人生は考え次第で素敵になる - マイ・ルームの感想

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人生は考え次第で素敵になる

4.84.8
映像
4.0
脚本
4.5
キャスト
4.8
音楽
4.5
演出
4.5

目次

女性の生き方

主人公は40〜50代の未婚の女性。認知症の父親と少し変わったおばさんと一緒に暮らしています。自分の病気が分かり疎遠だった妹と再会します。主人公はきっと普通に幸せになりたかったのだと感じます。現実にも親や環境によって縁を逃してしまうこともあります。認知症の父親を看る事が責務として生きてきた姉と違い妹は自由奔放に生きてきた。しかし妹も決して幸せに満ちているわけではない。久しぶりに再会した2人はぶつかり合いながら大事な事に気付いていく。誰もが共感でき、女性としての生き方も描かれていて、人生について見直す事を考えさせられます。

老いと死


現代は、子供が病気の親を殺す、老老介護の果て心中や殺人などこの類の事件が毎日の様にニュースになっています。そして、いたるところに、老人ホームが建てられていますおり、この映画の様に家で介護している方は割合で言うと少ないんではないでしょうか?実際徘徊や、不可解な行動を起こすのであれば、家で看る事はできません。主人公の父親も病気の状態が、リアルに描かれており、看る家族としては、やりきれなさを感じます。そして、主人公は白血病の申告を受けます。急に死が近づいたそんな時でも、父親の面倒を看ます。人間いつかは老いていくし、死にます。元気に老いていくならば、死への準備も出来ます。しかし、皆が皆そうはいきません。老いたら、ボケたらどうしよう…不安に思いながら生きて行きます。この作品もそう感じさせますが、現実を受け入れ、皆で支え合う事でお互いが足りなかった部分を満たしています。人は1人で生きていけない。病気だから、お荷物になるんではなく、それぞれが支えになっている。人生の大きな課題を与えられている様です。

愛する事

とにかく、主人公は多くを語りません。しかし、雰囲気で伝わります。こう思ってるんではないか…とにかく穏やかな人であり、愛にあふれている人です。印象的なシーンは、終わりの方、白血病の移植が難しいと医師に電話で告げられ動揺した後に、少し変わったおばさん、認知症の父親の事愛する事が出来てよかったと妹に言います。普通人は誰かに愛されたいと思うんではないでしょうか?少なくとも私は愛されたいと願います。もちろん、愛する事もしますが…主人公は父親の部屋で丸い鏡を壁に向け反射のひかりで父親と遊びます。その場面は愛にあふれており、こういう風に関われる事が出来たら素晴らしいと感じました。介護でくるしんでいる方や、死が身近な方がこんな穏やかに過ごせる事が出来たらと思います。

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