愛って何なんだ - 姉の結婚の感想

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姉の結婚

3.883.88
画力
4.00
ストーリー
3.63
キャラクター
4.25
設定
4.13
演出
3.63
感想数
4
読んだ人
7

愛って何なんだ

4.04.0
画力
4.0
ストーリー
3.0
キャラクター
4.0
設定
4.0
演出
4.0

目次

なんでヨリにはそんな男ばかり寄り付くのか

女は強引な男に弱い。そして、不倫気質の人はやっぱり不倫してしまう気がしています。強いのに物憂げで、誰より弱さを必死に隠して生きている。そういうのがフェロモンに出てるのかなーと思いますね。そして、そういう女の人は、揺るがずに自分を引っ張っていってくれる人、安心感をくれる人に弱く、安心感をちゃんと作れる男って言うのはすでに自分にそれなりに自信があって安定している人が多いと思うんです。だから家庭持ちの男で、ちょっと遊びたがり・家族という根本は確保しておきながら自由を求める男が不倫しているわけですよ。君のほうを愛しているよ~なんて言われたら、常に心の寂しい隙間を埋めようと必死こいてる女性の方々は堕ちていくんだな~…

ヨリは39歳で、もう40歳を目前にした女性。東京でいろいろな男性と付き合ったけれど、君が一番だと言いながらみんなただの遊びだった李、不倫だったり。自分が真剣に結婚を考えた相手も妻子持ちであることを隠していた…そして極めつけの火事。もういいか。東京じゃなくたって、静かに余生を送れるところならどこだっていい。そりゃ人生に見切りをつけたくなるよね、そんな毎日では…確かにヨリは美人で、仕事ができて、人として優しくて。だけど本気で愛することが怖いし、本気で愛されていると自信を持つことが決してない。そんなヨリと真木との出会いは、強烈でしたね…真木さん初登場の時点では、全然かっこよくみえなかったけど、知れば知るほどに、真木さんイケメンなんだよね~外見よりも心がね。

真木さんのストーカー

今日は排卵日ですか

これはもう…はっきり言って怖すぎる。脅してでもあなたを抱きたいと思う。大人って恋愛するとき全部一足飛びでいきなりそこの相性から見ようとするのかな…そんなことを考えていたけど、真木さんが中学生のころからヨリに片想いをしていて、ずっと想ってきたんだな~…って思ったら、せつない気持ちになりました。ヨリがよく買う缶ジュースを自分も飲むとか、ヨリの足跡の通りに自分も歩いてみるとか、そういう変態行動も全部はヨリを知りたいという気持ちから。ストーカーってほんと紙一重の存在のように思います。ヨリが逃げても逃げても追ってくる。この描写はあまり許せないけど、確かにヨリにも真木に対しての隙があったし、徐々に好意も持っているように思えた。だから、キモくても許したくはなります。

不倫を割り切ってでも、ヨリと一緒に居たいと思う。結婚と自分の自由恋愛は別物。だけどヨリはちゃんと女だから、不倫関係において体を重ねているとき以外に安心感なんてない。どんどん自分が苦しくなって、お金を要求してみたり、無理して自分で背伸びしてみたり。かわいそうだったな…早く真木さん奥さんと離婚して、ヨリを正式に迎えに行けばいいのに。ずっとそう思ってました。だけど、結婚っていろんなものを共にしているから、いざ離れようとしてもめんどくさい手続きや、体裁や、いろんなものがある。真木さんの奥さんのほうも、ずっと不倫ばっかりしてたから、お互い別れるのに十分な理由は持っていることになるんだけど、愛がなくたって紙切れ一枚でつながっている関係のほうが強かったりするっていうのは妙にリアルに感じてしまいましたよ。

苦しみさえも喜び

これ、どんな思いで真木さんは言ってたんだろうって考えてみると、いかに愛が深いかがわかってきます。ずっとヨリと関わりたかったけど、関われずに遠くで見ているだけだった真木さん。ただヨリを追いかけているだけ。妄想の世界だけで自分の欲求を片付けているだけ。だから、どんなに突き放されても、ストレートに愛を伝えること、ヨリと一緒にいれることが喜びだったんだろうなと思います。やっと関わることができたのだから。ずっとあなただけを想って生きていた。これってすごいよね。だってもう39歳にもなるんだよ?それまでにいろんなことがあっただろうよ。付き合った人もいただろうし、奥さんなんてヨリと顔が瓜二つだから選んだんだろうし。手に入らないと思っていたものなのに、その瞳に自分が映っている。こんなに嬉しいことはないでしょう。

そしてこの言葉は、ある程度の苦しみを経ると喜びが見えてくると知っている人が言えるんだよね。だから、大人がすごく共感できると思います。ただ好きなだけではだめなのが大人の恋愛。いろんなしがらみがあって当然の世界で、それを糧に喜びを手にすることができるんだな~…努力を重ねた分だけ、自分が経験したモノの数だけ、学びと苦しみと成果がある。もちろん、ただ年齢を重ねただけじゃダメなんですよ?でも生きてたら、苦しかったことがないってほうがおかしい。苦しいことから逃げないで、どうすることが正しいのかって一生懸命考えた数の分だけ、人間大きくなるんだなーと思うし、恋愛も深くなる気がするね。

