一つの宝石箱
キラキラ
この作品は神奈川県の湘南近辺を取材したといわれる海辺の町のきらめきと合唱に青春をかける高校生たちの輝きと、明るい色彩のキラキラした映像を作るアニメ制作会社P.A.WORKSのキラキラが目いっぱいコラボした作品です。ぴょこぴょこした女子高生が、自らの思いこんだ道を突き進んで、本家の声楽部から独立して合唱部を設立し、打倒本家声楽部から部員の進路の救済、寂れた商店街の町おこし、経営方針による学校の閉鎖まで阻止しようというかなり思い切ったストーリーになっていますが、登場人物たちの青春期らしい輝きと明るい色彩・作画が相まってすてきな作品に仕上がっています。背景に海の見える町並みで繰り広げられる5人の登場人物の物語はまるで一つの宝石箱のように完成度が高く、はじめてこの作品でアニメDVDボックスを購入したくなりました。
来夏の存在
発表会での失敗から声楽部での閑職を与えられてしまった事へのリベンジをすべく合唱部を立ち上げるのが宮本来夏です。アニメの前半のストーリーは来夏の視点を通して、高校の中の合唱部に合流するメンバーの人間模様を描くのですが、合唱部の創立の動機が、この負けん気の強い来夏のリベンジからきてるので、他のメンバーそれぞれが個別に素直に合唱部へ入部しようとできないところを、強引にまとめ上げているのが、おもしろいです。来夏の強引な入部勧誘活動が、メンバーの問題や進路の悩みを解決することにつながってしまうというところが、「風が吹けば桶屋が儲かる」式に5人のバックグラウンドがよくまとまったストーリーになっているのがいいです。特に、合唱部と呼称されているが正式な名称が「合唱部ときどきバドミントン部」ということで、メンバー田中大智のバドミントン部を廃部から救っているところなどが、うまいと思うところです。
なんといっても合唱
学校での合唱の経験は大なり小なり、良くも悪くもほとんどの人が経験しているのではないでしょうか。このアニメでは劇中で実際に担当声優さんが合唱曲も単独歌唱部分も歌っているということを語らずには済ませられないと思います。学校生徒の合唱曲の収録には実際の高校合唱部が参加していて、学生らしい合唱がアニメ中でも流れている。舞台となる白浜高校の校歌から、合唱部の歌う劇中の合唱曲まで、実際にそんな曲があるんじゃないかとおもわせるような曲がいっぱいあり、作品の音楽にはかなり力が入れられています。劇中歌の「心の旋律」は、素敵な旋律でメインテーマとして作中で、主要人物声優によっていろんなバージョンがうたわれていますが、奏で方でそれぞれのシーンをよく表して、合致する歌詞で思わず自分も普段に口ずさんでしまいます。この曲は実際の中学校などの合唱祭などで歌われることがあるということで、作品の合唱とアニメのキラキラのコラボがみんなわかってるんだ!とファンとしてはそのことを聞いてうれしいです。
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