高校野球における監督の重要性が分かります!
惹きつけられる設定
主人公の黒木竜次が監督をする高校・環境の設定がこの漫画の面白みだと思います。大きく3つの設定があり、まず母校の桐野高校というよくあるOBがうるさい進学校で自分のクロカン野球を貫き甲子園出場までを描いており主人公の野球観を定着するためのように思えます。
クロカンの本編は桐野高校を辞めたあとに、監督になる鷲ノ森高校の3年間ではないかと思います。桐野高校と比べ部員の実力は低く、現実にありそうな典型的な弱小高です。その中に一人怪物坂本が登場し、1人の怪物とその他弱小部員で全国制覇を目指すという設定がほんとに面白いです。
坂本が引退したあとは廃校により最終部員13人で目指す全国制覇への道のりが描かれ、怪物はいないあが坂本の影響で入部した比較的上手い野球部員がどうやって勝っていくか高校球児のお手本となるような戦い方で感心させられます。
監督目線と選手目線の両方で展開される模様が試合や普段の生活の中で描かれているところも面白みがあります。
意図がなかなか見えない主人公のもくろみ
話の中で周りの人たち、さらには読者までもが驚かされる言動がよくあります。全て最初は理解されないどころか批判されるばかりだが、実際は成功に導くためのものでありことごとく戦況をひっくり返し様はもはや気持ちいいです。一歩間違えれば全て終わってしまうようなことも多いがそこは黒木監督の「もってる」部分も多いのでしょう。試合中監督を放棄したり、あえてやる気を無くす言動は先を見据えて意味があることしかありません。読んでる最中には見えない黒木監督の意図を探っていく楽しみもありました。
采配は積極的で精密とは程遠い野球ですが、流れを読む力や選手起用に長けている点で監督の重要性が感じれるシーンが多くあります。
リアルな選手達の能力
野球自体は極めて現実路線です。150キロを超えるストレートを投げるのも話し全体を通して坂本しかいません。140キロを超えて速いと言っているところが非常にリアルです。精神面・技術的な面でもリアルに高校球児を描いており、大事なところでのエラーやミスはもちろん、波に乗った後の勢いなどはテレビで見るような展開です。クロスプレーにより勝敗が決するシーンも多くあり、だからこそ漫画でも試合展開が全く読めません。勝つのか負けるのかほんとに最後まで分からないところが魅力の漫画かもしれません。最後の夏以外は全てどこかで負けています。コールド負けも2回ありました。そんなどん底から這い上がる選手達を心から応援したくなります。
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