朝ドラとしては邪道!でも楽しむ分にはいい作品
朝の連続テレビ小説の中では異端児とも言える作品です。
工藤官九郎ならではの演出で、東日本大震災の被災地を舞台に、また「AKB48」を意識した「アメ横女学園」などパロディーをも取り入れた「笑う」「楽しむ」というコンセプトは明快です。
明るい気持ちで朝を迎える、あるいは帰宅してから明るい気持ちになり楽しめるという意味ではよい作品だと思います。
しかし、朝ドラの王道はパロディーで視聴者の心を動かすものではないと考えています。
ヒロインがほぼ10か月程度を掛けて、脚本を読み込み、自身の演技の糧とすべく演出を考え、役に成り切ることによって、視聴者側もヒロインのドラマの中での成長だけでなく、ヒロインの演者としての成長をも感じることで心が動かされるものであるというのが筆者の考えです。
そのためには、今回高視聴率を収めた「あさが来た」のように、原作をしっかりと見極め、またそれを現代に合わせた形で脚本として作り込み、そしてその脚本に見合うキャスティングによって作り出されるドラマが朝ドラではないでしょうか?
波瑠さんは、大阪出身ではありませんでしたが、脚本を元に自身のあり方を考え、また演出家のこだわりにも応える形で自身を成長させていたため、視聴者は惹き付けられていきました。
同様に玉木宏さんも俳優の先輩である近藤正臣さんからのアドバイスを受けながら自身を成長させていました。
もちろんヒロインだけで作品を作り込むわけではありませんが、チームとしてのまとまりを視聴者にも訴えかけるような迫力でもって制作されるのが、本物志向の朝ドラであると筆者は考えます。
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