永遠に心に残したい作品です
今の日本の現実を浮き彫りにしてくれた
シングルマザーは生活のために働かなくてはいけない。働くためには子供を預けなければならない。子供を預けるにはお金が必要で、認可保育園に預けるためには働いている実績が必要。それがなくては待機児童戦争に勝てない。とにかくまずは働かなくては。託児所に預けるためにぐずる子供を連れ満員電車に乗っていくつか先の駅に行く。周りの視線は痛い。夜くたくたになりながら帰ると「子供がかわいそう」と近所からの痛い視線…。もっと子供に愛情を注ぎたい。もっと笑顔をみせたいのに。たったそれだけのことがすごく難しいのが今の日本の現実。それを突き付けられる作品です。
キャストの演技がすごい
満島ひかりの演技がほんとにすごい。必死に耐えて感情を抑えながら言葉を伝える演技には毎回涙が出てくる。母を演じる田中裕子との迫真の演技のぶつけ合いは本当に鳥肌が立つ。愛したいのに、愛されたいのに。それ以外のことはどうだっていいと思えるくらい心が通い合うまでのプロセスはこの作品の大きな見どころです。
居ないけど父の愛を感じられる家族の姿に感動
電車の事故で突然亡くなってしまった夫。しかし、その夫の、夫しての、父としての愛を居ないのに随所で感じさせてくれます。「お父さんの作ってくれた幸せの中にいるの」と言った小春の言葉。ずっと心に残っています。そんなふうに思ったらほんとに涙が出るくらい幸せで、子供たちもその愛を永遠に感じられると思いました。こんな風に子供に伝えられる小春はほんとに素敵だし、信はほんとに素敵な夫であり、父親だったんだと思います。
誰もが闇を抱えている
ネガティブではなくてです。誰しも人には言えない悩みや、過去、ぬぐいきれない辛い思い出、後悔を抱えて生きている。みんな笑って幸せそうにしていても、そんな部分を抱えていて、救いを求めている。でも救えるのは自分自身ぶつかるしかない。大丈夫。どこかに必ず道はある。自分で見つける決意をすれば。二階堂ふみが演じる栞にはそんなことを考えさせられました。
最後は救いのあるラスト
前半からかなり重たい内容に受け止めきれなくなる場面も多々ありますがラストにかけて希望が見えてくるごとに幸せを感じさせてくれます。そして、どんなことがあっても、最後は家族。その絆の確かな、そして消えない灯のようなものを実感できる作品です。見どころが満載で毎回二度は見返したいドラマです。
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