声優さんも素敵なのに - それでも町は廻っているの感想

メイドの価値観崩し

なんとなく懐かしくなるような商店街が舞台となっていますが、ありそうで今こんな商店街少ないですよね。人とのつながりがテーマとなっているということでなんだか基本的にほのぼのしています。落ち着いてしまいますね。
すっかり流行って大人気になったメイド服ですが、作者さんはその方面に良い意味であまり詳しくないのでしょうか。かえってそこがうまい具合の空気感を生む結果になっているように思えます。
メイドという属性ががおまけになるのは滅多にないので面白いですね。似たような作風が乱立している中、流行に媚びない独特の雰囲気が全体を通してあふれているのがそれ町の最大の魅力ではないでしょうか。
バイト先の制服として着ているメイド服ですが、だんだん見慣れてくるとはたしてメイド服そのものに深い意味はあったのだろうか。みんなが好んでいるメイドの本質は、その奉仕性と恥じらう言動にあったのではないかと不思議でなりません。
文化祭で演奏する際はもはやなんだか普通のコスプレみたいになっていますが、紺先輩のメイド服はここでしか見られないので貴重です。まあEDでは毎回見られるのですが。

あまりに美麗な映像

映像がきれいなので、マンガとは差別化して楽しむことができますね。服のしわがリアルに描き込まれていて、これを毎回動かすのだから、大変だしかなり力が入っていると思います。
わたしは内容が原作とほぼ同じなアニメなら、よっぽど好きでない限り二つとも見なくてもいいのかなとか考えてしまう方なのですが、それ町は両方素直に楽しむことができました。雰囲気が大きく変わることはないのですが、両方ともそれぞれ味があって好きです。

例えばマンガで見たらそうでもなかったシーンですが、紺先輩が料理しているときに歩鳥が塩のかわりに砂糖を入れようとする際紺先輩がしずかにキレるシーンが特にお気に入りです。
髪の輪郭まで夕焼け色に繊細に合わさっているのがきれいで、当時感動しました。
歩鳥はじめ女の子勢が、マンガよりかわいいです。もちろんマンガがかわいくないというわけではないのですが、より女の子らしくなっていて色気があります。原作の絵柄を踏襲した上で流行りを取り入れた印象がありますね。掲示板なんかでも言われていることですが歩鳥ちゃんなんかいくらパンチラしていてもありがたみがないというか、たいへん失礼極まりない話ですがそんなにグッとくることは正直ありませんでした。
ところがオープニング映像見たときには「あれ？」っと思わず目をこすってしまいます。歩鳥があざとかわいくなっている！
ポーズが色っぽいことからきているというのも考慮できますが、こんなスタイルよかったのか！？と思ってしまいました。
しかし超サービス回の、水着が海に流されて紺先輩が手ぶらして隠してくれるシーンではなぜか色気が隠れてしまいます。きっと歩鳥は色気の押し売りキャラではないんですね。隠れている肢体があってこそ生まれるものがあるのです。そんな大事なことを今更教わった気がします。

中でもかわいくなっているのが紺先輩です。ボーイッシュで少年らしいのに年上というなかなか嬉しい設定の先輩なのですが、
もともと美形ということなのでとにかく一番かわいくすればいいや！とでも考えられたのかはわかりません。が、群抜けでエロいです。
わりと露出の多い服装を好んでいるので、カラーにするだけでエロくなってしまうのでしょうか。
夏の部活帰りに夏服姿で汗ばむ紺先輩、タンクトップ一枚で料理している紺先輩、パジャマ姿ではだける紺先輩、何もかもが最高です。
歩鳥がと紺先輩の二人はけっこうスキンシップが激しいので絡み合う場面が多々あり、屋上で歩鳥が紺先輩の夏服に包まれた肢体の上にまたがって押し倒すようなことがあります。
やたら正確なデッサンで、感動しました。ここは狙ってるのかななんて一人で深読みしてしまったのが記憶に新しいです。
当時は今現在ほど百合がブーム化していなかったのですが、これは百合好きな人からしたら好きになるのではないでしょうか？
もっと盛り上がってもいいと思うのに、なんだか不思議でしかたがありません。

キャラクターの描き分け

キャラクターの顔が違うのは当たり前のことです。同じ顔をしている人はまったくいないなんていえませんが、
間違いなく少ないです。全員の顔に個性があるのが当然であると考える人が多いために双子キャラに需要が生まれるし、
病気や遺伝でそうなった方は偏見を受けてしまいます。
マンガアニメでは美形かそうでないかといった設定にかかわらず、キャラクターの顔は似てしまいます。
キャラクターをより美しく見せたがる精神はごく当然のことであり、同じ人が描いていくのであれば
パターンやクセはどうしても生じます。これってあれとおんなじ顔じゃん！なんてことはある程度しかたないことです。
しかしそれ町は誰一人と言って同じような顔が出てきません。これは相当すごいことであり、間違いなく絶賛されるべきことなのです。