門だったら、この後上司と飲みになんか絶対に行きませんし、会社を辞めると思いますけど。
善悪の判断がつかない人達で、ドラマを作らないで欲しいですね。

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