咲き誇れ、青春。 - 花ざかりの君たちへの感想

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花ざかりの君たちへ

4.384.38
画力
4.25
ストーリー
4.13
キャラクター
4.13
設定
3.75
演出
3.88
感想数
4
読んだ人
5

咲き誇れ、青春。

4.54.5
画力
3.5
ストーリー
4.5
キャラクター
4.5
設定
4.0
演出
4.0

目次

ころころ変わるキャラクター達を見る。

高校生、15~18歳の時は、大人でもない子供でもないという曖昧な年頃は、多くの作品で取り上げられる年代だと思います。この年頃の子たちを見ている時、一瞬一瞬が違って見える場面があります。ある時は「お、大人の意見を言ってるな」、また見てみると「あれ、子供みたいに無邪気だな」とその時によって見える姿が変わるように思えるのです。ころころと変わりながらも大人に近づいていく彼らを見るのは、楽しいと思います。この作品はそんな彼らを、瑞稀という「男の子に変装した女の子」という特異な視点から見ることにより、何気ない日常はこんな風に出来ていて、成長していく彼らを見ることが出来るのではないかと考えます。

飛び込む勇気とは何か。

主人公・芦屋瑞稀は、憧れである佐野泉を追いかけて、遠くアメリカから桜咲学園まで転入してきます。物語の中で女子1人の環境を助けてくれる人にも出会います。その中の1人である第2寮の寮長・難波南の母であり、瑞稀の秘密に最初に気付き、瑞稀の相談役になる保健医・梅田北斗の姉でもある難波伊緒。伊緒さんに「女の子」とバレた時、親から見たら、心配するに決まってるでも、同じ「女」としては、「やるじゃない」と瑞稀のその度胸を褒めていました。そして、瑞稀が学園を去るまで、ずっと助けてくれました。確かに瑞稀のしていることは、あまりにも度がすぎているのかもしれません。ですが、パターンや場所、状況を置きかえると、何も知らない場所に飛び込むのは、躊躇するのが当たり前。でも、後悔したくないから、やれるだけやってみようなんて思えることは、夢を見ているという方もいらっしゃるかもしれませんが、どんな方にとっても大切なんじゃないかなと思います。

思い馳せる青春に花は咲く。

たとえ、環境が違っていたとしても、青春の形は人の数の分だけ存在する。特に、『花ざかりの君たちへ』は、多くのキャラクターで彩られた作品ではないかなと思えます。瑞稀が過ごしてきた高校生活で、仲間たち、佐野、中津、萱島、中央、関目、野江たち友達、難波、天王寺、姫島などの先輩たち、保健医・梅田先生や伊緒さん、秋葉さんたち、里緒ちゃんやひばり様たちブロッサムの皆…挙げて行くとキリがないくらいキャラクターが沢山いました。コミックスが完結した後に、関目とりえちゃんの結婚式編など、キャラクターたちのその後が描かれた番外編が多く誕生しました。やっぱり、気になるその後を見てしまうのは、コミックスを読んでいた読者のみなさんも同じ青春を過ごしてきたから。振りかえるそれは、正にアルバムなんかを見て思い出話に花を咲かせている。一見、違うようで王道でもある、そんな作品ではないかなと読んでいて思えました。

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数々ある逆ハーレムの代表なんといっても、逆ハーレム・イケメンパラダイスと言えば「花ざかりの君たちへ」。男子校に突如として飛び込む芦屋瑞稀。理由は綺麗な高跳びを飛んでいた日本人の男の子に会いたかったからというだけの理由。何とも理由が謎だけれど、確かな行動力・一生懸命さには心打たれるものがあり、かわいさも非常に魅力だ。作者の中条さんの絵がこれまたうまいのなんのって…たいていの男装した男の子の場合、男の子に寄ってしまって全然風貌が変わってしまうか、見た目がまんま女の子っぽくてもろバレな仕上がりになってしまうかなのに、芦屋瑞稀は見事にちょうどいい感じなんだよね。ただ少し古い漫画なので、瑞稀が女の子っぽい恰好をしたときの服装が何ともダサい感じ…そりゃーひと昔前なのだから仕方ない…。男の子の格好のときはすっごく似合っているんだけどね。愛蔵版のまとまった「花ざかりの君たちへ」では、巻頭にカラーで何枚...この感想を読む

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4.54.5
  • betrayerbetrayer
  • 117view
  • 3015文字

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