主人公がモテ過ぎ(笑 - 軽井沢シンドロームの感想

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軽井沢シンドローム

4.404.40
映像
3.00
ストーリー
4.00
キャラクター
5.00
声優
5.00
音楽
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観た人
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主人公がモテ過ぎ(笑

4.44.4
映像
3.0
ストーリー
4.0
キャラクター
5.0
声優
5.0
音楽
5.0

目次

冴羽 獠そっくりの主人公

「軽井沢シンドローム」主人公の相沢 耕平(あいざわ こうへい)は、非常に女好きである点が、「シティーハンター」冴羽 獠を思い浮かべます。また、普段の顔は、ふざけているばかりで掴みどころがない点も類似点として挙げられます。

しかし、真面目な場面では、表情が切り替わり行動力を発揮する部分も同じです。

さらに、腕っぷしが強いことや、根本の部分は真面目である点も印象が重なります。

そして、二面性を持ち合わせていることで、その印象のギャップが魅力になっている点が、最大の類似点だと考えられます。

 

冴羽 獠との相違点

非常に似ている印象をもつ両者ですが、相違点もあり、それらを挙げることで「軽井沢シンドローム」と「シティーハンター」の魅力の違いが見えてくる気がします。

まずは、お互いに女好きであっても、「シティーハンター」主人公の獠は、女性との肉体関係に発展することはありません。心を虜にしてしまうことはあっても、必ず、獠のパートナーである香が、それを阻止してしまいます。阻止率100%なので、香という存在の凄さを改めて感じることができます。

一方、「軽井沢シンドローム」主人公の耕平は、肉体関係に発展します。元ネタが少年誌、成人向けである違いはあっても、その部分においては、決定的な違いなのだと考えられます。

以上のことから言えるのは、女好きという部分は同じでも、観る側に与える面白さは全然違うものだということです。

「シティーハンター」においては、獠のナンパは、失敗することが前提となっていますので、ゴキブリ並みの強靭な精神力をみせることが面白いのです。

「軽井沢シンドローム」においては、耕平のナンパ成功率の高さそのものが面白くなっていることと、男性へのサービスカットという一面が強いのではないでしょうか。

そして、お互いに強い印象をもつ両者ですが、「シティーハンター」主人公の獠は弱さを見せることがありません。少年誌のヒーローという特性もあるのか、戦闘力の高さもそうですが、内面の強さも尋常ではありません。一方、「軽井沢シンドローム」主人公の耕平においては、最愛の女性、松沼 薫(まつぬま かおる)が流産してしまったことで、立ち直れないメンタル面の弱さが描かれていました。この場面で、主人公が入れ替わったと仮定したならば、獠は全力で最愛の女性を支えることに注力したように思うのです。

このことから言えるのは、強い主人公という共通性はあっても、面白みは違ったものなのだと捉えることができます。

「シティーハンター」においては、獠の圧倒的な強さから、獠という存在そのものに憧れを抱かされることが面白さになっています。

「軽井沢シンドローム」においては、耕平の弱さを描くことで、人間劇という一面が強いように感じられます。明らかに、耕平の心の中での葛藤という部分を強調しています。最愛の女性に対しての向き合い方にメッセージ性を持たせているのではないでしょうか。

非常に似た印象をもつ両者ですが、それぞれの相違点を挙げることで、作品そのものの面白さの違いまで感じとることができます。

 

松沼 薫の変化

「軽井沢シンドローム」主人公の耕平、最愛の女性であり、意図的に、登場した女性の中で最も魅力的に描かれていたことが印象的です。

アニメ本編の登場人物の中で、最も、胸が大きく描かれていました。胸の大きさは、女性らしさの象徴だと捉えることができます。意図的にそう描くことで、薫という存在を魅力的に描きたいという意思を感じることができます。

また、薫の変化を意図的に演出していくことも、薫自身の魅力を強く打ち出していく意思を感じ取ることができることだと思います。

登場した時には眼鏡をかけており、性格面も内向的であることが強調されています。しかし、耕平のアメリカに行きたい、という本心を知った時、自分自身の殻を破り、耕平にぶつかっていきます。

ここまでで、まず変化の第一段階です。

続いて、耕平との初体験を済ませてから、薫の性格にも更なる変化を感じとれます。薫の方から耕平に対し、夜の営みに積極的に誘っており、登場したばかりの頃の印象を驚かせるものです。

ここまでで、変化の第二段階です。

続いて、耕平との関係から、薫は耕平の子どもを妊娠します。この場面では、妊娠するまでの展開の早さに驚かされます。

ここまでで、変化の第三段階です。

そして、薫は妊娠して喜ばしい雰囲気になったのも束の間、残念なことに、流産してしまいます。耕平は薫が妊娠して、その事実を受け入れて喜んでいた場面が描かれていたので、さらに驚かされる展開だったように思います。

ここまでで、変化の第四段階です。

そして、最後の変化は、流産してしまった薫の元に耕平が帰ってきたことで、アニメ本編は締められていますが、観る側に、物語の後の変化を想像させるものになっているように感じます。ふらふらしており、女好きの耕平を拘束するような女性に変貌するのかもしれません。あるいは、耕平と共にアメリカに渡ることを決断するのかもしれません。そして、今回は流産してしまいましたが、またすぐに妊娠するのかもしれません。 

観る側に色んな想像をさせるのが、最後の変化なのではないでしょうか。 

そして、薫の存在そのものも「軽井沢シンドローム」というアニメ作品の魅力といっても過言ではないと思います。

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