恋の始まり方が新しすぎる - はしたなくて ごめんの感想

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はしたなくて ごめん

4.004.00
画力
4.00
ストーリー
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キャラクター
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設定
5.00
演出
5.00
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恋の始まり方が新しすぎる

4.04.0
画力
4.0
ストーリー
5.0
キャラクター
4.0
設定
5.0
演出
5.0

目次

ヒロインの性格が他人ごとではない

真奈緒は学級副委員長を務め家事もこなすいい子ちゃん。だけど趣味は週に1回の喫煙とエロ漫画を嗜むことだった…この設定、ちょっとリアルですよね。他人ごとじゃないというか。がんばってる子ってこうやって逃げ道探したくなるんだろうな…って思います。辛いわけじゃないのに、かわいそうだって決めつけるなっていう真奈緒の気持ちも、共感が持てますね。自分も優等生で通ってましたけど、やっぱりそういう今の生活とかけ離れたことに興味はあったし、どうやったら知れる世界なんだろうとか考えたりしてましたもんね。その時は子どもで情報ツールを持ってなかったからわからないままでしたけど…今だったら調べ放題ですよ。現代の子たちは初心な心っていうやつを早々になくしてしまいそうです…

頭の中で妄想してお腹いっぱいっていうのも、ちょっとわかるなーと思いました。二次元だと美しく見えることが、三次元だとオエッって吐き気のすることってあるじゃないですか。美しい親子関係しかり、恋愛しかり、学校の先生の熱い言葉しかり。真奈緒ってほんとにどこにでもいる子ですよね。それに振り回される与倉が…もう完全にかわいい。煩悩との戦いに惑う姿もかわいいです。作者の石田拓実さんのイラストって、ヒロインの相手役が絶対かっこいいみたいなことがないんですよね。そりゃ綺麗ですけどね。その分、キャラの設定だったり、気持ちが動いていく感じがリアルで、ついつい引き込まれるので楽しいです。ただ、喫煙はとにかく体に悪いから…なんか普通のこととしてスルーされるのはちょっといただけないかなと思ったりもします。

好意が先か、行為が先か

今回のお話の中では、完全に行為が先になってて、そこから恋が始まるパターンでしたね。私が今まで楽しんできた少女マンガはまさに王道で、相手の気持ちとか自分の気持ちに揺れ動きながら、迷いながら、やっと付き合うことができるみたいな話が主でした。その王道を外れているのですが、結局はどっちが先でもお互いがお互いを認め合うまでには同じ悩みがあるんだなーって逆に楽しかったです。だいたい、どこから恋かなんてもうわからないじゃないですか。このお話では、お互いの秘密を共有した時点で、もうなんか始まってましたね。与倉がまじめすぎて、気持ちがすれ違いすぎて、最後の最後までなんでそうなる!!!という展開の連続だったりしますが、行為が先になるっていうことは、こういう展開なのかもしれないなーって思いました。じゃあ付き合っちゃおうぜっていうチャラい人間じゃなくて、2人とも完全にまじめな優等生なんですもん。考えちゃってすれ違いますよねそりゃ。なんか背徳感があって、この始まりはまずいんじゃない?って思いながら、それでもやっぱり気持ちを止められないっていう…いいねー萌る。

大人の遊びに初めて手を出した子どもが、迷いながら道を探していくっていう感じもしますね。あーこうやって思春期って乗り越えるのかなーって。

与倉…ナイスキャラ!

与倉がですね、とにかくナイスキャラだと思っています。いくら硬派な男子だって、絶対考えちゃうんですってそういうことを!!というのを、はっきり描いてくれています。これを読んでいると、モテる男子っていったいどのタイミングで覚えたんだろうって気もしてきます。まじめに勉強したのかなーとか、経験が先だったのかなー、もしかして経験する場ってやつがあるのかなーとか…やっぱり三次元だとあまり考えたくない…真奈緒の気持ちわかります。

与倉は本当においしいですよね。もう攻められまくりでタジタジ。でも誠実なんです。すごく優しくて、人の気持ちをわからないなりに一生懸命考えている優しい人。メロちゃんから告白されて、好きじゃないけど意識せざるを得ないっていうのもいじらしいです。メロちゃんからの猛攻を受けてどうにか理性保ったあたりは本当に良かった。十分真奈緒一筋になれてました。真奈緒からのぐいぐいと迫る行為が減ったときはなんでだろうって悩んでて…かわいい。かわいすぎる。

俺と一緒にいても結構つまらないということに…

いやいや、違うから。なんで自虐的方向に考えちゃうかな。まあそれが与倉という人間なんだけれども。そんな与倉が欲望のまま爆発したのは…萌でしたね。最高でした。男はやっぱりこういうところがないとなーと思いましたよ。女子はこの勢いってやつを心のどこかで求めてますよね。これはきっと本能的な部分で!ますます少女マンガらしからぬ深さを感じてしまいました。

木島先輩のはたらきがとても大きい

木島先輩のキャラも直球でした。腹黒の当て馬ってなかなかないですよ。与倉のこと邪魔しながら、真奈緒のこと好きになっていくっていう…自分自身を見てくれる人ってなかなかいないじゃないですか。だから真奈緒に見抜かれてドキッとしちゃったんだろうなー。でも真奈緒は自分が好かれるっていうことに無頓着で。自分が与倉を好きってことしか頭になくて。木島先輩からしたらそりゃー頭に来ますよね。眼中にないくせに無防備な…!!って思うよね。ただ、どこかで与倉のこと大事に想ってたんだろうなって思うんですよね。与倉に、

西さんはおれのだ!!

って言わせるためにいたようなもんでした。まあ嫌がらせのレベルは半端なかったけどね。それは幼少期より培ってきた部分だししょうがないだろう。でもこの人も根っから悪い人なわけじゃないんだよなー、抵抗することが無駄だって小さいときに思っちゃったんでしょうね。そしてねじ曲がった性格をつくっていき、こんな感じに落ち着いたと。こういう人はどこかで間違ったことしてるなーって気づいてて、そして敢えて選んで、自分傷つけて、不幸なことにしてる自分が孤高だなみたいな。そういうふうに想ってるんですよね。だから真奈緒も、

人間全般に対して壮大なツンデレみたい

って言ったんだろうなと思います。よくまとまった言葉だなと思います。木島先輩、根っからのいじめっ子だけど、腐ってないよ。うん。

与倉くんのことを好きな西さんを好きみたいだ

自分の存在を認めてくれた人と一緒にいたいと思うのは、間違ってないなって思います。あんまり邪魔されると読者からすると敵ですけどね。

最終的な終わりには…満足のようなそうでないような

最終的に、真奈緒と与倉の二人は相思相愛の状態になって、初めて同意の上で先へ進むことができました。ここまで紆余曲折長かったなーと思いましたが、このときのためにあったんだよ!!と思いましたね。ただ、付き合って、そのままうまーくいけるのか…??ちょっと不安の残るラストだった気もします。このままうまく続いてくれればうれしいけど…と、思いました。また、木島先輩やメロちゃんが、付き合うことはないだろうけど、サブで何かいい話を聞きたかったなーと思いました。この二人のおかげで付き合うことができた真奈緒と与倉なので、木島先輩にもメロちゃんは、まだ真奈緒と与倉に依存したまんまで終わってるのがちょっともったいないというか。何はともあれ、行為から始まり、好意に変わり、すれ違いながら相思相愛になる。キャラ濃いめの設定でストーリー展開です。アフターストーリーが気になってるので…そこだけちょっと心残りです。人間苦い経験が懐を大きくすると思うので、木島先輩とメロちゃんは幸せになるよ!!

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