好きな人はずっと好き。そんな作品です。
比類なき一枚画の美しさ
画はきれいです。それに尽きる作品だと思います。原作のファンからは、これでも物足りないという声もありますが、そもそもコミックスの絵がうますぎるので、動画で再現するのは難しそうです。
ジンの顔とか表情は、正直あんまり原作に似てないと思うのですが、ジンガールがみんな可愛く描けているのでいいかなと思いました。エンディングの一枚画は本当にいいですよね。星4.5です。
ストーリーはいい。最終話だけでも見る価値あり
基本的に原作通りに進むのですが、新装版コミックスでいうところの4巻と6巻が抜けてますね。民族浄化と新興宗教の話なんで、放送は見送ったのかなと思いますが…4巻のセブンズヘブン編はOVAになったので良かったのかな。原作通りにいくと、最終巻は色彩都市編なのですが、暗くて寒くて寂しい感じなので、ザザの仮面舞闘会編で締めてくれて良かったです。三話に渡って丁寧に描いてくれて良かった。ジンの最初で最後のキスシーンもあるしね。ジンの退場の仕方も、疾走感があって最終回らしくて良かった。全体的にも、原作でやや助長に感じられた部分をすっきりまとめられていたのかなと思います。ただ、色彩都市編の「絵は消さないでおきます。ずっと、このまま」の台詞は蛇足だったと思います。しつこい感じがしました。
もっと知ってほしい!爆弾生物ポルボーラ
アニメオリジナルの話も2話入っているのですが、「なんか原作に元々ありそう」な雰囲気を出していると思います。個人的には、ポルボーラの子守唄は好きです。ポルボーラが人工的に作られた爆弾生物で、工場で出荷されていた…というのも面白い発想だと思いました。エリクシルというジンガールが登場しますが、エリクシルはアルコールの名前であり、また、錬金術でいうところの「賢者の石」の精製に必要な液体であったとも言われています。「賢者の石」は、人工生命を作るための物ですから、人の都合で作られ、消費されるポルボーラの境遇と重ね合わせると、悲しいものがあります。エリクシルもまた、人間ではなく人工物であり、秘密が露見した時には全てを抹消するシステムの中核であることが明らかとなります。なんとも救いのない展開になっていきますが、その暗さもジンらしくていいかなと。
また、悪役に野沢昌子さんが出演されているのですが、天空の城ラピュタのドーラよろしく弾けたおばちゃんを演じていて、久しぶりに悟空以外で見た!と思いました。
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