頭から離れないストーリー - 善悪の屑の感想

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善悪の屑

4.254.25
画力
4.25
ストーリー
4.75
キャラクター
4.50
設定
5.00
演出
4.50
感想数
2
読んだ人
3

頭から離れないストーリー

4.54.5
画力
4.5
ストーリー
5.0
キャラクター
4.0
設定
5.0
演出
4.0

目次

こんな世界が本当にありそう。

あらすじとしては古本屋を営んでいる主人公のカモと相棒のトラが、裏の事業として犯罪被害者や被害者の遺族に変わって復讐を代行する『復讐屋』のおはなし。

これ・・・実際に合った事件をモデルとしているんですよね・・・。

そうなってくるとまた見方が変わりました。

本当途中で目を背けたくなるような理不尽でひどい話ばかりで、この漫画で何度泣いたことか。泣

こんなひどいことをする人間がいるのかと。

中でも子供が絡んでくる事件は本当だめでした。

5巻の櫻井っていう学歴コンプレックスを持ってる歪んだ男が、いいことろの小学校に通っている小学生たちを無残に何人も刺し殺す・・・とか

これは『善悪の屑』の前の『外道の歌』の話になっちゃいますがプライドの高い母親が娘と同じ幼稚園の母親にバカにされてるという理由からその子供である女の子を山の中で絞め殺す・・・とか

ひどい話ばかりです。

そんな理不尽に被害にあった人々の代わりに“復讐”を代行するカモとトラ。

彼らにも過去に様々なことがありこのような仕事をしているわけです。

自分が知らないだけでこういったことが実際に起こっているんじゃないか。

裏稼業というんでしょうか。

そういうのって大なり小なりありますよね?

だったら復讐屋も実際は・・・って思ってしまいます。

グロイ、後味悪い、でもとてつもなく引き込まれる世界観。

描写がリアル。

犯人がターゲットとなる被害者を見つめてほくそ笑んでるとことか。

犯人がただご飯食べてるだけのとこでも、いい意味で気持ち悪いし鳥肌たってくる。

痛めつけてるシーンとんでもなくグロイです。

殺害方法もグロイ。

被害者からの依頼でなるべく苦しんで殺してほしいとかがあるからですかね。

ひどい話だったり悲しい話ばかりなので目を背けたくなります。

私が一番読んでて辛かったのはカモが復讐屋を始めたきっかけの話。

奥さんと娘さんが警察のお偉いさんのバカ息子に殺されてしまいます。

事件現場を目撃したカモ、呼吸ができなくなってしまうほどのショックを受けてしまいます。

とてもとても大事にしていた家族。

特に娘さんは宝物のように思っていたはず。

そんなカモの心情を思うと涙が止まりませんでした。

犯人に復讐してすっきりー!ってこともあるんですが私的には後味悪いのが大半です。

でもね、読み続けてしまうのです。

話はもちろん、描写だったりキャラクターだったり、この漫画には引き込まれる何かがあるのですよ。

何がそして誰が正しいのか分からなくなる。

実際カモとトラがしていることって犯罪です。

痛めつけるのはもちろん殺しもやってるので当たり前ですよね。

でも法で裁かれたとしてもそれって被害者やその家族は満足するんでしょうか。

救われているんでしょうか。

『外道の歌』の第一話、母を刃物で刺してレイプ、1歳半の子供は泣き止まないからって4Fから突き落として殺害。

母親は一命を取り留めましたが子供はどんなに願っても戻ってこない。

この犯人が未成年でしたよね。

未成年だったから罪は軽く、7年で出てきたんです。

7年ですよ?!

子供殺して女性を刺してレイプして7年って・・・。

私が被害者だったら絶対納得できない。

どの事件の加害者もどうしようもないカスやろーばかりですよ。

そんな無念でいっぱいの被害者やその家族、カモとトラのおかげで確実に救われていると思うんです。

私はそんなカモとトラこそ正義だと思うんですよね。

まあ犯罪ですけどね。

色んな思いを抱いて『復讐屋』をしている2人。

最終的にどうなるのかな。

最終回が全く想像できません!

でも・・・これは私の勝手な想像だけどハッピーエンドは絶対ないと思うんですよ。

だっていくら『正義の行い』だったとしてもどんな『犯罪者』にだったとしても行いとしては悪いことなんです。

その犯罪者にも家族や大事に思ってくれる人がいるかもしれない訳で・・・

そんな人たちに殺される・・・あるいは殺されかけるのかな?

因果応報って言葉があるように悪いことしたらその分自分に返ってくるんじゃないでしょうか。

チンケな予想ですけどね。

でもカモとトラ、幸せになる気なんてサラサラなさそうですよね。

カモにとっての幸せは家族といることだったと思うのです。

でも2人を殺された以上その幸せはもう手に入らない。

トラは自分のせいで母親を死なせてしまったと思ってる。

そんな自分は一生幸せになっちゃいけないって思ってる気がする。

そんな2人だから、幸せになるために生きているわけじゃないと思う。

生きて『復讐屋』をするのは2人の使命・・・みたいな。

勘ぐりすぎですかね。

だから死ぬまで『復讐屋』続ける=アンハッピーエンド。

・・・できることなら2人とも幸せになって欲しいけどね。

私の考察はこんな感じですね。

でも『善悪の屑』まだまだ終わりそうにありません。

これからカモとトラがどんな『正義』を見せてくれるのか、ずっと見続けたいと思います。

リアルな裏社会物好きなら絶対読むべき作品ですね。

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道徳とは

加害者の残虐性私がまずこの漫画を見て抱いたのは加害者は全員残虐性が大いにあるため、見ていて「気持ち悪い」という感情がわき出てこない点である。第一話、まだ年端もいかない子供を窓から放り捨てる加害者、その描写を見て0歳児を抱える私は心の底から憤った。まさに殺したいと思った。ほかの話も同様である。まるで人間の扱いではない、家畜のように思われている被害者たちを見て、その度に腹が立った。小学生殺しをした奴も、最初のうちは「うん、まぁ確かに腹立つよな・・」と同感する場面もあった。しかし、徐々に狂気を醸し出し、殺し終えた後には「ワハハハ」とバラエティ番組を見ながら晩酌を楽しんでいる。何の反省の色も見せない。奈々子を襲った編集者はその最たるものだと思う。一家を惨殺し、女性の写真をオカズに自慰行為、そして食事、ゲーム・・・なぜ、人間を殺した後に普通の生活をできるのだろうか。思うに、やはりこういった人を殺...この感想を読む

4.04.0
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