はちゃめちゃだけれども、筋の通ったストーリー性がある銀魂
江戸時代なのか近未来なのかわからない世界
設定的には江戸時代末期と思われるのだが、天人(宇宙人)がやってきて、
開国を迫られ、現代なのか江戸時代なのかわからない世界。
その中で、「万事屋銀ちゃん」とよろず屋として生業をする
坂田銀時。なぜか本当の日本史上では朝敵とされていた新選組が
「真選組」として警察組織になっているし、そして、将軍様がいるしで、
はちゃめちゃワールドである。
しかし、暗い過去はたくさんあるが武士道は貫く
昼行燈のように、鼻くそをほじって少年ジャンプを読みふけり、暇さえあれば
パチンコに入り浸ってる、坂田銀時。通称銀さん。
まだ細かい所は連載でも明かされていないが、自分が世話になった師匠を処罰しなければ
いけなかった。そして、攘夷戦争に参加したけれども、結局、周りの参加している人間とは
何かが違う。それよりも、自分の師匠を処罰した辛さからか、たどり着いた
東京の墓場でお登勢と出会うことで、昼行燈として生きながらも、時には侍道を守りながらも
生きていく。
その侍道にいち早く気づいた当時は別の店でアルバイトをしていた志村新八や、夜兎族の
神楽と出会って行く事で、銀さん自体も、成長し、周りも成長する。
そして、いつまでも師匠を殺された恨みを持って生きている「高杉晋助」との戦いは、
最近になって和解されたものの、それまでの対決が面白いものだらけであった。
特に有名なのは「紅桜篇」ではないだろうか?
その後、吉原の子供と関わりを持ったことで、闇夜の吉原を開放していく話とか、
人情のもとに歌舞伎町を守る「歌舞伎町四天王篇」も銀さんのシリアスモードは
男前である。
土方がヘタレのオタクになってしまう「真選組動乱篇」でも、
「今も昔も俺は何もかわっちゃいねぇー!」という名台詞は、まさしく銀さんが
自分の進むべきそして守るべき道をしっかりと出している台詞である。
はちゃめちゃギャグもありながらもハートウォーミング
シリアスモードの話がありながらも、ショーもないネタで続くお話や、
下ネタワールドやパクリワールドもたくさんある。
任○堂そっくりのオヴエーの発売をかけた、「なんじゃこりゃ」という戦いや、
「ラブチョリス」に至っては、ピン子さんが登場!
新歌舞伎町四天王が揃って会議をするときには、志村妙が、恐ろしい手を使って、
残り3人を消していくのは、まさしく嬢王ならではの業!
「女はやばいよ、やばいよ」と引いてしまう。
「マダオ」と呼ばれている長谷川泰造が再就職(実はやばい家業だった)の際に、
女子高生に筋肉バスターをかけて、お白洲で裁判を受けるという話は、
私自身としては、「ゆでたまごさんの許可を取ってるのかな?」と心配したが、
結局結果オーライで無罪。
その後も、聖闘士星矢ネタで「車田正美と東映アニメーション」の許可取ったか
心配したが、それもオールクリア。
もっと激しいのは、「海老蔵」ネタ。
よっぽど海老蔵のこと、作者ゴリラ(失礼)は気にしてるのだろうか?
梨園を敵に回すんじゃと思ったが、なんにも問題ないようなので、
もしかしたら、海老蔵自身も少年ジャンプの愛読者かもしれないし、
銀魂ファンかもしれないと思ってしまった。
その中で、銀さんが神楽ちゃんの傘を気にして、かわいい傘を買ってあげるけれど、
結局壊してしまう。だけれども、結局こだわらなくてもいいやぁ~と
かわいい終わり方をしているのもあるので、落としどころはきちんとしている。
今後の銀魂はどうなっていくのだろう?
将軍の将ちゃんが殺され、真選組や警察組織や見回り組が地球ではいられなくなり、
銀さん達万事屋もいられなくなり、地球を飛び出すことになってしまう。
連載自体は頑張って続いているが、銀時が八咫烏のボスを切った時に、
自分が斬首したはずの松陽先生とそっくりさんが出てきて、なぜ松陽先生のそっくりが
八咫烏のメンバーというかボスにいるのかが、まだまだ、謎な部分であって、
いまだに解明されていない部分もある。
また、銀さんの過去は、ときどき漫画の中で紹介はされているが、孤児であることは
間違いない。(おびただしい死体の中で握り飯を食べているシーンがあるので)
その過去もまだはっきりとはされていない。それが、知りたくて、読者は、
頑張って読んでいる部分もあると思われる。
それと、銀さんのまわりのキャラが個性的すぎて、面白い。
近藤勲は、ただの変態ストーカーと思っていたが、きちんと武士道を貫いた男前ではあるし、
他のキャラクターに関しても、どんどん物語が進んでいく中で、
成長し、様々な過去や生き方なりと見えてくると思う。
地球を追われてからは、ようやくちょっとシリアスモードがゆるくなって、
肩の力が少し抜けたおバカワールドに戻りつつあるけれども、
まだまだ、天導衆や八咫烏の輩たちとの戦いに決着はついていないので、
それがどうなるかというのは、大変気になるところではある。
昼行燈で天パで魚の死んだ目をしている坂田銀時ではあるが、
守るべき道はきちんと守っている、面白くもあり男前の男ともいえる。
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