何歳になっても手に入らないもののために迷う

何歳になったって、人間迷ってばっかりなんだなーと再確認させられます。真理はわかっている。だけど、いろいろなものに挟まれて動けなくなって、答えを見失ったり、見ないフリしたり、逃げてみたり、ぶつかってみたり。大人ってめんどくさい。欲しいと思う欲求はすごく単純で、心が求めるものを理性で押さえつけるのが大人なんですよね。そうやってちょっとずつ、慎重になりながら、迷いながらでも進んでいく。

愛は喜びに満ちているべきだ 今日限り愛を乞うことはもうしないと決めたんだ 大切な人のために

大切なもののために自分の気持ちに嘘をつくこともあるし、自分のことばっかり考えて他人なんかどうでもよくて傷つけて、反省したり突き進んだり、考える力と自由を持つほど息苦しい。学校に通ってればよかった子どものころとは大違いだよね。特に恋愛においては重症なもんです。年齢を重ねれば重ねるほど、わかったつもりになってわかってない。でも重ねた年齢の分だけプライドもそれなりに厚さを増してしまっているんですよね。ただ寂しいって言えたらどんなに楽だろう。個人的には、早くしやがれ!はっきりしやがれ!って叫びたくなるんですけど…私に危機感がないのも困ったものです。人生思い切りも大事だと思うし、慎重に道を選ぶこともまた大事だと思う。どっちを選ぶか、誰も教えてくれないし、自分で選んでいくしかないんだけどさ。正しいとか正しくないとかは、自分が後から振り返ったときにしかわからないしね。怖いけど、がんばるしかないんですよね。

真木さんがモテすぎなんだよね

真木さんって、モテすぎですよ。不倫してた奥さんもちゃんと真木さんを好きでいてくれてたし、患者さんにも好かれて、まさかの花井さんにも興味を持たれて。そりゃーヨリが不安になってもしょうがないって。最終話まで破局がちらついて、もうどうしてくれるんだよ!!って焦ったけど、やっぱり最後は真木さんお得意のストーカー&根回しでヨリとの見合いにこぎつけていました。すごい執念…ここまでほんとに長くて嫌だったけど、ようやくヨリが愛することと愛されることを自分に許すことができて、うれしくなりました。自分の力だけではどうにもならないものが確かに立ちはだかっていて、それをいつも真木さんがぶち壊して迎えてに来てくれる。こんな人、逃したらだめだよ!絶対幸せになってもらいたいです。女は愛されてなんぼや!

実は真木さんの元奥さんだって、いい人間だったよね。結局不倫相手にも捨てられてシングルマザーへの道を選んだ彼女は、けっこうカッコいいと思ってしまったよ。

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執念も度を過ぎるとかわいいもの

ダメな男を好きになる女は万国共通ダメ男を好きになるっていうのは、女の性というかなんというか…嘘つきで、ずるい。なのに、やっぱりその人から愛されたいと思う女。彼には私がいる。私には彼がいる。それだけでいいはずなのに…振り回されて、捨てられて。ヨリはかわいそうな美人だった。寄ってくる男は、そういうヨリの美しさと弱さを嗅ぎつけているってことなのだろうか。結婚していて余裕のある男ほど遊ぶんだ。きっとそうだと思う。ちゃんと帰る場所があって、それを大事にする人もいれば、スリルを求めてさまよう男もいる。そいつらにつかまったフリーの小鳥はかわいそうとしか言えないわ…この際、やはり女はしたたかになって、そんな輩の正体を見破るつもりで生きていかなくちゃならないのだろう。ヨリのように、そんな東京のいろいろな男たちにうんざりして、40歳手前で人生に見切りをつける女性もいる。確かに、1人でいることは寂しいのかもし...この感想を読む

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こんな恋愛もあっていいのかなぁと思う「姉の結婚」

偶然、面白いタイトルの本だなぁと思い、1巻から購入。そのうち、なぜかずるずるとはまって、購入し、最終巻まで購入してしまった。主人公が自分と同じ40代ということで、「自分がもし40歳で独身だったら、こんな恋愛もあってよかったかも」と思わせる作品であった。図書館の司書で、書評を連載しているヨリと、中学時代は冴えない真木が、ひょんなことから再開し、まず愛人関係から関係をもつようになる。しかし、作品中に、真木の悲しい過去や、ヨリによく似たお嬢様と結婚したが為に、結婚という世界に失望を持ってしまったところに、ヨリとの再会で、奇妙な関係が始まる。ヨリも段々真木に心惹かれていくけれども、東京時代にたくさんの恋愛で失敗を重ね、「幸せとはなにか?結婚て幸せの保証となりえるのか?」と、迷ってしまう。でも、様々な人物や自分の両親の関係を聞いたり、体験することで、真木への本当の気持ちに気づいて、やっと恋人として、そ...この感想を読む

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