ドラマでもいいけどアニメで
人間交差点ヒューマンスクランブルはドラマニメ
とでも呼んでおきましょうか、全くドラマでも可能というか声優キャストも唐沢寿明、反町隆史とか普通にドラマを演じられる俳優さんらが演じていますし(演じ方にしても特別アニメ技法は使わずナチュラル演技で演じておられます)でもプロの声優さんも出演されていえるのでアニメ声優独特のはっきりとした判りやすい演技も作品に付加されます。それでも物語も特別アニメ的な演出や効果音、展開があるわけではないので完全に現実世界的なアニメですね。ではなぜわざわざアニメ?というかアニメである必用があったのでしょうか?今までにもアニメじゃなくてもいいじゃないかという作品を見かけた事はあったのですがこの作品ほどそれを疑問に思わせるアニメがなかったと思います。ではやっぱりなぜ?となるのです。
アニメとドラマはフォーカスされやすい部分が違うのかもしれない
30分という枠に1話完結型のお話を詰め込んだ芸当はドラマでももちろん可能ですがアニメならではというかアニメオンリーの時間軸というのが存在するのかもしれません。ドラマ独特の間の取り方がアニメだと短くても許されるというか。絵という人の手や想像が作り出した画面がある現実の風景を使ったドラマとは全く別種の鑑賞を生み出すという感じがします。どんなにドラマっぽくてもやっぱりアニメーションはドラマとは違う存在であると認識させられました。それにアニメは全てが人の手によるものなので実写にある思いがけず入ってきた雑音とかがない。それらによって制作者の意図したもの以外に視聴者の目が行くという事は少ないですね。それに絵って視聴者の想像が独自の形で入りやすいので全く同じ話でもドラマとアニメでは記憶の残り方が違います。どちらが良いというものではなくドラマとアニメのどちらが作品本来の味を伝えやすいかという事によると思います。
アニメばっかりしか見ない人もこれなら?
違ったファン層を取り込むという視聴者層コントロールの意味もあるでしょう。人間交差点は何気ない人の人生に焦点を当てていて生活の暗い部分もピックアップされています。普段アニメの世界にどっぷり浸っている人でもこの作品で現実的な感覚と向き合う機会が生まれますので新鮮なエンタテインメントとして映るでしょう。エンディングテーマでは東京タワーとか都庁からの風景が実写も交えて出て来て、この作品を見ていると人は誰でもドラマ(ストーリー)の主役になってしまうんだなあとふとすれ違った人を見てもかんがえてしまうのです。色々な職業や生活がドラマを紡ぐんだなと。
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