ほわほわしたマンガだけど丸井とのことはそんなんでいいのか
滝くんと美桜のほっこり落ち着くラブがいい
南塔子さんの初連載単行本。絵がかわいくてほっこりした気持ちになるんですよね。カラーの表紙なんかはかなり綺麗で癒されます!主人公が絶対かわいい!!ってことがなくて、安心感もあったりします(笑)。美人なわけでもない、成績がいいわけでもない、運動が得意なわけでもない、だけど思いやりがあって優しい子。何が男の子にヒットするかはわからないですよね~…実際滝くんもどこが良くて付き合ったのかは明確じゃない感じで話が進んでいくしね…駅のホームで落ちそうになった驚きの心臓のドキドキに、美桜との出会いがかぶって恋になっちゃったんだろうな~とあまりピュアでない考え方もしてしまいます。心臓がドキドキしてるときに女の子と出会っちゃうと、恋だと勘違いして始まっちゃうみたいな話ありませんでした?なんかそういうこと考えちゃったな…
滝くんと美桜のはじまりが飛行機雲という…かなり不思議だったけど、きっかけには普通の方法とかないと思うから、これが彼らの原点だなと思いました。美桜中心で進んでいくので、滝くんの気持ちがわかりにくいときがあるんだけど、そのわかりにくさも恋ってやつですよね。言わなきゃ伝わらないんだけど、聞くのが怖かったり、失うのが怖かったりするんだな~
イケメンの友達が必ずイケメンじゃないっていうのも親近感がありましたね。滝くんの友達はちょっとコアな雰囲気の人だったし、全然少ない(笑)。人気者~!っていうのは全部丸井が持ってたので、いいバランスでした。
丸井って…いい人ですよね?
これだけ美桜とくっつきフラグが出ていて、最後はもうあっさりとすーーっとなくなっちゃったので、本当のこれは悲しかった。丸井はいい人なんですもん。悪いところないじゃないですか。美桜が初めての恋愛ですごい悩んで迷ってしている間に、好きになっちゃうんだもんなー…自分から好きになった初めての人。やっぱり特別ですよね。どうやったら手に入るかって考えちゃう。そして丸井は今までの経験があるから、絶対女の子を悲しませるような行動はしないんですよ。むしろ完璧な気遣いができる。それが経験豊富なものの長所。うん。間違いないです。実際美桜も、丸井とだったらこんなに悩んだりとかしないで、本当に愛されて、楽しく生きていけるんだろうなってところまで思っちゃってましたから。
それがなんか…ギャルたちの調子に乗んなっていう言葉で我に返り…全部を捨てちゃおうっておいおい…丸井はどうすんねん。
もう丸井には茜と幸せになってもらいたい。だけどすぐには立ち直れないじゃん。だからもう少し見たかったんだけど、終わっちゃって…不完全燃焼です。本当に欲しいものってがんばって手に入るとは限らないじゃないですか。お金とか物ならまだしも、人の心は本当に難しい。ただね、これからもイケメン丸井くんも、自分が好きになった人としか付き合わないようにしてほしいです。来るもの拒まずではだめ、自分で動いて行動して、つかみにいく。そんなバスケットボール精神と同じような気持ちで臨んでもらいたいです。何目線だよって感じですが(笑)。やさぐれて間違いが起きないことを願ってます。だから茜との幸せな未来が少しでもみれたらよかったなー…
茜は相当いいやつだ
はじめは、完全に茜は滝くんが好きで、美桜の邪魔をしているんだろうと思っていました。でもちょっと違って、前の恋愛で傷ついた滝くんを、ちゃんとした人が現れるまで守ろうとしていただけっぽかったですね。このあたりも、ちょっとほっこり要素です。相手を陥れようって黒いけど、守ろうとしてたってわかってくると、ちょっと愛しいですよね。紙一重でどっちに転ぶかわからない気持ちだと思うんです。恋なのか愛なのか憧れなのか…というあたりはね。それがどう転がっていくかがハラハラして、見てるとついつい感情移入しちゃいます。
そして丸井に恋しちゃってる茜も最高です。茜って勘がすごいいいじゃないですか。美桜と違って危険察知もできる。頭がいい人ってみんなこうなのかな…確かに頭いい人ってなんか普通の人が考えてないとこまで思考いきわたってますもんね…丸井は完全に頭がいいのではなくて感覚がいいって感じの勘のよさですね。丸井といい、茜といい、めっちゃ勘がいいので、付き合ったらちょっと勘ぐりすぎるカップルになりそうか…?いや、茜のツンデレがいい味を出すに違いない。だからもう少し茜の話が見たかったな…丸井の泣いてる姿見ながら、完全に恋を確信してしまった茜の切なさと言ったら…あー絶対幸せになってほしい!
個人的にはしーちゃんのほうももうひと押しほしい
美桜と滝くんと丸井の話でどんどん進んでいくわけですが、しーちゃんが明らかに…もっとほしいですよね?いのじ君とのこと、あれだけいのじ君のがんばりようを本編で出しておきながら、そんな告白シーンもなしにさらーーーっと…消さないでくださいよ!いのじ君のがんばりは?!しーちゃん鈍感すぎるよ!気づいてない!ゆにはきっとそれを今までの幼馴染期間で何度も見てきたのでしょう。完全に何も起こらないように細工しています。今までの幼馴染期間でも抹殺してきたんじゃないの…?!と思ったりもしました。しーちゃんはもう部活しか見えてないし…
しかもね、丸井の気持ち、知らないのになんかアドバイスしちゃったりなんかして…無自覚ほど怖いものはない。もうこれは少女マンガの鉄則です。だけど今回は、その勘違いのおかげで美桜の異変の訳がちゃんと分かって、アドバイスもできて、よかったです。しーちゃんらしいなーと思うのは、滝くんとそんなんだったら、ちゃんと気持ちを考えてくれる丸井と付き合ったほうがいいんじゃないのか?というようなアドバイスをしてあげてて、最終的に美桜が滝くんを選んで幸せな気持ちになれて、それを素直に喜んであげてたっていうところ。なんかひねくれてるけど、丸井のほうがよかったよ!みたいな引きずりがなくて、本当に美桜が選んで幸せならそれでいいよっていうような、しーちゃんのさばさばとしている優しさを感じてしまいました。単にかけなかったわけじゃないよね…?
そう考えると、なんかゆにがいいとこなかったんだよな~ま、ゆにはまだ恋愛は早い感じですもんね。まだ成熟していない。きっと出会ったらものすごい勢いで突っ走っていきそうだな~とりあえずしーちゃんといのじ君がハッピーな展開になるのを想像してしまいます。
結局は滝くんでよかったことにしておく
結局はね、滝くんと戻ってくれてよかったですよ?最終的に、お互い大好きで、大好きなのになんだかこじれていって…というのが解消されたわけですから、万事良しとしましょう。美桜が丸井からのアタックに耐えきれなくてうだうだしている間に、滝くんもなーんも言わないでうじうじしちゃって終わりにしようみたいな…だからお姉さん、あなたの言葉はよかったよ!逃げるんじゃない、ちゃんと立ち向かってから終わりにしろっていう感じ、素敵です。
終わり際すごい駆け足感があって、それがちょっと嫌でしたが、滝くんと美桜が戻ってくれて、幸せそうで、よかったです。人と人との関係は、ちゃんと話し合ってから決めていかないとどんどんこじれるんですよ。これは間違いない。どろーっとした感じはなく、迷いながら進んでいった二人が本当の意味で恋人になれるまでをすっきりと描いている作品だなーと思います。
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