歌と作画とOTONAと、見どころたっぷりのシンフォギア - 戦姫絶唱シンフォギアの感想

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戦姫絶唱シンフォギア

3.833.83
映像
3.17
ストーリー
3.50
キャラクター
3.67
声優
3.83
音楽
3.83
感想数
3
観た人
4

歌と作画とOTONAと、見どころたっぷりのシンフォギア

4.54.5
映像
3.0
ストーリー
4.0
キャラクター
4.0
声優
5.0
音楽
5.0

目次

期待してたら騙された!でも見続けてしまう上手な引き

戦姫絶唱シンフォギア。はじめのキービジュアルは天羽奏と風鳴翼であった。そして彼女たちが二人で歌う…TWO-MIX時代から高山みなみの歌のファンであった私は、また彼女の歌声が聞けることをとても喜び楽しみにしていた。

そして始まった第一話。二人のデュエットに大興奮。響のように「ツヴァイウィング」のパフォーマンスに引き込まれ、一気にファンになった。この先もこんな風にライブシーンがあるのか…そんな期待は奏の死によって第一話から大きく裏切られることとなった。「キービジュアルと違うじゃん!騙されたチクショウ!」と思ったが、先が気になる引きだったので、もう奏の歌を聴くことはできないだろうと分かっていても視聴を続けた。

そしてどこかで視聴を止めるんじゃないかな…そう思っていたのだが毎回話の引きが上手で、気が付けば最終話を迎えていた。響、翼、クリス、未来、そして一部動画サイトでOTONAと称される大人達の葛藤、そして成長。「急に歌うよ〜」のフレーズもお馴染みのものになったが、そんなギャグめいたものを超えた物語の構成の上手さと人間物語がシンフォギアの魅力の一つと思っている。

急に歌ってもいいから作画は頑張ろう

ストーリー面では強引な展開もあるものの、声優さん達がアフレコで入れるという歌の臨場感などにも盛り上げられ、私はすっかりシンフォギアの虜になっていった。シンフォギアはこの後2017年夏現在で4期まで放送されて素晴らしい作画を見せてもらっているのだが、第一期の本作は流石に予算が少なかったのか、作画には非常に荒がある。

着ているはずの服が次のシーンでなくなっているなど日常茶飯事。塗り損ねのような箇所もいくつかあった。「あれ…指…本数…おかしくない…?」と気づいた時には「作画頑張れよー!!!」と切に願ったものである。しかし現在のアニメ制作が予算ありきなのは重々承知していたので、そこは歌と話の面白さで乗り切った。というか、作画の荒さすら楽しめる勢いがあるのがシンフォギアなのだ。DVDでは見ていないのだが、修正がされているのなら満足できる完成度になっているだろう。

歌で世界も視聴者も救える!アフレコ歌唱であることの素晴らしさ

前述の通り、シンフォギアの戦闘歌唱部分は基本的に声優さんがアフレコ現場で歌っている。よって動きに合わせて息を吸う、吐く、台詞を言うように歌うなど、戦闘シーンの臨場感がより増しているのだ。それは現行シリーズまで続いており、シンフォギアの目玉であると言っていいだろう。

その楽曲についてはシンフォギアの企画を立ち上げた上松範康氏及びElements Gardenが担当している。どれも戦闘楽曲としてハイレベルのものであり、少し元気のない時に聞いても、カラオケで歌っていても気持ちが昂る気持ちが良いものばかりだった。彼女たちの歌声は最終的に世界を救った。しかし楽曲はアニメの世界を飛び出し、視聴者の心にも熱いものを残し、救ってくれたと言えるだろう。

奏の台詞である「生きるのを諦めるな」それは物語や歌を通して、視聴者にも伝わっている。

OTONAは格好いい!サブキャラ達のサポート能力の高さ

先ほどシンフォギアにおいて一部視聴者から大人キャラが「OTONA」と呼ばれていて、私も主にそう称しているので、以後も彼らについてはそう称させていただく。

シンフォギアの第一期のOTONAサブキャラといえば司令・緒川・藤尭・友里の4名である。それぞれが有能で、緒川に至ってや下手な奏者より活躍することもある忍者という設定の持ち主だ。

しかし彼らはいつも奏者達のことを一番に考えてくれる良き理解者である。こちらも少々人間離れした能力を持っている司令は響の武道の師匠となり、また時には叔父として翼を支え、更にクリスを説得し心を溶かした。司令という役目を担っている姿も非常に立派なのだが、奏者を誰より思っている父親のような存在感を見せている方が私にとっては魅力的に映った。

また緒川も各種能力で奏者、主にマネージャーを務める翼を良くサポートしていた。藤尭・友里も仕事は有能ながら、緊張しがちな現場を和ませる素敵な人柄を持っている。

奏者のシーンが派手なので、どうしてもそちらに目がいきがちだが、こんな素敵なOTONA達がいることもシンフォギアの魅力であり、OTONAの立ち位置が以後も変わらず続いていることがとても嬉しく思う。

歌と科学と錬金術と。終わりつつも続いていく物語

歌がメインのシンフォギアだが、実のところ科学・錬金術といったSFとファンタジーが入り混じったキーワードも多く登場する。変身美少女ものの中でも、その点を突き詰めると非常に奥が深いので、表向きの派手さ以外にも楽しめる要素は多分に含んでいる。

ストーリーは第一期含め、どのシリーズでも非常に綺麗に完結する。見終わった後のスッキリ感はとても良い心地にさせてくれる。正直ここで終わって大丈夫と思えるのだが、それを続編に上手に繋いでいっている点は秀逸だ。今後もシリーズが長く続いていくことを願っているが、やはり原点である第一期が一番好きな私であった。

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硬派な戦うヒロイン

金子節が冴えわたるッ!!!↑もう絶対脚本こんな感じだよ……とのっけから皮肉ってしまいました。『戦姫絶唱シンフォギア(以降、シンフォギア)』について語るには、まずシリーズ構成・脚本担当の金子彰史氏について語らねばならない。金子氏の名前は、『シンフォギア』のスタッフとして知られる以前に、ゲーム『ワイルドアームズ(以下、WA)』シリーズのトータルゲームデザイナーして知られていた。『WA』をプレイしたことのある人ならご存知だろうが、『WA』はプレイステーション黎明期にリリースされて以降、良作としてRPGファンに広く名前を知られているゲームだ。だが、その世界観――荒野とSF、ファンタジーを融合させたようなもの――は決して万人向けとは言い難く、金子氏特有の凝ったセリフ回しと合わさって、いつしかマイナーゲーと認識されるまでになった。おそらく、シリーズ全てを通してプレイ・クリアしている人はそう多くはな...この感想を読む

3.53.5
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