こんな恋愛もあっていいのかなぁと思う「姉の結婚」
偶然、面白いタイトルの本だなぁと思い、1巻から購入。
そのうち、なぜかずるずるとはまって、購入し、最終巻まで購入してしまった。
主人公が自分と同じ40代ということで、「自分がもし40歳で独身だったら、こんな恋愛も
あってよかったかも」と思わせる作品であった。
図書館の司書で、書評を連載しているヨリと、中学時代は冴えない真木が、
ひょんなことから再開し、まず愛人関係から関係をもつようになる。
しかし、作品中に、真木の悲しい過去や、ヨリによく似たお嬢様と結婚したが為に、
結婚という世界に失望を持ってしまったところに、ヨリとの再会で、
奇妙な関係が始まる。
ヨリも段々真木に心惹かれていくけれども、東京時代にたくさんの恋愛で失敗を重ね、
「幸せとはなにか?結婚て幸せの保証となりえるのか?」と、迷ってしまう。
でも、様々な人物や自分の両親の関係を聞いたり、体験することで、
真木への本当の気持ちに気づいて、やっと恋人として、そして結婚へと進むはずだったのが、
余計な妨害(ありがちな展開だと思ったけれど。いや、絶対妨害はあると予想はしていた)で、
ヨリは、真木から離れてしまう。
しかし、1年間、離れていたことで、結婚というものは、一人だけが幸せになるんじゃなくて、
二人が寄り添いながら手を離さず、幸せになろうと努力するんだと、お互い気が付いて、
ハッピーエンドとなるのだが、中途半端な愛人関係の契約にやきもきさせられ、
途中で読むのをやめようかとも思ったけれど、真木の悲しい親子関係などを読んでみると、
やっぱり最後まで見届けたいという気持ちになった。
真木が求めているものは、家族愛であり、愛する人からの献身的な愛だったのだろうと思う。
そして、逆にヨリも家族愛であり、本当に自分を愛してくれて、自分も相手を真剣に愛したいという
献身的な愛だったのかもと思う。
最初の愛人関係の契約には、面食らってしまうが、読み進めてみると、
「愛というのはなんだろう」と今一度考えさせられる作品だと思う。
- あなたも感想を書いてみませんか?
- レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。 - 会員登録して感想を書く(無料)