菅野美穂の原点となった作品
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菅野美穂の女優人生のスタートがこの作品だといっても過言ではありません。
私はこの作品を考えた作者を尊敬しています。なぜなら素晴らしい発想を描写して人の心の中にあるごちゃごちゃしたものを一緒に考えさせてくれたからです。私はこの作品が大好きです。初めて見たのは私が小学生の頃でした。当時マイナス思考だった私を支えてくれたのもこの作品でした。主演を務めた菅野美穂は、当時はまだ無名の女優でした。この作品で彼女の人生は開けたのではないかと私は思っています。それくらい良い作品でした。この作品を見て私は菅野美穂を初めて知りました。彼女の透明感のある瞳と、落ち着いた可愛らしい口調が何よりも魅力的に感じました。おしとやかで上品な印象をしっかりと演技の中に取り入れて完璧に演じ切りました。
”イグアナの娘”というタイトルを見た時は正直ここまで自分が夢中になるなんて想像もしていませんでした。イグアナ自体好きではないし、”イグアナの娘”ということは主人公は人間ではなくて本当にイグアナなのかとという疑問と、興味はそれほどありませんでした。しかし、ストーリーの内容の深さは計り知れませんでした。菅野美穂は、この作品の印象が強過ぎて、大人しくて綺麗で上品というイメージが定着してしまいそのことで随分悩んだそうです。この作品が終わってからは依頼がくる役はいつもいじめられっこや、大人しい少女の役ばかりで、本人は困惑していたそうです。しかしそれは、彼女のこの演技が認められたからこそだと私は思います。それくらい役にはまりなりきっていたということだと思います。
彼女からしてみれば、もっと他の役に挑戦したい感じたり、同じような役ばかりで本来の女優業とは違うような気持ちになったそうです。そして彼女はある行動に出ました。かなり有名な話ですが、新しい自分にを探すためにヘアーヌード写真集を出し世の中を驚かしました。女優に掛ける彼女の思いは、私が考えていたよりもかなり深いものでした。このままではこのイグアナの娘の印象が強く残り同じ様な役しか依頼がこなくなり、本当の自分のしたかった事とは全く違う方向へと向かってしまう事を恐れたのでしょう。自分には他の顔も演じる事ができると世の中に伝えたかったのではないだろうか。
彼女にとってこの作品は女優人生の中でのスタート時点に過ぎなかったのです。人気が出たこの作品は彼女の中できっとそんな存在なのでしょう。
似た様な悩みを持つ主人公がでて来てこの作品を”友人”だと思っていた小学生の私。
鏡に映る自分の姿がイグアナに見えてしまい、自分に自信が持てない主人公。イグアナに見えてしまうのは自分に自信がないからだと思っていたが、本当にイグアナだったという少し非現実的な内容になっているが、なぜか涙が止まらない感動的なドラマでした。自分に自信がなくて鏡に映る自分の姿が見れないという気持ちがその頃の自分と良く似ていました。その頃は私は視力が下がりメガネをすることになってしまいました。メガネ姿の自分にどうしても自信が持てませんでした。自然と顔を隠すようになりいつも下ばかり向いてなるべく顔を隠すようにしていたのです。そのせいで、暗い印象を友人に与えてしまい友人も減り、トイレに行って鏡に映る自分の姿を見ないように毎日していました。そんな小学生時代を送る中で、この作品は私の友達のような存在でした。主人公の気持ちが良く分かったし、その分共感も出来たし、応援もしたくなりました。自分と同じ様な悩みを持つ主人公を勝手に友人のように思い毎週欠かさず見ていました。それだけでとても心強く思えました。
自分の姿を真っ直ぐ受け入れるということは、本来の自分を取り戻した証となる。
作品の途中で流れる曲も素敵で印象的でしたし、聞いているとなぜか気持ちが落ち着いたのを覚えています。菅野美穂が演じた”イグアナの娘”は、私にとって宝物のような作品です。自分と重ねて見ていたのかもしれません。私も鏡に映る顔がイグアナだったらどうしようと思うことが何度もありました。マイナス思考なところが多かったんだと思います。重ねてみる事で一緒に乗り越えていたような気がします。
ストーリー自体は暗い印象の話でしたが、本来伝えたかった事はきっとマイナスな事ではなかったはずです。どんな自分も受け入れる力や、どんな自分でも自分は自分であるというメッセージが込められていると感じました。最終回を迎える頃には私も前向きに考えられるようになりました。たった一つのストーリーがたった1人の小学生を前向きに変えたのです。私はこの作品にであってから私はたくさんの勇気をらもらいましたか。私の人生にはなくてはならないほどの作品です。今でも落ち込んだりした時はこの作品を思い出してパワーをもらっています。そんな作品に出会えた事と、菅野美穂が完璧に演じてくれた”イグアナの娘”にとても感謝しています。
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