じぇじぇじぇの効果 - あまちゃんの感想

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あまちゃん

4.254.25
映像
4.38
脚本
4.50
キャスト
4.25
音楽
4.25
演出
3.63
感想数
4
観た人
6

じぇじぇじぇの効果

5.05.0
映像
4.5
脚本
5.0
キャスト
5.0
音楽
5.0
演出
5.0

目次

2013年を元気な年にさせた、クドカンの「あまちゃん」

あまりのおもしろさに、番組終了で「あまロス」に陥った人々が大量に発生した。その年の流行語大賞を獲得した「じぇじぇじぇ」を生み出した宮藤官九郎の脚本による朝ドラは、2013年を明るくさせたと確信する。2011年に発生した東日本大震災の東北を舞台にした「あまちゃん」は、東北の魅力がたくさん詰めこまれた作品である。町おこしやアイドル、オタクといった言葉をキーワードにして、クドカンワールドが全開し、朝からドラマに釘付けになった。テンポの良いリズミカルなオープニング曲を聞くにつけ、今日も始まったとテンションがあがった。この曲は、今や高校野球のアルプス応援歌の定番曲にもなっている。大友良英によるドラマ音楽も、「あまちゃん」人気を大いに後押ししたと言えよう。

「あまちゃん」を彩る俳優たち

このドラマには実に多くの俳優たちが出演している。宮藤官九郎作品らしい個性派俳優が次々と登場するのも楽しみであった。美男美女の役でブレイクした若手俳優は、有村架純と福士蒼汰であろう。この二人は「あまちゃん」をきっかけにひっぱりだこの俳優となった。80年代を代表するアイドル、小泉今日子はヒロイン天野アキの母親天野春子を演じている。キョンキョンの若干ヤンキーの入ったキャラクターは、言動とは反対に本当は家族思いで優しい心の持ち主であると読み取れる。東京編で女優鈴鹿ひろ美を演じる同じく80年代アイドルの薬師丸ひろ子は、私が大好きな女優さんである。個性的なところでは、北三陸鉄道駅員の荒川良々、北三陸高校の担任皆川猿時、安部ちゃんの片桐はいり、東京の芸能プロデューサー古田新太など面白すぎるメンバーがでている。もちろん宮本信子をはじめ、杉本哲太、尾美としのり、渡辺えり、吹越満も味のある演技が素晴らしい。ばっぱ役のの宮本信子が大漁旗を振って春子を見送る場面は感動した。

春子の部屋

天野アキの母親天野春子の実家には、春子の部屋がそのままの状態で残っている。隠れ家のような部屋には、松田聖子のポスター、なめ猫、ラジカセと80年代にタイムスリップしたようなグッズが懐かしく置かれている。私を含めて春子の同世代は、近藤真彦、田原俊彦、小泉今日子、松本伊代などのアイドルがでる歌番組を、みんな見ていた中学高校時代を思い出すだろう。春子は実家でしばらく暮らすのだが、目をあけたまま寝る癖のあるばっぱの横で、ロングスカートを着た春子が立て膝をついてビールを飲んでいるという、元ヤン的なイメージがなぜか小泉今日子そのもののような気がしてならない。でも私は、そんなキョンキョンのファンである。

みんなの喫茶店・スナック、リアス

ばっぱ天野夏が経営する喫茶店リアスは、夜はスナックになるみんなの憩いの場である。駅に隣接していて、駅員のたまり場的なところとなっている。色んな人が店番をするが、春子ことキョンキョンのママがとても良い。グラスを磨く姿や、お酒を作る感じが板についている。あんなスナックがあったら行ってみたいと思わせるほど、居心地が良さそうである。アキの親友の足立ユイがぐれてしまって手伝いにきたり、杉本哲太がカラオケでゴーストバスターズを熱唱したり気の置けない雰囲気が良い。

潮騒のメモリー

北三陸鉄道リアス線のミス北鉄コンテストに端を発してできた潮騒のメモリーズは、アキとユイちゃんのユニットであるが、二人が歌う潮騒のメモリーは、小泉今日子と薬師丸ひろ子も歌った。私は、薬師丸ひろ子の歌うそれが一番好きだった。女優であると同時に歌手としての彼女も大好きで、透明感のある澄んだ声がとても印象的である。年末の紅白歌合戦では、「あまちゃん」のスピンオフのような劇が再現されてとても嬉しかったし、潮騒のメモリーが聞けたのもとてもワクワクした。

