面白さと巧さがあるがいろいろと足りないところだらけの完結
画がキレイなのがお気に入り
登場人物一人一人、とっても素敵!アニメっぽくかわいく、王道な少年漫画だったなーと感じます。途中で打ち切られてしまうほど、評価はちょいと低めなんですが…クオリティとしては高いと感じたし、世界観も好きな感じでしたね。
主人公の恭介がとにかくかわいい。そしてシリアスな局面でイケメンというのが、少女漫画要素のようで嬉しいものでした。クラスメイトに
2人だけの秘密にしよう?
っておいおい、ハートをも射貫いてしまう気ですか…!また、白天丸が憑依することで青年の姿になるというのもおいしい…イケメンですしね。性格が白天丸寄りになるので、懐かしの仮面ライダーとか思い出しましたね~電王あたり。佐藤健がイケメンだったので好きだったんですけど、何となく同じような雰囲気も感じられます。ちょっと違うのが、憑依するのは白天丸だけであり、他に何体も式神を使うことができるということですね。ザンキマルとかおもしろい感じだったので、どんどん式神増えてくれるのかなーとか期待もしたんですけど…そこまで増えなかったのはちょっと残念でした。体力的にも大丈夫そうだったし、マコと探偵しながら技がどんどん強くなっていくのかなーって期待したんですよ!たいてい、最初のままの力でどうにかなる相手では終わらないじゃないですか。少年漫画って。烏丸さんとの修行みたいなやつで、ちょっと変わってたけど、もっとあるでしょうよ、でかいやつが。
確かにマコの存在薄かった
当初の登場はすごくよかったと思うんですよね。なんか特殊能力のありそうなマコと、式神使いの恭介が出会い、協力しながら事件を解決していく。その中でお互いの能力にさらなる開花をみせながら、闘いの渦にのまれていく…ありきたりですけど、マコの特殊能力がキーになって新しい展開を見せてくれるんじゃないかなと期待もできました。
ところが、マコがからっきし光らない。ただのずぼらな女。何がいいのかわからないが、恭介はお宿代の代わりということで式神協会からの給料を渡し、家事も積極的に担当して、昼間学校に通わされ、昼夜関係なくフルスロットルで式神使って働いて…幼少期からの修業がきつすぎて、感覚がおかしくなっているんだろうか。忙しすぎる…!マコが何かしらできるようになるでもなく、恭介との信頼関係を確かなものにする大きなイベントがあるでもなく…せっかくのヒロインなのに、なんて女子っぽくないのか。これじゃー誰も憧れたりとか守ってあげなきゃみたいな感情を持てないですよね。そりゃ物足りなくもなるよ。
マコの特殊な憑力を感知する能力の始まったきっかけや、幼少のころに発見した子どものこと、恭介を助けるだけの何かなど、語られぬまま放置されてしまって大変残念です。特に気になるのが、幼少のころ探偵を志すにいたったときの子ども。てっきりこれが恭介なんだろうって予想をしていたんですが、あっさり恭介の過去編も出たので違っていた…?恭介出生の秘密あたりを掘り下げていけば、もしかしたら恭介だったのかもしれない、という気もしています。マコにこれだけ尽くせるのはちゃんと理由があった、的な。そうでなければ、本当にダメヒロインですよね。
皇家とか陰謀とか足りない
浅いなーって思うのが、カイトですよ。恭介との絶対の信頼関係の部分、まだまだ語れるでしょう。「もういいよ!俺がお前を守ってやる!」っていう思考に至るまでのところが浅すぎる。もう少し語れたはず。カイトの心の葛藤、その劣等感からの克服は、もう少し時間をかけて払拭されてほしかった。再会したときにはすでに完全なる信頼関係のある親友になっていたので、なんか足りないよね。全然関係ないけど、カイトと姫吊さん、似すぎだ…これで同じ皇じゃないってどういうこと??むしろどこが違うのか、登場時点で見分けができないほどでしたよ…
そして陰謀の足りなさ。ここが一番そうだと思うんですけど、ホローラビットがいきなり出てきて、いきなり巻き込むじゃないですか。おそらくは、もっとリッパーみたいな雑魚敵を出し、マコとのエピソードも増やしながら面白くしたあとに、ホローラビットという最強の敵編!って出してくれてもよかったのにね。獅土があっさりラビットにやられちゃって、えーこんな感じでいいの?って思っちゃったんですよね。式神協会の偉い方の人なら、もう少し圧倒的な感じ出してくれてもいいじゃない…恭介の勝利ってビギナーズラック…?大勢の人間を無差別的に狙うのは、だいたいの場合最終手段になるので、もはやこういう展開になった時点で終わりが近い…と言っているようなもの。やりたかった話を出せないままに終わってしまったんじゃないかなーってちょっとせつないよね。
フラグ回収してくれない
一番回収してほしかったのはマコとマコが救ったという子どもについてですが、その他にもまだまだありました。ホローラビットの背景や、恭介の能力の背景、白天丸という存在についてや、式神協会全体の話、マコの能力の背景とその変化についてなどなど…説明足りないなーというところがそこかしこにあります。白天丸がなんで恭介を選ぶに至ったのかとかさ。羅生丸とのエピソードとかさ。もっと話してほしいですよね。主人公なんですから。気になるのが、恭介がせっかく学校に通っていたのに、中盤から全然学校の影も形もないっていうあたり。浅いくらいなら出さなくてもよかったじゃないかって思ってしまう…。
たいていは、「式神協会」とか大きな組織になると、裏切りや裏の裏をかく工作がたくさんなされるものですけど、そういうことがなかったなー…いや、確かにそういう演出は心が苦しくなるので嫌なんですけど、話に厚みが足りなくなるよね。ホローラビットの中でも、もう少しキャラのたった奴との闘いをたくさんさせてもらいたかったです。いきなりラビットさんと当たれてるし、マコのおかげか右腕みたいな人を殺すのも早かった。実際は駒だったのかもしれないけど、そこに至るまでもう少し時間をかけたいよね、やっぱり。バトルシーンとかは好きなんですけどね~…雑すぎず、キレイすぎず、汚すぎない。淡白な感じの雰囲気が好きでしたね。
あと、足りないなーって思うのが、他の式神協会のメンツの強さが目立たないっていうこと。すごいんだろうけど、すでにカイトと恭介がだいぶ強いので、修行もなんか期待できなかった。しかも修行の大会やってる間に襲撃されるって…どんだけバカなの。
恭介とさよならしたまま完結
主人公が消えるフラグ、そこは結局そのままになっちゃったのね…冒頭の魂とかではなかったのが幸いだけど、悲しい終わりは本当にイヤなものです。あーもやもや。しかも、年数が経ってるのにそういう状況?恭介そのまま?説明してから終わってくれよー…悲しいよー…一番悲しいのは、恭介のいない世界でのマコ達がすげー普通なこと。悲しみが足りん!心の機微が足りない!彼なしの「カガミガミ」は全然おもしろみがありません。
そんなこんなで終了したこの物語。キレイな画も気に入っていたから、本当に残念でした。いろいろと足りないところはあったけど、久々に面白いバトルアクションでしたね。続編出ることは…ないんでしょうね。もう内容的には続けようがないし…いろいろ伏線を回収して10巻くらいは続けてほしかったなーとせつなくなる物語です。
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