一つの宝石箱 - TARI TARIの感想

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アニメレビュー数 2,474件

TARI TARI

4.634.63
映像
4.50
ストーリー
4.50
キャラクター
4.43
声優
4.50
音楽
5.00
感想数
3
観た人
4

一つの宝石箱

5.05.0
映像
5.0
ストーリー
4.5
キャラクター
4.5
声優
5.0
音楽
5.0

目次

キラキラ

この作品は神奈川県の湘南近辺を取材したといわれる海辺の町のきらめきと合唱に青春をかける高校生たちの輝きと、明るい色彩のキラキラした映像を作るアニメ制作会社P.A.WORKSのキラキラが目いっぱいコラボした作品です。ぴょこぴょこした女子高生が、自らの思いこんだ道を突き進んで、本家の声楽部から独立して合唱部を設立し、打倒本家声楽部から部員の進路の救済、寂れた商店街の町おこし、経営方針による学校の閉鎖まで阻止しようというかなり思い切ったストーリーになっていますが、登場人物たちの青春期らしい輝きと明るい色彩・作画が相まってすてきな作品に仕上がっています。背景に海の見える町並みで繰り広げられる5人の登場人物の物語はまるで一つの宝石箱のように完成度が高く、はじめてこの作品でアニメDVDボックスを購入したくなりました。

来夏の存在

発表会での失敗から声楽部での閑職を与えられてしまった事へのリベンジをすべく合唱部を立ち上げるのが宮本来夏です。アニメの前半のストーリーは来夏の視点を通して、高校の中の合唱部に合流するメンバーの人間模様を描くのですが、合唱部の創立の動機が、この負けん気の強い来夏のリベンジからきてるので、他のメンバーそれぞれが個別に素直に合唱部へ入部しようとできないところを、強引にまとめ上げているのが、おもしろいです。来夏の強引な入部勧誘活動が、メンバーの問題や進路の悩みを解決することにつながってしまうというところが、「風が吹けば桶屋が儲かる」式に5人のバックグラウンドがよくまとまったストーリーになっているのがいいです。特に、合唱部と呼称されているが正式な名称が「合唱部ときどきバドミントン部」ということで、メンバー田中大智のバドミントン部を廃部から救っているところなどが、うまいと思うところです。

なんといっても合唱

学校での合唱の経験は大なり小なり、良くも悪くもほとんどの人が経験しているのではないでしょうか。このアニメでは劇中で実際に担当声優さんが合唱曲も単独歌唱部分も歌っているということを語らずには済ませられないと思います。学校生徒の合唱曲の収録には実際の高校合唱部が参加していて、学生らしい合唱がアニメ中でも流れている。舞台となる白浜高校の校歌から、合唱部の歌う劇中の合唱曲まで、実際にそんな曲があるんじゃないかとおもわせるような曲がいっぱいあり、作品の音楽にはかなり力が入れられています。劇中歌の「心の旋律」は、素敵な旋律でメインテーマとして作中で、主要人物声優によっていろんなバージョンがうたわれていますが、奏で方でそれぞれのシーンをよく表して、合致する歌詞で思わず自分も普段に口ずさんでしまいます。この曲は実際の中学校などの合唱祭などで歌われることがあるということで、作品の合唱とアニメのキラキラのコラボがみんなわかってるんだ!とファンとしてはそのことを聞いてうれしいです。

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他のレビュアーの感想・評価

音楽を通じた人間の多様性

何かを始める時の期待感物語は宮本来夏が声楽部を辞めさせられるが、歌うことを諦められず、新たに合唱部を設立しようとすることがきっかけとなって進む。主要な登場人物は彼女と坂井和奏、沖田紗羽、田中大智、ウィーンの五人だと言えるが、その境遇や趣味などは様々であり、これがむしろ物語を面白くしている。部活動に限らず、新しいことを始めようとするのは不安を感じるものである。しかし、来夏はその決意の強さが故に、多くの人を巻き込んで合同発表会への参加を強行する。このように、一人で始めたことに多くの人が関わっていくと人間は不思議なことに、不安よりも期待感を強く感じるようになる。文句を言いながらも部員となった大智やウィーンも、活動を続けていくうちに合唱の楽しさを感じるようになっていく。そんな彼らの姿を見ていると、合唱に限らずスポーツや料理など何か新しいことを私も始めてみようという意欲を与えてくれる。一方で飽き...この感想を読む

4.54.5
  • 走る横着者走る横着者
  • 84view
  • 2071文字
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高校生ならではの葛藤

一言で言うならばTHE青春です。アニメのタイトルである「TARI TARI」とは、~したり~したりといった意味で、例えば第一話の「飛び出したり 誘ったり」のように、かならず各話タイトルが~たりの形になっています。合唱と青春をテーマにしたアニメで、数多くの素晴らしい曲が流れるのが特徴の一つです。「TARI TARI 」の最大の特徴は、高校生ならでは葛藤だと思います。高校生の登場人物一人一人が夢や目標を持っています。その中で、なかなか素直に気持ちを相手に伝えることができなかったり、自分の気持ちがわからなかったり。そういう経験が皆様にもあると思います。アニメの中ではケンカをして衝突してしまうこともあります。そんな高校生の今だからこそ感じられる感情がとても上手に表現されていると思いました。私は登場人物の和奏が母の想いを知って泣いたシーンがとても感動しました。ほかにも登場人物の親の気持ちが描かれていたりして、感動するシ...この感想を読む

4.44.4
  • 永島藤也永島藤也
  • 71view
  • 531文字

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