姫さまという少女 - 夜姫さまの感想

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夜姫さま

5.005.00
画力
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ストーリー
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キャラクター
4.50
設定
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演出
4.50
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姫さまという少女

5.05.0
画力
5.0
ストーリー
5.0
キャラクター
4.5
設定
4.0
演出
4.5

目次

少女にみちびかれる不思議な話

高橋葉介先生の作品を読んだ人なら、先生が描く清楚な少女と豊満な熟女の魅力を知っていることと思いますが、こちらの短編集はそのなかでも先生の描く少女の魅力を思う存分味わうことのできる作品です。様々な設定の姫さまが時には鷹の姿となりある青年に夢を見せたかとおもえば、また別の姫さまは口裂け女の悪夢をかいまみせてくれます。鏡の中の鏡を見るような幻惑で異世界へ引き込むような話があるかと思えば、現実世界との境がわからなくなるような悪夢まで、この単行本では少女がストーリーの核となっています。一話だけ例外として不幸にも姫様に魅入られてしまった少年が登場する話があり、性差までわからなくなるような幻想世界を展開させています。

描かれる姫さまたち

高橋葉介先生の作品で人気のある女性キャラとして、猫婦人や、手の目や、那由子などのキャラクターがあります。各作品の中で描かれる彼女たちはそれぞれ確固とした個性があるのですが、まるで白昼夢のように時には少女に近い見た目だったり妖艶な淑女だったり、はたまた街のマダムかと思えば、場末の裏路地に現れたりしています。本のタイトルにもされている短編の夜姫さまは、短篇のなかでも時間も時空も超えた姫さまがつむぎだす物語として真骨頂だと言えます。少女の姿として無邪気ないたずらをしていく夜姫さまをみると、高橋先生が描く女性キャラクターが少女のようだったり、熟女の姿だったりする訳がすこしわかるような気がします。夜姫さまというタイトルでまとめられた本作にはまるで外見の違う姫さまが現れますが、夜姫さまで描かれる各ストーリーの姫さまももしかしたら同じ一人の姫さまなのかもしれません。いえ、姫さまというあやしい世界へいざなう存在をキャラクターにしたのではないでしょうか。

もののけ草紙短編

雑誌の「ホラーM」で連載されていた短編をまとめた「夜姫さま」の短編集ですが、巻末に「もののけ草紙」(壱~四)で活躍した「手の目」の姉御を主人公とする短編も2編加えられています。姉御の後日談で、弟子の「子兔」(シャオツ)と共に登場するのですが、本編からいくばくか過ぎたころと思われる姉御の様子に、「もののけ草紙」本編を読んで、手の目の姉御の気風のいいキャラクターに惚れてた人なら、どきどきしてしまうと思います。こちらの作品は未発表の短編であるということで、「もののけ草紙」連載を追いかけてきたファンにはたまらない再登場のストーリーになっています。

 

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