これまた美味しいマンガもあったもんです
「アマイタマシイ〜懐かし横丁洋菓子伝説〜」マンガ、杉本亜未
杉本亜未さんは女性のマンガ家さんであまり情報はないのでどういう方かとっても気になりますが、とんでもなくイラストが達者でしたんで正直びっくりしました。食べ物の細部からキャラクターの髪型の細部まで。だからこれは見っけものだと思いましたよ。お料理マンガの中でも洋菓子にフォーカスされているんでこれもまた味を想像させられたとたんに触手が早々と動き出しました。独特の絵柄で描かれるフルカラーの部分のケーキなどのイラストはもう耐えがたいものがあります。もう勘弁していただきたいと思ってしましました。
熊谷という廃れた元シェフの男が物語の発端でしょうか
素晴らしい技術を欧州で磨いてきてしかも高級なホテル新横浜のキッチンでバリバリと働いていた経歴がある熊谷。事もあろうにガレージ商店街の一角でヤクザのせいで破たんして半年分の給料をくれなかった元オーナーへの恨みをふつふつと抱えながらろくでもない連中の狭間でもんもんと暮らしていた...ってところからストーリーが始まっていきなり興味をそそられましたね。出だしは低くていいんです。そこに柴田羽衣という若い女が熊谷の元に訪ねてきて子供のころ食べた夢のようなケーキバイキングが忘れられないと言いよってくる。とは言えこんな状況にも関わらず熊谷は自分のことを天才と主張しているこの自信がこの時の落ちぶれ具合をより一層訳の分からない状態にしてくれます。いいですねえ。料理やパティシエのプロ領域が垣間見えます。普段何気なく手に取れるケーキ屋のケーキもすごい技術が盛り込まれているんですよね。洋菓子に対するありがたみが非常に増すマンガです。ああ、今過ぎ食べたいです。
結構お菓子に関する専門用語みたいなものが出てきて良く研究されています
多分ほとんど食べ物の名前なんでしょうが相当よく色々な種類を調べてきてるなあと思いました。いざ街のレストランに食べに行こうという時の参考になるかもしれません。自分は実際ホテルのケーキバイキングに言った事があるんですが甘いものだけだと元が取れないんですよね。でもそれもこれもケーキの質にもよると思うんです。そう、本編にも登場するフレジェというフランスのケーキ。イチゴがたっぷり入っていて本当に飽きないんですよね。本作ではこのケーキの構造とかも図で出てくるんでこのケーキについて学習出来ると思いますよ。
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