無口な主人公ってところが最大の魅力 - 森田さんは無口の感想

タイトル通りの面白さ

無口な主人公という発想が、そもそも斬新さを感じさせる発想ではないでしょうか。他のアニメ・マンガ作品においても、無口キャラクターは存在しています。しかし、主人公に据えられているのは、この「森田さんは無口」というアニメ作品以外に思い付きません。

「エヴァンゲリヲンシリーズ」でいえば綾波レイが主人公のアニメ作品だと考えれば、有りそうで無かった物語と考えられます。そこに着眼して、アニメ作品として仕上げられていることが、面白みとして見事なものになっています。

また、アニメタイトルは捻りもなく直球勝負していることで、観る前からどんな面白さなのか、想像させるものがあります。そして、本当にアニメ本編は作品タイトルそのままの印象であり、期待を裏切ることがありません。無口な主人公という設定が面白いものをイメージさせるので、観てみたい気にさせる作品タイトルに感じることでしょう。

ギャグアニメに代表される下品さもなく、面白く笑えるアニメ本編は、バラエティーアニメと呼べるものなのではないでしょうか。安心して幅広い層が楽しめる内容に仕上がっていると思います。

そして、原作は４コマ漫画なのにもかかわらず、立派に５分枠のアニメ作品として仕上がっているのにも制作スタッフの努力を垣間見ることができます。

 

主人公の強烈な存在感

作品タイトルが示すように、主人公の森田 真由（もりた まゆ）は無口という地味さを打ち出しながら、アニメ本編における存在感の大きさが面白い部分なのだと思います。

他の登場人物とは差別化されており、思いっきり地味な方向に振られているキャラクター設定がユニークです。

まずは、目の描き方が他の登場人物と違って輝きがありません。一般的には、主人公は目立つべき存在なので、他の登場人物より目の輝きを増量させるものではないでしょうか。しかし、このアニメ作品においては、セオリーの真逆を実践しています。アニメ本編の中でも触れられており、「冷凍イカのような目」と比喩されています。とても勇気のあるキャラクター設定なのではないでしょうか。

そして、他の外見部分においても、髪型は黒髪ストレートで、個性も地味さを強調させるものだと思われます。

ただ、性格は内向的ではなく、タイミングを掴めないことから話すに話し出せないという場面が多いように感じられます。性格が内向的なのであれば、友達付き合いもないでしょう。しかし、このアニメ作品の主人公、真由に友達は多いです。相手のことを気遣うあまり、自分から話し出せない、聞く方に専念するという部分が大きいように思います。

 

主人公と正反対

主人公の真由とは正反対に描かれている村越 美樹（むらこし みき）はお互いがお互いを強調している存在だと思います。美樹の存在が大きいから、主人公の真由が光り輝くものに映ります。そして、逆もいえることで、真由の存在があるからこそ、美樹の存在も大きいものとして映ります。

外見においても、美樹はショートカットであり、主人公の真由の黒髪ロングのストレートとは正反対であることを強調しているように思えます。

月と太陽、陰と陽の関係性をそのまま当てはめたような存在だといえます。アニメ本編の中でも、足して割ったら丁度良いという表現がされているように、お互いがお互いを照らし合っている存在だと考えられます。

 

二面性をもつ天才肌

三浦 千尋（みうら ちひろ）は、観る側に二面性を感じさせるキャラクターではないでしょうか。外見は派手ですが、アニメ本編では家族思いであることが明らかになります。正反対とはいえないまでも、意外な顔を持ち合わせているキャラクターとして描かれています。

そして、性格面では真逆な真由と違い、外見面でスカートの短さを極限まで短くして攻めている姿勢は、主人公の真由と正反対のものを感じさせます。

また、時折見せる一般的な考え方のひとつ上をいく発想は、天才肌といっても過言ではないように思います。特に、真夏の暑い日にスカートの中を男生徒に１００円で煽がせて、利益を得るという発想は天才的な発想に他ならないのではないでしょうか。

 

マイペースな金髪癖毛

松坂 花（まつざか はな）はマイペースを崩さない印象を抱きます。アニメ本編では、あまり目立つ場面は少なく、主人公たちと一緒に行動しているものの、全面に押し出されている印象も弱いです。しかし、たまにする発言は過激な内容が多く、マイペースであることを強調しているように感じます。

また、外見面でいえば、癖毛で金髪という髪型は、主人公の真由の黒髪ストレートとは正反対に位置するものと捉えられます。

 

登場人物の血液型

「森田さんは無口」の登場人物における血液型の設定はないようです。しかし、各キャラクターの性格を考えていると血液型がみえてくるように思えます。むしろ、血液型から一般的にいわれている性格をそのままキャラクターに当てはめているのではないでしょうか。

主人公の真由は、周囲に対しての気配りや細かさからＡ型タイプに多い人物像を表しているのではないでしょうか。

そして、正反対の性格である美樹においては、己以外を顧みないように感じるので、血液型でいえばＢ型タイプなのだと考えられます。

さらに、二面性と天才肌が印象的な千尋は、一般的にＡＢ型タイプと予想されます。

最後に、マイペースさが目立つ花においては、血液型はＯ型をイメージして、キャラクター設定を成されているよう感じられます。

それぞれの血液型をイメージして、キャラクターが構成されているように感じられないでしょうか。

だからこそ、個性的で面白い物語展開をしていくのだと思います。主人公、真由のキャラクター性が面白いことも挙げられますが、それぞれとのコミュニケーションの在り方も大きな魅力として挙げられるように思います。