時間は確かな愛の証
何才で時間を止めてみますか?
時間とお金どっちが大切か?
100%時間だろうということで貨幣ではなく時間が世界を支配しているんですね。万人がそう思わなければこの映画は成り立たないのですがよくよく考えるとそうでもないですよね。
ケース・バイ・ケースというか。
私などは食い意地が張っているので5つ星、いや3つ星でもレストランのお料理が食べれれば時間の1年くらいは売ってしまいますね。
時間=寿命ということはわかっていますが今平均、女性は年齢87才ですよ?
いやもういいですって。
そんなに生きたいですかね?ってなりますね。
ただしこの映画の設定で魅力的な所は老いないという点ですね。シルビアのお金持ちお父様は何歳で時を止めたのでしょうか絶対親子に見えません。
羨ましい。
もうそこはため息がでたほど心をつかまれました。
映画の中で主役を差し押さえての印象がありました。
ここまで言うとどれだけアンチエイジングにもがいているかとお見苦しさの限りです。
不死にはあまり惹かれませんが不老にはやっぱりひれ伏してしまうので結局私も時間派ということになりましょうか?
ついでに言うと時を止めるのでしたら10代は遠慮させていただきたいですね。
そりゃあ傷も早く治りますし男の方のうけもいいですがやはり社会的に軽んじられる感がありますので30代半頃くらいでいいかな。
中身が40代なのに10代扱いされるとなめんなよみたいな不満がしょっちゅうおこりそうで。
ああでもやっぱりぎりぎり譲歩して20代後半か?などと真剣に考えてしまいました。
ちなみにシルビアのお母様風の方は20代半頃に見えましたが。
きっと監督も私のように自分なら何歳で止めようかなっと考えたに違いないですね。
時間は確かな愛の証
あと1シーン、強烈だったのがたった数分足りなくてウィルのお母様が命を落とした所。
なんと無慈悲な。
バス代(バス寿命?)が無かった為に!
この1シーンで見事に資本社会にあるのと同様の格差、貧困苦を見事に印象付けました。
架空の設定なことを忘れて本当に切ないです。全部貧乏が悪いのねと泣けてきました。
文字通りのその日暮らしなんですね。
朝、お互いの持ち時間を確認しあって足りなさそうなら時間を分け合う。
究極の愛情表現じゃないですか?
命そのもののやり取りです。
1っこしかないパンをあなたお食べなさいと譲るのももちろん尊いのですがこんなディープな愛を子どもに与えられるなんて羨ましい気がしました。
与えるのも幸せですが与えられるのはどんな気分なんでしょうか?
これほど確かな愛の証を受け取る気分は?
ぎりぎりの暮らしは辛いに決まっていますが日々こんなに愛を間近に感じれて結構幸せなのでは?と感じるのは飽食の人だからでしょうか?
永遠の命は必要か?
先にも触れましたが寿命というか時間はもちろん必要だと思うのですがありあまる時間はそうでもないと思うんですよね。
ありあまる時間をありあまるお金に置き換えてみたら分かりやすいと思うのですが。(逆に説得力が無くなりましたか?)
宝くじで10億当った方は本当に幸せになれるでしょうか?
当る前もそれなりに幸せだったような方はむしろ不幸を背負い込むのではと考えるのは僻みかもしれませんがそんな気がします。
エルメスの鞄が10こよりもお気に入りの無印鞄が1この方がいいに決まってるとは言いませんが(言い切れないところに器の小ささが出ております。)10こも必要とは思いませんね。
そこに幸福は感じません。
またきっとよからぬ人たちが来てその人をカモり、心ある友達も変心するやもしれません。
夫は若い女性と情事を楽しみ遊行に明け暮れる中家族で食卓を囲むのもまれになっていくやもしれません。
家族で愛し合いながらありあまるお金を有効活用するのが一番の理想ですが難しいのではないでしょうか?
ありあまるお金の前では真の愛は埋もれがちになると思うのです。
ということでありあまる時間も同じではないでしょうか?
この映画の大金持ちさんたちは優雅ですが倦みつかれたような退廃さを漂わせています。
不老不死を手に入れた人間は次に何を望むのでしょうか?
明日着るドレス、明日食べる食事、明日会う恋人、明日出かけるまだ知らない場所。
魅力的です。楽しいことだけを延々追いかけての生活。
でも飽きるでしょうね。
やってみないと分からないですが同じステージの繰り返しはやっぱりきついのではないでしょうか?
- 人間何事もちょっと足りないくらいがいいんです。
感謝もしますし新鮮で。
今の平均寿命80才でもまだ半分あると思ってしまう私に永遠に近い時間なんてちょっと遠慮させていただきたいですね。
実際平安時代くらいの寿命でもありかなと思うくらいですし。(寿命30才くらいです。)
ヒロインのシルビアはそんな退廃したある意味先の見える人生から一転してやりがいとスリルを手にするわけですからしばらくは抜けれないでしょうね。
やはり限りある人生ですよ。
そうでなければリアルを感じられないですよね。
明日が知れず限られた中で誰かを愛して誰かを思いやりながらリアルに生きていく方が濃くって断然お得です。
でも不老だけは最後まで捨てがたい。
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