今までに見たことのない推理もの
推理できない
探偵っていうからには推理がつきものだという私の概念が見事なまでに覆された作品です。
推理しようにもヒントが何にもないので、やりようがないんです。よくある探偵ものだったら少なくとも犯人が誰なのか分かるようなヒントを出してくれるものなんですけどね。これは全くそういうのがなくて、いつもネウロの秘密道具が強引に解決に導いてたから途中から推理することを放棄しましたね(笑)
というかこの作品がそういうことを目的としていないんだということをもっと早く知っておくべきだったと後悔しました。推理することに夢中になって前半の話がほとんど頭に入ってなかったですからね。魔人探偵のすごさというかなんというか、もはや探偵というのもいかがなものなのかってレベルの強引さでしたよ(笑)
弥子ちゃんの扱い
毎回見てて思うのはネウロの弥子ちゃんへの扱いですね。弥子ちゃんも一応ヒロインっていう立場のはずなんだけど、なんていうかSMプレイとかそういうのをやられてるってそうそうないですよ。曲がりなりにもヒロインのはずなんだけどその要素がまるでない感じがまた面白かったですね。でもあれはネウロの愛あるムチっていうかスキンシップというか。もしかしたら本気でいじめてるだけなのかもしれないけど、あれはあれで弥子ちゃんに気を許している証拠なんじゃないかと思います。弥子ちゃんもそれが分かっているんだと思います。じゃなかったら弥子ちゃんだっていくら魔人相手でもあんなに大人しくやられてないと思いますよ。というか本人たち意外と楽しんでいる気さえしてました。特にネウロは(笑)
もはやこの作品はコメディの要素が前半を多く占めていると思います。後半でいよいよ謎解き(?)が始まるけど、それまでがどことなくくすっと笑えてしまうのが最高でした。
画が不気味な感じなのに
基本的にグロい感じとかちょっとホラーの要素が入っているアニメって見ないんですけど、自分でも不思議なことにこれは見れちゃいましたね。画のタッチはどことなく不気味で時々ちょっとグロい感じの描写もあるんですけど、そこまでうっとならずに見ることができました。多分ネウロの世界がこういうものだっていう風に頭が理解したからなんでしょうね。だってまさかのネウロが人の顔脱いだらあんなに大きな鳥みたいな顔になるなんて思いもしないし、体は人間のままだからバランス見た時にちょっと笑いそうさえなりました。でもさすがに血がいっぱい出てくるシーンとかは見れなかったです(汗)あとはそれこそ怖いところだけじゃなくて、怖さの中にもユーモアがあったからそこまでドキドキせずに見れたんだと思います。これが30分ずっとこの不気味さを貫かれてたらもう見てないですね。
あとは不気味な感じなんだけど画がきれいだからっていうのもあると思います。色の使い方とかは基本的にちょっと暗めな感じだけど、人物の画がすごくきれいというか私の好きなタイプの画だったので、そこがドンピシャでハマったんでしょうね。
子安さんがハマりすぎ(笑)
ネウロの声を当ててる子安さんがキャラと合いすぎててやばかったです。あのちょっとSっ気のある感じといい、しゃべり方といい、すべてにおいて子安さん以外ほかにネウロの声にふさわしい人はいないと思います。あのちょっと響くような低音ボイスがマッチしてて違和感を全く感じませんでした。子安さん自身もものすごく楽しみながらやってたんだろうなって想像するとそれも面白かったです。というか基本声優さんが豪華だったんですよね。植田さんもいたし、鳥海さんもいたし、遊佐さんもいて。そしてふと思う。鳥海さんと遊佐さんてよく同じアニメに出てるよなと・・・(笑)どっちかの名前を聞いたらたいていどっちかもキャストに入っているんですよね。
とまあ、中の人にひかれたっていうのも否めないところですね。
うまい具合にキャスティングしたものですよ。こんなにピッタリな配役そうないですよ。
あかねちゃんはいったい・・・?
事務所の壁に埋まってるっていうところでもなかなか不可解だけど、いつからいるのかもわからないし、そもそも何で壁に埋まっているのかすらわからないです。なのに美人さんという情報だけは分かっているっていったい何者なんだ!髪の毛だけで意思を持つってどういうことなんですか!ってもう突っ込みどころが満載過ぎてどこから触れていいのかわかんないです(笑)
分かるのはあかねちゃんが少女なのに超ハイスペックの持ち主だってことくらいですかね。でも女の子があんなビルのコンクリートに埋められるって何かの事件に巻き込まれたとかなんですかね。じゃないと説明がつかないですもん。そして意外と陰でネウロと弥子ちゃんを支えているのはあかねちゃんだと思います。なんてったって少女とは思えないほど秘書としての役割をばっちり果たしてるんですもん。パソコンの情報処理とかOLさんみたいな感じがしていよいよあかねちゃんがどんな人物なのか気になっちゃいますよ。というか頭よすぎですよね。少女というよりも女性と言った方が正しいんじゃないかと思うくらいにはすごい処理能力だと思います。あのネウロでさえも彼女の能力を買ってますからね。
笹塚さんが・・・!
原作では死んでしまった笹塚さんがアニメでは最後まで生きてた!よかったー。あの人は死なないでほしかったので、アニメだけでも生きていてくれてホッとしました。笹塚さんのあのテンションの低さがいいんですよね。ローテンションなんだけど心の中に熱さを持っているというか、刑事としての手腕は間違いなく一番だと思います。何より犯人を追及することへの情熱は誰よりもすごいと思いますよ。原作で亡くなったことがほんとに悔やまれるくらい惜しい人物だと思います。遊佐さんにあのボイスでローテンションの役ってほんと合いますよね。一定の感じで話すのが意外とツボなんですよ。表情もあまり変わらないっていうのも特徴的ですよね。あのやる気のない感じの目。多分ネウロの中で一番好きかもしれないです。でも実際いたらきっともうちょっとやる気出せよ!って一喝入れちゃうんだろうな(笑)
なんだかんだ言っていいコンビ
ネウロと弥子ちゃんはやいやい言いながらもいいコンビだと思います。ネウロのあのいじめにも耐えてるし、何より一緒に色んな事件を解決していくことで二人とも成長しているような気がします。ネウロは人の感情とかそういうものを少しずつだけど分かろうとしている様子もあったし、弥子ちゃんも推理力とかそういうものが備わってきたというか後半に至っては弥子ちゃんの推理が冴えわたってましたね。ネウロも最初はゴミとかそういう扱いだったのに弥子ちゃんのことを認め始めてたのがよくわかりましたもん。ネウロにないものを弥子ちゃんは持っているからきっと二人が出会ったのは偶然ではなかったんじゃないでしょうか。出会うべくして出会った二人なんじゃないかと思うんです。特に人の感情とかの部分はネウロには到底わからない所だから弥子ちゃんの言葉で少しは理解してくれていると思います。
いつもあんなにふざけ合ってますけど、やる時はやるっていうかナイスコンビネーションを見せてくれる2人なので、最後まで安心して楽しく見ることができました。もう少し見ていたかった気もしますが、あの終わり方でも十分満足することができました。
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