松子の壮絶人生の裏に隠された事実 - 嫌われ松子の一生の感想

理解が深まるドラマレビューサイト

ドラマレビュー数 1,147件

嫌われ松子の一生

4.504.50
映像
4.00
脚本
4.00
キャスト
5.00
音楽
4.00
演出
4.00
感想数
1
観た人
1

松子の壮絶人生の裏に隠された事実

4.54.5
映像
4.0
脚本
4.0
キャスト
5.0
音楽
4.0
演出
4.0

目次

エリート人生から破滅の人生へと進んでしまう松子の一生

ドラマ版の松子を演じているのは内山理名である。彼女の魅力は、素朴な印象と煌びやかな部分が一緒に保たれてそれでいて少し奇妙な怖い印象を持っているところである。松子は、エリートな人生が、ある事をきっかけに破滅へと向かっていくという悲しい人生を送る。彼女自身が悲しい人生だったと感じたかは別として、私が見た限りではやはり悲しい人生だったと思う。最後松子が公園へ捨てたはずの名刺を探しに行く場面は、彼女が前向きに頑張ってみようという気持ちの表れだったのに、公園にいた男達に襲われてしまう。彼女は命を奪われてしまうのです。こんな悲しいことはあるでしょうか。前向きに人生を送ろうと決めたそのすぐ後に、彼女は亡くなってしまうのだ。この時の彼女の気持ちを考えたら、無念としか言えない。どうして彼女はこのような人生になってしまったのか、転落したきっかけとなったのは、明らかに彼女が教師を辞めたという事であろう。それまでは、順調に進んでいた彼女の生活が一気に崩れていったのだ。

松子が教師をしていた学校の校長は彼女を騙し修学旅行の下見だといい連れ出す。そこで彼女は校長に襲われてしまう。さらに校長は松子を邪魔に思ったのか、生徒が起こした事件を松子に責任を押し付け、松子を学校から追い出す。松子にとってはとても辛い思いだったに違いない。しかし松子は言われるがままに教師をやめ、次の人生を歩むこととなる。その時の生徒と後に再開して付き合うことになる。しかし彼はヤクザになっていて松子を困らせる。松子はなぜここまでして人のことを思い救おうとするのか。彼女の優しさはもちろんだか、元々教師という使命が彼女の奥に存在していてそれがまだ消えていなかったのだろう。きっと一生消える事はないのかもしれない。それ程適任だった教師を彼女が辞めたことで運命の歯車はずれ始めたのだろう。

ドラマ版、内山理名の松子がどうしても忘れられない理由

内山理名が松子を演じたということで周囲の反応はどうったのだろうか。映画版の松子は中谷美紀が完璧な演技を見せて話題となった。中谷美紀の松子には、他には出来ない美しい表情で演技をみせた。悲しい場面、嬉しい場面、辛い場面、怖い場面、全てに彼女の美しさを感じた。映画版のスケールの大きさに負けることのない女優、中谷美紀は完璧に役を演じ切ったのだ。

内山理名は、中谷美紀とはまた雰囲気の違う女優である。少し暗い印象と、謎めいた微笑み、素朴感と、煌びやかな印象を兼ね揃えている。個人的には美しさでいったら中谷美紀の方が適していると感じるが、内山理名には彼女にしかない美しさがあり、暗い印象とともに美しさを匂わせる。美しさだけでなく不思議で奇妙な松子を完璧に演じていた、内山理名の演技が私は好きである。

このように映画版の松子とドラマ版の松子は、お互い違う魅力を出しつつストーリー性はそれほど変わりはない。どちらの松子も転落人生を送ることになるのだ。松子は、何故あそこまで苦しいことが次々と起こっているのにもかかわらず、前へ前へと進んでいけたのだろうか。松子にはきっと強い心があったのだろうと思う。何にも負けない強くて分厚い心である。松子は妹がいたが、父は妹のことばかり気にかけていた。松子にはそう感じていた。彼女は幼い頃からずっとコンプレックスのようなものを感じていたのだ。決して甘やかされて育ってきたわけではない。だから自然と強く生きることが出来たのだろう。どんな困難や悔しさや悲しみが彼女を襲ったとしても松子の心は自然と”強く生きる”という気持ちが存在していたのだろう。そうでなければ、ここまで松子の人生をこのように生き抜くことは出来ないかもしれない。彼女は彼女なりに必死に生き抜いたのだ。最後に襲われて殺されてしまった松子の一生は、決して無駄ではなかった。全うして生き抜いたのだ。自分におきかえた時、私は松子のように生き抜くことができるだろうか。おそらく無理かもしれない。どこかで挫折してしまうだろう。きっと松子のように強くはなれない。だからこそ松子を尊敬する。素晴らしいと思う。自分の運命はどうなるかなんて誰にも分からない、松子にも分からない。しかし、松子は運命を信じていたのか、自分がいつか幸せになれるという運命を。だから前へ進むことができたのか。彼女の運命は決して単純ではなく次々と難が降りかかってきた。その中で彼女は必死に生きていたのだ。見ている側に生きる事の意味を教えてくれているような描写である。どんなことがあっても自分の人生、命を自分の手で終わらせる事は絶対に許されない。例え、他人に命を奪われてしまったとしても。その命の終わる手前までは、松子の人生なのである。

大事な教師という立場を奪われた松子の一生

松子の一生はきっと教師という教える立場が1番向いていたのではないだろうか。人に正しい道を教える松子の姿が作品の中でも見られるように、彼女にとって教師という職業は何よりも彼女を助け、支え、本来の自分であるための重要なものだったのだ。それを奪われた彼女は悲しい現実に立ち向かいながらも懸命に自分の人生を生き抜いていった。

あなたも感想を書いてみませんか?
レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。
会員登録して感想を書く(無料)

関連するタグ

嫌われ松子の一生を観た人はこんなドラマも観ています

嫌われ松子の一生が好きな人におすすめのドラマ

ページの先頭へ