東北の魅力

忘れてならないのは、やはりこのドラマの底には東日本大震災への思いがあるということだろう。脚本を担った宮藤官九郎は宮城県出身であるから、きっと東北を元気づけたいとの自身の願いがあったろうし、それが存分に伝わってきた作品であった。北限の海女、北三陸鉄道、まめぶ汁、南部もぐり、久慈の琥珀など、地元の名産をふんだんに盛り込み、物語に溶け込ませてそれらの魅力を発信させている。久慈の琥珀は大昔から知られていた証拠に、関西の古墳からも久慈産の琥珀玉が埋葬品として見つかっていたりする。フィクションなのに実在したものとクロスさせて、リアルさを醸し出す手法によって、ドラマの舞台はいわゆる聖地となり、人々を呼び込むようになるのだろう。ドラマのはじめに、能年玲奈が袖が浜の海中を目を見開いて泳ぐ姿に驚いたし、海女の方言じぇじぇじぇを連発するアキは、ちょっと変わった能年玲奈にぴったりだった。本当のアイドルになりそこなったご当地アイドルの成長を東北と東京を舞台に能年玲奈は演じきった。

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朝ドラとしては邪道!でも楽しむ分にはいい作品

朝の連続テレビ小説の中では異端児とも言える作品です。工藤官九郎ならではの演出で、東日本大震災の被災地を舞台に、また「AKB48」を意識した「アメ横女学園」などパロディーをも取り入れた「笑う」「楽しむ」というコンセプトは明快です。明るい気持ちで朝を迎える、あるいは帰宅してから明るい気持ちになり楽しめるという意味ではよい作品だと思います。しかし、朝ドラの王道はパロディーで視聴者の心を動かすものではないと考えています。ヒロインがほぼ10か月程度を掛けて、脚本を読み込み、自身の演技の糧とすべく演出を考え、役に成り切ることによって、視聴者側もヒロインのドラマの中での成長だけでなく、ヒロインの演者としての成長をも感じることで心が動かされるものであるというのが筆者の考えです。そのためには、今回高視聴率を収めた「あさが来た」のように、原作をしっかりと見極め、またそれを現代に合わせた形で脚本として作り込み、そし...この感想を読む

4.04.0
  • なんきちなんきち
  • 121view
  • 667文字

新しい朝ドラのかたち。

まずはオープニングの曲が朝から元気になれました。毎日見るものだから、オープニングってとても大事だと思いますね。私自身が東北出身ということもあり(岩手ではないですが)なんだか親近感のわくドラマでした。ギャグ要素が強いのにストーリーがしっかりしているので見ていて飽きないし1話15分の間に話もサクサク進むので軽快に見られるドラマでした。家族愛や友情、恋愛模様も描かれているので面白いです。一番の見所はやはり歌のシーンですね!あの歌は耳から離れなくなりました。また小泉今日子さんと、その少女時代を演じている有村架純さんもとてもいい味を出していますね。アイドルを目指すという設定も現代らしくて、あまり朝ドラらしくはないのですが私はとても好きでした。主役の能年玲奈さんがとにかく可愛くて、なんと言ってもじぇじぇじぇ!でしょう。流行りましたね。じぇじぇじぇ。そして、東日本大地震も描かれていました。これは東北県民...この感想を読む

4.54.5
  • foomyfoomy
  • 113view
  • 511文字

時代の転換期

じぇじぇじぇ!流行語大賞にもなったあまちゃんのセリフである。視聴率が低迷していた朝ドラシリーズに突如全てを変えるような作品が現れたそれがこのあまちゃんである東日本大震災を経て、落ち着きを取り戻しつつあるといってもどうしても舞台を東北にするということは制作陣にも抵抗があったものだろう。脚本である宮藤官九郎が放映される前に「当初は東北を題材に考えずに進めた」としながらも東北や震災を頻繁に口にするあたり避けては通れない道であったことは容易ではない東日本大震災をフィクションで取り扱ったのもあまちゃんからである。取り扱った話数自体は少ないし、最後でもあったの大きなエピソードではないのだが、これからの日本を考えるきっかけとなった人達は意識的、無意識的を問わず多くいるだろう。このあまちゃんをきっかけに自粛気味だったテレビ業界が活発になり、朝ドラを今まで見なかった人達が視聴する習慣がつき安定した視聴率...この感想を読む

3.53.5
  • ネクコロネクコロ
  • 86view
  • 545文字

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