最高のチーム！ - 医龍Team Medical Dragonの感想

朝田の技術だけではなくて彼の人間性がこのドラマのキー

このドラマがが好きすぎて何度観てしまったことか。。シーズン4まで観たけれど一番好きなのはシーズン１。このドラマ海外でもかなり人気があるようで台湾でも中国語で放送されていた。このドラマのすごいところは全てが盛り込まれているところ、というのは感動するだけではなくて、エキサイティングなシーン（次回がいつも待てない）が多々あり、泣けるし、ハラハラさせられるし、ワクワクするし、何と言ってもこのドラマを観ているとチームというものに憧れてしまう。朝田には不思議な魅力があり、それは医療技術だけではない、むしろ彼の人間性にあると感じた。朝田はドラマの中では本当に無口だなぁ～！とよく思うし、他のキャストの加藤先生や伊集院先生の方がセリフの数はよっぽど多いと感じるのだが、朝田がセリフを言うときの一言一言がなんと心を打たれることか。。人は喋ればいいものじゃないとこのドラマを観ていて感じる。彼は言葉で皆を説得するのではなくて、行動と彼の信念で周りを説得する男。医者が患者を待っているんじゃない、患者が医者を待っているんだ！と朝田は言う。知らない間にみんなが朝田のペースに乗せられていく、それは彼がオペを行っているときだけではない。彼の患者を守るという信念にみんなの心が少しづつ動かされていく。伊集院、加藤先生、そして荒瀬先生まで。。どのドクターも最初はみな患者を守りたいと医者になったはずなのに、自分のキャリア、論文、お金に動かされていく、知らない間にミイラ取りがミイラになっていた加藤先生、論文のために患者を犠牲にした荒瀬先生、大学病院で居場所を見つけらずおちこぼれのレッテルを貼られる伊集院。。そんな彼らに朝田はまっすぐに向かう。患者より他に大切なものは何もない、と。こんなドクター実際いるのかな！？と実際観てて少し思ってしまいますが。。医師法を無視しても何とか加藤先生の手回しで首にならない朝田先生。これはちょっとドラマっぽいけれど、こんな先生がいたら。。と夢見ずにはいられないのだ。個人的にちょっと残念なところだが朝田の恋愛部分が盛り込まれていないところだった。ただ、この部分がないからこそ朝田のミステリアスな寡黙なキャラクターが出来上がっているのではないかなと思う。

伊集院の存在と大学病院の現状

伊集院ファンでこのドラマを観ていた人も結構多いのではないかなと思う。伊集院もかなり面白いキャラだと思う。静かでおとなしいと思いきや、朝田にしっかりと意見したりと自分を実はすごく持っている伊集院。このドラマの中で一番現実的な医者は伊集院だと感じた。実際、伊集院のようなお医者さんはたくさんいるのではないだろうか。実際は荒瀬先生のようにやりたい放題できないのが現実であるし、伊集院を観ていると"普通のお医者さん"　を連想させてくれる。自分のある友人も大学病院に入ってから現実の厳しさにかなり落ち込んでいたが、大病院と製薬会社との関係は切っても切れない関係にある。患者をただ救いたいの気持ちだけでは大学病院というところでは生き残っていけない。製薬会社との接待、それによる自分のキャリアアップ。。伊集院のように現実とのギャップに悩むお医者さんも多いのではないだろうか。それに大学病院の方が名医がいるのでは？思いがちだが、そうではないのかもしれない。小さな病院だっていい医者はたくさんいる。規模が大きくなればなるほどいろんな複雑なことが絡んできて患者の為だけに動けなくなるのかもしれない。そんな中で伊集院は大学病院というところで朝田のおかげで自分のバランスをとりながら居場所を見つけていく。眼鏡で真ん中分け、大きめの白衣、この姿で走り回っている伊集院が本当に可愛い。木原先生との面白いやりとりも唯一このドラマで和めるところでもあった。

最高のチームドラゴン

大人になるとチームドラゴンのように何かに向かって必死に皆で頑張るチームとういうものに出会える機会が少なくなってくる。お互い意見をぶつけ合い、認め合い、そしてともに成長していく。。社会に入るといつしかそういう熱いチームというものから遠ざかっていってしまう。。4話で藤吉先生が伊集院に言っていたように、みんな強くなんてないさ、だけど誰かの為になら強くなれる。誰かが自分を必要としていてくれるなら怖いものなんてないんだよ。

この言葉が心に響いた。

現代社会では自分を観ても周りをみても社会に入ってしまうと忙しい毎日に追われ、夢や情熱に溢れている人に出会えることがあまりない気がする。自分はこうありたい！こう生きていきたい！と語り合えた学生仲間も学生時代が終わるといつしか社会に飲み込まれ、お互い会えば仕事の愚痴、悩みしか話さなくなる。このドラマは自分の夢や情熱を忘れずに信念を持って生きていくことがどれだけ大切なのかということを教えてくれる。一人一人の人生は多種多様であって、周りと同じ出なければいけないということは全くない。朝田の情熱は患者を守ること、加藤先生の情熱は論文と患者両方。それでは私たちの目的は？自分の人生において誰にも譲れない情熱と夢は一体なんなのだろうか？とこのドラマを観ていてそう問いかけてくるようだった。そしてそんな夢と情熱を語り合える仲間はいるのか？と考えさせられる。このドラマはただの医療ドラマではなく、人間としての在り方を教えてくれるドラマではないだろうか。朝田のように大胆に行動できなくても少なくとも自分の意見を押し殺し生きていくのだけはしたくない、そう思えた。