本当にありそうな内容
キャラクターが奇抜でおもしろい
田舎のひとつの村の中で起こる出来事を描いているアニメなので、子供からお年寄りまで、多様な人間がそろっています。キャラクターデザインについていうと、ホラーアニメなのに髪の色がピンクだったり黄緑だったりしてユニークで、このアニメの登場人物はほとんど、髪の毛のくせや跳ね具合が特徴的で、まるで髪が生きていて人格を表しているみたいでした。黒幕である桐敷家の人間たちは、特に髪の毛が広がっていたり、目が真っ黒であったりと奇抜さが際立っており謎の豪邸の住人として、とても興味をそそられました。桐敷家が目立つこと、村人とあまり交流しないことに村人の注意を向けさせることで、じわじわと進行している、村中の死から、村人の目を遠ざけさせていたのではないかと考えます。
映像の迫力がすごい
吸血シーンは、圧巻モノです。特に、夏野の親友である徹ちゃんが、屍鬼になって、夏野だとわかりつつも空腹に耐えきれず吸血するシーンは、二人の友情と悲しみが入り乱れた描写となっており目が離せません。もし、自分の親友が屍鬼で自分が夏野だったら、はたして夏野のように吸血を許してしまうものだろうかと考えさせられました。そして、屍鬼が人間を襲うシーン、村人が屍鬼を狩るシーンなんかが、後半に連れ多く出てきますが、何度見てもギョッと驚いてしまうほどで、絵がファンタジックなだけにギャップがあり本当に怖いです。ちょっとアニメの画像を検索しただけでも、あの残像がリアルに蘇ってくるので見せ方が本当にうまいと思います。このアニメを見た後は、しばらく暗闇が怖くなりました。
死について考えさせる
わたしは、外場村のような田舎に住んだことはありませんが、祖母の家があのくらいの田舎で何度か行っていたこともあり、田舎の世間のせまさがよく表れているアニメだと思います。一人村人が亡くなっただけですぐに村中に広まり、失踪者が出ると、みんなで山狩りを行う、都会より濃い人間関係をつくるのが必須の場所だと思います。そんな場所で、奇怪な死が相次ぎ、起き上がりが村人を襲い、また起き上がりが増える…村中が起き上がりの村となる可能性もあったことでしょう。しかし、敏夫は、親友と意見が対立しながらも屍鬼狩りを先頭をきっておこないました。毅然としていましたが、葛藤もあったのではないかと思います。現在、日本では、火葬が一般的ですが、土葬を行うのが一般的だった時代には、もう少し墓のことが気になっていたのではないかと思いました。このアニメを見た後は、起き上がりってあっても不思議じゃない、この日本のどこかに起き上がりの村があってもおかしくないと思いました。屍鬼は、食事の方法が人間と違う、昼間は動けないなどの吸血鬼の特徴を除けば、他は人間だったころの記憶を引き継いだままで、感情などは人間と全く変わりがないのが残酷だと思いました。それも、以前住んでた場所と同じ場所にいるのです。一度死んだはずなのに、今度は別の生き物として生きていることになります。どこにいけば死ぬことになるのだろうなど、考え出したらキリがない死という未知のテーマに挑戦したアニメだと思います。
- あなたも感想を書いてみませんか?
- レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。 - 会員登録して感想を書く(無料)