星空を見上げれば思い出します
全てが魅力的
「この世に邪悪がはびこる時、必ずや現れるという希望の闘士、聖闘士」というこの文章だけで何て魅力的なんでしょう。女神アテナを守る聖闘士と呼ばれる少年達(まれに少女)や、「聖衣」と書いて「クロス」。「小宇宙」と書いて「コスモ」など聞きなれない言葉の数々も魅力的でした。「しょううちゅう」と読まなくてはいけない所を「コスモッ」と読んでしまったほどです(笑)。ですが、内容の魅力はそれだけではありません。そもそもの発端は、まだ生まれたばかりのアテナをサガがアーレス教皇になりすまし殺害しようとする所から始まります。異変を感じた射手座の聖闘士、サジタリアスのアイオロスの手により救われたアテナは、城戸光政に託されます。そして、アテナは沙織という名前で何不自由なく育てられます。光政は聖闘士を養成する為に子供達を世界中に修行に出します。と、かなり無茶苦茶ですよね。いかに世界の平和を守る為とは言え、まだ幼い子供達を過酷な地へ行かせるなんて正気とは思えません。思えませんが、これも世界の平和の為なのです。主人公の星矢もギリシアへと送られ、そこでペガサスの聖衣を手にいれます。そして、かつての仲間達とゴールドクロスを掛けて争ったり、1番過酷な島へと弟に代わり行って来たフェニックス一輝が襲って来たりと、ストーリーはあれよあれよと進みます。私は、聖闘士の中でもアンドロメダ瞬が好きでした。女の子のような外見と、それに反して強い彼がとにかく好きでした。あれほどまでに変わってしまった一輝兄さんを信じる姿も健気でした。そして明かされた沙織の正体に、星矢達は戸惑います。それもそのはず。だってワガママばかりのお嬢様が実は女神アテナの化身で、自分達が守らなければいけないなんて。言われた星矢達がすんなり受け入れられないのが自然なんです。それでも十二宮の戦いで、星矢達はアテナと世界の平和を守る為に、自分達よりもはるかに格が上である黄金聖闘士に戦いを挑みます。シリーズ中、この「十二宮編」が1番の盛り上がりを見せました。特に、黄金聖闘士と自分の星座を重ねては友達と大騒ぎでした。ちなみに私は水瓶座なので「アクエリアスのカミュ」です。良かったです。イケメンです。それから、「ポセイドン編」へと進み、「冥王ハーデス」編でまさかの展開が続きます。ええっ。老師ってこんなに若いのっ。ええっ。カノンが正義に目覚めたのっ。そして、最大の驚きはあの巨大なアテナ像がアテナの聖衣だったという事です。全てが驚きの中、決着が着きます。身を呈してアテナを庇った星矢は倒れ、神衣をまとったアテナがハーデスを倒します。このラストシーンは何度見ても泣いてしまいます。出来れば、星矢とアテナが一緒にハーデスを倒して欲しかったです。
団体戦の始まり
『聖闘士星矢』と他の作品が違うのはその戦闘スタイルではないでしょうか?それまでのヒーローものというと『北斗の拳』や『キン肉マン』といった単体で戦うヒーローが多かった気がします。時々仲間と協力する事はあっても基本的には1人です。『聖闘士星矢』のように何人もの聖闘士が戦うような作品はあまりなかったと思います。この『聖闘士星矢』がキッカケとなり、主人公がチームで動く作品は増えました。例えば『幽遊白書』や『烈火の炎』。少女マンガとなりますが『美少女戦士セーラームーン』もそうではないかと思います。団体で行動する事で、より友情を表現しやすくなるし、大きな敵との戦いも増えて来ます。更に、聖衣というように何かを身にまとうというスタイルもこの作品がキッカケだったような気がします。現在ヒットしているマンガやアニメもこの『聖闘士星矢』の存在があったからこそ出来たのです。そんなすごい作品を見ていたんだなと思うと、感慨深いものがありますし、これからもこの作品の影響を受けた作品が出てくると思うと楽しみです。
みんな、同じ顔?
同じ原作者なのだから仕方がないと思うんですが、皆、同じ顔に見えません?例えば、「リングにかけろ」とか「風魔の小次郎」とか。衣装が違うだけで、顔だけ見ていると区別がつかない時もあります。車田先生の絵は力強く、色彩も綺麗なんですが、もう少し違うと良いなと思います。もちろん、内容が違うから良いのですが、どうしても、「あっ。このキャラって風魔の小次郎の○○に似てる」なんていう事もしょっちゅうなのです。特に女性キャラって髪型に多少の違いがあるだけで、体型さえほぼ同じです。他の漫画家さんと比べると、車田先生の絵はかなり個性的な気がします。でも、個性的だからこそ逆に区別がつかないのでしょうか?ストーリーも大切ですが、それと同じぐらいキャラクターも大切です。それに、聖衣もかなり似ている物があってこれまた区別が大変です。青銅聖闘士、白銀聖闘士、黄金聖闘士までは分かるのですが、それ以外を見ただけで判断するのは難しすぎます。
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