キングダムについて
キャラクターが生きている
私の知る戦国時代物はキャラクターが同じような顔をしているので誰が誰だったか読んでいる途中で分からなくなることが多いです。もともと戦国時代物は苦手な方で、堅苦しく難しい文言や同じような服や体つき、さらには顔まで似てしまっていたら混乱してしまうのです。話の途中で見返してしまうので話が途切れてしまい頭に入らず面白さが半減してしまいます。それに比べ「キングダム」はキャラクターの個性が確立されていますので留まることなくいくらでも読み進められます。それは容姿だけでなく性格・生き様も魅力的でゲスいキャラクターまでも良い味出していると感じます。
W主人公
W主人公の漫画と言えば常に行動をともにして協力しながら敵に挑むというストーリーが多く思い出されますが、その場合主人公を2人にしてみました感が出てしまっているものも少なくないです(もちろん面白いものはたくさんありますが)。「キングダム」は中華統一を目指す政と大将軍を目指す信のW主人公ですが、2人で協力し合うシーンもありつつ、それぞれ違う立場からの多角的な視点で描かれているので面白さがまさにW(2倍)になっています。
春秋戦国時代の資料が少ないからこそ
春秋戦国時代の資料は他の時代に比べても多くありません。そのためかこの時代の漫画は数えるほどしかないように思います。この時代の史実に基づいた物語を描くならば現存する資料の点と点を繋げつつ空白の部分には何があったのかを想像する力が物を言います。「キングダム」は作者のオリジナリティーが詰め込まれているようで史実に基づいているので面白くもきちんと地に足が着いている作品です。その辺りは作者の力量のすごさが感じられます。
非現実的でない戦い
戦闘シーンのある漫画はキャラクターそれぞれに持ち技があったりします。その技を繰り出すときに技名も一緒に叫ぶというのもよくあります。叫ぶことで漫画に勢いや味が生まれるので良い効果だと思います。ただ、その場合どうしてもファンタジー感が拭えず非現実的な世界中になってしまいます(それが悪いことだとは思っていませんし、そうしているからこそ面白い作品は数え切れないほどあります)。ただ「キングダム」の場合は誇張しているところもありますが技名は叫ばず戦っているのは現実味のある戦い方だと感じます。羌かいなどは始め反則じゃないかと思いましたが読み進めていく内に受け入れられました。
ともあれ
つらつらと書きましたが「キングダム」は本当に面白い作品です。
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