滅茶苦茶な設定のロボットアニメ - 天元突破グレンラガンの感想

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天元突破グレンラガン

4.794.79
映像
4.64
ストーリー
4.36
キャラクター
4.57
声優
4.79
音楽
4.79
感想数
7
観た人
22

滅茶苦茶な設定のロボットアニメ

4.04.0
映像
4.0
ストーリー
3.0
キャラクター
3.0
声優
5.0
音楽
5.0

目次

主人公を食う存在感

きっと、「天元突破グレンラガン」というアニメ作品の主人公は、シモンなのだと思います。ただ、ハッキリ言い切れません。それだけ、主人公より目立ってしまう存在がいます。それは、シモンの兄貴分であるカミナの存在です。明らかに、シモンの存在を喰っています。カミナの強烈な個性は、人気が出るキャラクター性であろうことは容易に想像することができます。滅茶苦茶でありながら、自分の立てた筋道には忠実であり、男気溢れるのがカミナです。まさに、「カミナリ(雷)」のような人物像だといえるのではないでしょうか。また、強烈な個性だけが目立ちがちですが、主人公シモンを信じ抜く姿勢にも、弟分を思いやる優しさを感じます。そして、自分には敵わない一面を持ち合わせた存在として、シモンのことを認めているのだと思います。 勝ち気な性格からは信じられないですが、 そういった潔さも、カミナの魅力を増すことに繋がっているのだと思います。熱苦しいほど熱いキャラクターで、無鉄砲でありながらも、備えているカリスマ性は強いものだと感じられます。逆にいうと、シモンの存在が、物語冒頭では弱すぎることもあるのかもしれません。シモンのキャラクター性は、「ヱヴァンゲリヲン」主人公の碇シンジを彷彿とさせます。率直にいうと、とても暗いです。自分の殻に閉じ籠って、積極的に人と関わろうとしていないように感じられます。カミナとシモンが対称的だからこそ、カミナの存在が引き立つのかもしれません。

シモンの名前について

「カミナリ(雷)」のような、カミナと前述しました。
それでは、シモンの名前には、どんな意味合いがあるのでしょうか。私の個人的な見解としては、「指紋(シモン)」から、命名されているのではないか、と考えています。アニメ本編で重要な位置付けであるドリルですが、上から見たドリルは、指紋のように見えます。きっと、ドリルを身体の一部の名称に置き換えた命名がされているのだと予想しています。また、「指紋」というイメージから、決して派手な印象はありません。どちらかというと、地味な印象をもつ単語なのではないでしょうか。だからこそ、「天元突破グレンラガン」主人公のシモンは、物語冒頭では、暗くて地味なキャラクター性だったように思うのです。しかし、「指紋」の印象は、派手か、地味か、で分ければ地味ですが、重要なものか、重要じゃないか、で分ければ重要なものだと思います。個人を認証するものとして、指紋が使われることが多いです。だからこそ、物語で最も重要である主人公の名前に用いられていると思うのです。

無理矢理なグレンラガン

物語冒頭では、メカニカルデザインが格好悪いアニメ作品だと感じました。
しかし、これは意図的なものだったように思えます。物語冒頭では、格好悪い「グレン」と「ラガン」を描き、この二つを合体させることにより、真打ちである「グレンラガン」を登場させ、意外性と格好良さを強調させたのだと思います。しかし、「グレン」のドリルによって、合体するのはメカニカルによる整合性をもたせたものではありません。意外性は抜群ですが、無理矢理感も比例して抜群です。「こんなの有りかよー!!」というのが率直な感想です。しかし、カミナの滅茶苦茶なキャラクター性と組み合わせて、無理矢理にでも押し通しています。「黒」のものを自信満々に「白」と言い切られることで、「白なのかな?」と思えてしまうことに近いものがあります。滅茶苦茶と無理矢理を同時に押し込んでくるのが、「天元突破グレンラガン」というアニメ作品の面白さなのではないでしょうか。ただ、滅茶苦茶で無理矢理な「天元突破グレンラガン」ですが、主人公シモンだけは、冷静で着実なキャラクターです。そして、きっとグレンラガンの操縦だけでいうなら、カミナよりシモンの方が上手だといえます。カミナ自身もそれをよく理解して、その事実を受け止めていたのだと思います。よく観察すると、人の話を聞き入れない印象のカミナですが、シモンの言うことだけは素直に聞き入れています。だからこそ、カミナの印象も良い方向に受け止めることができるのかもしれません。二人の関係性は、共依存といえるのかもしれません。

死んでしまう

カミナの死は、強烈な印象として残ります。
強烈なインパクトをもつキャラクターだからこそ、その死も、比例して強烈なインパクトがあるのだと思います。そして、死んでしまうことで、カミナという存在が神格化されているように感じられます。アニメ本編における「死」というのは、悲しい展開です。そして、「天元突破グレンラガン」というアニメ作品においては、主人公シモンの覚醒材料として用いられていたのだと思います。共依存の関係にあったシモンにおいては、何よりも大きな出来事だったことでしょう。しかし、乗り越えることで、大きな成長を遂げます。シモン自身は、「カミナのようにはなれない」と話しています。でも、アニメ本編の途中から、シモンの印象がカミナと重なるようになってきます。そして、そんなシモンの姿が、カミナという存在を神格化させていることを裏付けているように思います。

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