闘ったことのない自衛隊の異世界侵略
異世界からの侵略の不思議
ストーリー序盤、異世界から東京に現れたゲートを通って中世の兵隊が暴れていますが狭いゲートを大人数が果たして通れるのか。中世の軍隊は大体いったん整列して大人数の斥候、中規模の前衛、大軍中央、物資支援のための更に多くの後衛に分かれて行軍するはず。ゲートから斥候が出てくれば東京都の人口や規模が少しは分かると思うのです。いくら非武装で屈強ではない一般人が沢山いるだけとはいえ自分達の価値観からなら一般人とその周りの建物でどの程度の守備隊が駐留しているか想像できるはず。今の日本は専守防衛で平和、普通自衛隊の出動には時間がかかる。このことを相手は知らないなら自分基準でいえば大規模な軍隊を編成、先遣隊は少なくとも千や2千はゲートをくぐり入口を占拠本隊の大軍をせめて中央軍が東京入りするまでは何もせず守備にまわるのが普通なのではないか。異世界にあって戦争で勇名を馳せた帝国軍が東京を見てここなら容易に勝てるなどと思うでしょうか。現代兵器を見ずともトラック、バスなどの大型車両が多数走っているのを見れば充分異常な都市だと判断つくのではないか。確かに中世ヨーロッパ時代の攻城戦は城壁内へどうやって兵を送り込むかが重要だったようです。街の守備兵は街壁を集中的に守っていますからいきなり内部から襲撃できれば混乱に乗じて侵入した兵が敵の街の城門を開けさせ本隊がなだれ込むことができる。有名なのがトロイの木馬です。今回は何の警戒もない東京への侵攻でしかも壁内に抵抗なく兵を送り込めますから中世ならもっとも落としやすい都市になるでしょう。ただ人数的にいっても占領には1万や2万では効かない。だからこそ行軍は迅速に陣地構築までは無用な戦闘を避けなければと思うのでは。大体アニメであらかじめ偵察しているようなセリフがあったと思います。偵察兵は高層ビルや車等を見てなんとも思わず「ここなら奪い放題だぜ」などと上司に報告したのでしょうか。少なくとも異世界には大きな街に常識の街壁を見に行くのでは。これでは最強無敵の帝国兵ではなくそこらへんの盗賊団でしょう。そもそも飛竜は歩いてゲートを通ったのか。力の差を見極めるのに長けていたから帝国は栄えることができたのじゃないのか
容赦なさすぎ自衛隊
本来の自衛隊はここにでてくるような軍隊ではない。現代国家で戦闘員とはいえ一方的な虐殺になると知ったうえで実行するところはまずないのではないか。先の東京事変で相手の装備を回収分析しているはずというかちょっとみただけでもどの程度かわかるのではないか。あの編成で脅威となりうるのは飛竜だけでしょう。大砲が異世界にないとは限らないが射程は過去の兵器を知る現代日本でなら予測済みあとはファンタジーにつきものの魔法が脅威になるかもといったところ。それも防御系の魔法が強力で武器があまり有効ではないなどなら東京での先遣隊相手に結構苦戦してるはず。しかもわざわざ密集陣形を組んでいるのを見れば強力な範囲攻撃手段が異世界では一般的ではないこともわかるでしょう。つまり追い払うだけなら火力を見せつければいいはず。帝国およびその周辺諸国軍は数十万となっていますが兵が全員誇り高き軍人とはありえない。農民兵が多数を占めている状態でしょう。この後帝国との交渉に持ち込んでいきますがここで大量殺戮してしまうより火力で相手に恐怖を植え付け逃げ帰らせるのも手段の一つでしょう。力の差が魔王降臨くらい絶望的なら一般兵は二度と戦場へ出てこないでしょう。むしろ怒りを買った帝国が見せしめに消されるくらいのことを考え逃げ出すのでは。アニメの中では実際一面焼け野原になっていましたし。異世界からの初の侵略相手の札が見えないだから容赦をしないというのが作者の言い分でしょうが現代には核以外にも相応の破壊力がある爆弾が多数存在します。日本にもクラスター爆弾のような表面だけなら2、300m程度更地にできるのがあったはず。破壊力の大きな爆弾を敵陣地の手前に投下すれば歴戦の将軍でも撤退するでしょう。現代ならそれが爆弾によるものとわかるでしょうが中世時代の文明では化け物扱いになってもおかしくありません。まして本当に魔法が存在していましたから勘違いして大騒ぎになり闘うまえから敗北ムード政変が起こってもおかしくありません。だいたい殲滅してしまうと情報がわからずまた戻ってくる可能性が大です。実際この後諸国連合が帝国の罠にはまって自衛隊に向かってきてます。
何ゆえまだ勝てると勘違いしているか帝国皇帝
そもそも現状分析ができずに戦上手などと言われるはずもない。日本政府の方針は講和のよう。つまりあれだけやっておいてまだ平和主義を名乗っている。しかしそもそも帝国軍隊は壊滅状態だから皇帝がそんなこと知るはずがない。英雄だったら自分自身も先頭に立ち残った軍を再編成。つまり徴兵してさらなる増員をはかるでしょう。しかし平民は帰ってこない家族を見て普通に逃げるか自分の国を守ろうと必死に敵討ちに燃えるでしょう。つまり情報が戦場からあまり帰ってこないのです。数十万の軍隊がなにもできず敗退することはまず誰も信じない。なので力の差が理解できずアニメではいつもの自衛隊強いというシーンが繰り返されます。第2シーズンでも同じでラストでまだ抵抗するようです。なぜ魔法を全面に使わない。
総合評価
映像:自衛隊の陸戦兵器の活躍で盛り上げています。
声優:主人公や仲間、ヒロインたちもいい感じで気に入りました。
ストーリー:物語性の都合上闘わなければならないのは分かりますが同じような理由で同じような結果を見せられるのは良くないと思います。闘わずに策略をもっといれて心理戦で皇帝を追い詰めてもいいのでは。皇帝が無能なのかアニメ見て考察考えている自分が無能なのか考えさせられるの悔しい。
音楽:第一期のop曲が大変好きです。
キャラクター:戦闘中の自衛官にはあまり好感がもてないですが素の状態、日常を描いている部分に人間らしさを感じました。ヒロインともども主人公の小隊メンバーはとても良かった。
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