何故三重は自殺したのか勝手に考察する
伊良子に対する憎しみは相当だったはず
伊良子は岩本家を潰す原因を作った仇である。父である虎眼を殺し
ほぼ夫と決まった藤木の片腕も切り落とし、虎眼流を地に落としたからだ。
そのせいで岩本家は没収され、使用人も解雇せざるえなくなり
藤木と三重の二人でようやく食っていけるだけの居場所しか与えられない。
その原因を作った伊良子を許せるはずがないと思うが
昔は、伊良子に惚れていた三重の心境は複雑だったのだろうか?
もしかしたら戻ってくるんじゃ?とか思ってたかもしれない
しかし、仇である男を許すのは自分の価値観と死んでいった仲間達に対する
冒涜に値するはずだ。伊良子に対する憎しみはもはや殺すだけでは
済まされないほどに、三重の心は憎しみで溢れていたに違いない。
しかし、矛盾が生じる。
伊良子と藤木は御前試合を真剣で戦い。伊良子は最後は死ぬが
その後を追うようにして三重は自殺するのだ。
これはかなり変な展開だったし不自然だ。
伊良子に対してどんな感情を抱いていたのだろうか?
そもそも三重は男は嫌い
三重は男だらけの道場で育った女だ。男の裸に対する感情はあまり漫画では
書かれていなかったが、男は基本的に好きではない描写が書かれている。
その原因としては父親の虎眼が三重のアソコの部分を触ってセクハラしてみたり
種を植え付けるだけの存在として育てていた部分が強かったためでもあるかもしれない。
彼女の意思は関係なく、虎眼は強いものが彼女に種を植え付けて子供をつくるという
考えが強かった。ゆえに三重は基本的に男は嫌悪の存在であり
自分に対して厄災を持ってくる存在でしか見れなかったのである。
三重が自殺した意味
藤木が伊良子の首を命じられたままに切り落とし、殿の前に差し出した後
三重は短刀で自分の命を絶って死んでしまう。
藤木と三重は結婚するはずだったのだが、その約束も投げ出したのである。
三重としては、侍としての人間の行き方は嫌というほど見てきた
見せられてきたといっても良いかもしれない。
そこに侍の考えから逸脱した存在である伊良子の出現
三重にとっては天使のような、自分を救ってくれる存在が現れたに違いない
色々あって仇となった伊良子にも、少なからず愛情が残っていたのか?
それとも言われるままに人形のように動く藤木の性格が
御前試合で嫌というほど強調されたのが嫌になったのか?
三重が自ら命を絶ったのは、以前好きだった人が目の前で殺され
夫となる人物は人形であるという事実を見せ付けられたせいかもしれない。
絶望の中で三重は短い一生に自分で終止符を打ち、自分を捨ててまで
自由になりたかったのかもしれない。
以上、勝手に考察してみました。
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