野球のよさ、熱さを前面にだした傑作 - MAJORの感想

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MAJOR

4.504.50
画力
4.10
ストーリー
4.50
キャラクター
4.50
設定
4.10
演出
4.30
感想数
5
読んだ人
13

野球のよさ、熱さを前面にだした傑作

4.04.0
画力
4.0
ストーリー
3.5
キャラクター
4.0
設定
4.0
演出
4.0

目次

根性ストーリー

この物語はもう、一言でいうと「熱い野球少年物語」だ。悲劇で始まり、さらに少年に次から次へとでかい壁ができる。しかも肩を壊したり、心の病もかかったりと普通の野球選手なら絶対ドロップアウトしてるであろうことがめちゃくちゃ起こるのだ。まさかの最初のほうで母がいなくなり、結果的にピッチャーに殺される父親からスタートする。もう、最初見たときは「バットエンドマンガ」だと思っていたが、実際はそうではなかった。誰もがこの火山よりも熱い少年を応援したくなる物語なのだ。彼のエネルギッシュな性格と仲間思いなところは今の子供たちに必要だ。このマンガで子供に必要な技術、大事な心構えなど、必要な物がほとんど出てくる。

熱いキャラクターたち

まず、ゴロウ。彼は本当に最高に熱く、友達思いである。そしてあたりまえだが、野球をこの上なく愛している。そんな気が強すぎるように見えて、母親や父親を失うのがとても恐れていて、かわいさがある。ただ、恋愛には全くダメすぎなところをコモリンに指摘されて、「おい」といいたくなるが。だが、それは彼のいいところでもあるのだ。野球めっちゃできて、イケメンで、モテ男ではあまりにもつまらなぎる。そんなマンガだとストーリーがよっぽどでない限り、きっと売れてないだろう。しかしながら、ほんとうに彼のタフさと根性は尊敬できるし、応援したくるなるのだ。彼のピッチャー精神は誰よりも活力にあふれていてすごい。もはや高校生どころではなく、ポテンシャルがやばすぎて言葉にできない。高校の地獄トレーニングのシーンはほんとうに印象的だった。まさかのピッチャーできなくて、外野手に転向させられるところはおもしろくて読みふけった。夜にトレーニングして、フライの球をとるという無理ゲーをすぐにできるようになる。だが、すぐにピッチャーに戻って最強のストレートをなげられるようになる。高校生であんなに速いジャイロボールを投げられるやつがいたらすぐにメジャーで大活躍できるかもしれない。だが、現実として、最近は速い球をなげる投手も増えていて、だんだんマンガに近くなってきていて、今後も野球のマンガと現実の選手に目がはなせない。彼の野球への考え方と向き合い方はマンガを読んでいる人に興味と感動をたくさん与えてくれると私は考えている。

次に欠かせないキャラであるコモリン。いつもゴロウの女房役であって、お助けキャラだ。特に彼はメンタルが安定している。キャッチャーとしての野球観がしっかりしていて、分析力がすごい。トシとくらべて体力、パワーは落ちるが彼には彼なりの才能があり、チームの信頼を得るのが速いのは彼だ。それはゴロウよりも上で、もっと活躍してほしいと思った。高校で才能が終わるのではなく、日本プロでもメジャーでも、どっちでもいいから彼の姿が個人的には見たかった。とても優しくて努力家の彼を応援したくなった読者も多いのではないだろうか。それぐらい彼のキャラクターは魅力があると思っている。

やはり、この物語のアイドルであるシミズを忘れてはいけない。彼女はとっても魅力的で、熱くて、不器用だ。ソフトをやっている、彼女の熱気をおびた姿は女の子のあこがれだろう。友達思い出、ゴロウ思いだ。つねにこの物語の元気印で、ストーリに明るさをもたらしてくれる。

この物語で野球について

まず、ピッチャー中心のキャラが強すぎる感じがする。特にジャイロが目立ちすぎて、ピッチャーが感覚派しかいないように私は印象を持った。もっと多様な変化球を駆使したピッチャーを出してほしかった。例えば1球はストレートで内角で、次はスライダーであるとか、フォークであるとで組み立てる。そのような冷静に変化球の順番と戦略を考えることが実際のゲームでも大事だと私は考えている。この物語のみではキャッチャーに分析をまかせすぎる設定になっている。

一方でキャッチャーは「野球博士であれ」といわれているので、分析派の存在は大事だ。そこは私も同意するが、あまりにもありきたりだ。もうちょっと感情的で穴があってピッチャーと短所を補っていく姿を描いてほしかった。

でも外野と内野はしっかりと細かく、繊細といっていいほど細かく描写されている。ボールのやりとり、スローイング、両方とも読んでいるだけでキャラクターの躍動感を感じる。足がやばいほど速いバッターが多すぎる気がするが、そこはおもしろくする目的だろう。日本ではもっとバントのうまさとか、地道な雑草魂をもったキャラクターを山ほど作ってほしかったというのはある。

「イップス」という故障がこの物語では途中からよく出てくる。しかし、このマンガのようにすぐに治るわけでもなく、適当に故障したようになっていて、設定はありきたりだった。実際、すっごくつらいだろうし、ピッチャーがバッターになげるのにとても恐怖を感じる姿を想像するだけでつらい。

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