いつも元気で前向きなゾロリに隠された孤独感 - かいけつゾロリの感想

理解が深まるアニメレビューサイト

アニメレビュー数 2,474件

かいけつゾロリ

4.504.50
映像
4.00
ストーリー
4.50
キャラクター
4.50
声優
4.50
音楽
4.50
感想数
1
観た人
1

いつも元気で前向きなゾロリに隠された孤独感

4.54.5
映像
4.0
ストーリー
4.5
キャラクター
4.5
声優
4.5
音楽
4.5

目次

いたずらの王者を目指して旅をするキツネのゾロリ。ゾロリを尊敬し、家来となった猪のイシシとノシシ。

”かいけつゾロリ”は、小学生に大人気のアニメですが、映画も何作か出ていますし、本も出版されています。本は小学校の図書室には必ずといっていい程、置いてあります。題名は知らなくても絵を見たら、知ってる人もいるかもしれないです。本もかなりの量が出版されているので、私の小学生の息子は夢中になって一生懸命読んでいた時期があったことを懐かしく思います。それを一緒になって4才の弟が兄の隣で見ていました。ゾロリが中心となって問題を解決していきながら、ストーリーがすすみますが、私の1番のお気に入りは、イノシシのイシシとノシシです。ものすごく可愛いです。見た目は、ちょっとイカツイ感じもしますが、あの二頭身は最高にキュートです。声もとても魅力的で可愛いんです。ゾロリを慕いゾロリ様と呼びゾロリの家来として一緒に旅をしていくのです。ゾロリの狙いは、どこかの国の王様になってお城を手に入れて可愛いお姫様と結婚することですが、なかなか夢は叶いません。それからいたずらの王者目指して、時には変装して周囲を驚かせたりします。物語の中でゾロリは沢山の発明をしています。それを考えると、頭が良いのかなとも思います。しかし、夢はいたずらの王者とか、どこかの国の王子様になりたいとか、色々言ってます。ゾロリは旅をする途中で何度も素敵な女の子と出会うのですが、最後は結ばれずに終わります。イシシとノシシは必死になって何とかゾロリの役に立ちたいと手助けをするのですが、小さな体のイシシとノシシはあまり役に立ちません。イシシとノシシがソックリなのは、双子だからです。

ゾロリの大切な存在、ゾロリママ。

ゾロリのママが幽霊となって時々顔を出すシーンが私は好きです。その姿はゾロリには見えないという設定です。ゾロリを見守り続けるゾロリのママの存在が母親としての愛を感じました。ゾロリ自身もママの事が大好きで、空を見上げながらママに話し掛けるシーンは、親を亡くした子供が懸命に生きる姿が描かれていて感動します。ゾロリが失敗したりくじけた時に、独り言のようにママへ呟くのです。普段は強気の彼も人の子です。時折寂しそうにする顔を見るとジーンとしてしまいます。いつも前を向いてイシシとノシシが後ろから付いてきて、元気に歌う姿は、悩みなどないんじゃないかと思うくらいです。しかしその前向きな姿勢の裏には、隠された悲しみがあったのです。ゾロリが悲しい顔をすることは滅多にありません。泣いていたら、天国にいるママが心配するからとゾロリは言っていました。どんな母に育てられたのかなと気になりました。こんなに強い子を生んで育てて素晴らしい母親だったのだろうと思いました。

ゾロリの父は、ゾロリが幼い時に行方不明のまま戻ってきません。父は、一体どこにいるのか全く分からない状況です。ゾロリは、旅をしていると時々、父が良く乗っていたという赤い飛行機を見かけます。そこに乗っているのはキツネでした。もしかしたらゾロリのパパなのかもしれません。

このように、ゾロリはいつも笑顔でいますが、本当は泣きたいくらい寂しいはずなのに腕を大きく振りながら逞しく歩き続けます。両親のいないゾロリは、いつでも前を向き下は向かずに上を見上げています。ゾロリは本当に強いキツネです。

前向きなゾロリに隠された悲しい現実、子供には親が必要です。

ゾロリは、何度も旅の途中で素敵な出会いをしてきましたが、彼は少し惚れやすいところがあるようです。基本的に可愛くてキレイでという女性を好きになるところは、もしかしたらめんくいなのでしょうか。そのゾロリの声は山寺宏一さんが担当していて、さすがベテランというくらい色々な表現が伝わり易く聞いていて楽しいです。一応ゾロリは指名手配犯という設定です。警察からは身を隠したりしています。発明が得意で頭が良くて、いたずらをすぐに思い立ったりします。しかし、ゾロリは人を傷つけたり、意地悪なことをしたりはしません。そこがゾロリの良いところです。困っている人がいれば助けようとするし、力になろうと努力します。本当は心がとても優しいゾロリなのです。困っている人は放っておけない性格なのでしょう。ゾロリの悪い点と言ったら、お金やお宝が大好きなところでしょう。旅をしながら、儲ける事ばかり考えているときもあります。これだけお金があれば一生遊んで暮らせるなどと楽な方法をつい選んで、事件に巻き込まれてしまったりもします。やはり、人には、良いところと悪いところが存在していて、悪いことはダメだと注意してくれる人が必要なのでしょう。私達も同じです。それは悪いことをしそうになった時に注意したり、叱ってくれる存在が必要なんです。ゾロリにはそんな存在はいません。母は亡くなり、父は行方不明。良いことをすれば、褒めてあげる、褒めて貰う、とても大切なことだと思います。ゾロリには、叱ってくれるパパも褒めてくれるママもいないのです。悲しい現実ですね。

家来のイシシとノシシにとってゾロリは親みたいな存在です。2人が悪いことをすれば、大きな声で叱ります。良いことをしたら、笑顔で褒めるのです。本当はゾロリ自身が誰かにそうして欲しいのに、、。

ゾロリの夢に隠された孤独感

親のいないゾロリは、大きな夢を持っています。一つ目は、どこかの国の王様になって可愛い子と結婚することです。きっとゾロリは自分が持っていない物を手に入れたいのでしょう。それは、家だったり、欲をいえばお城になるのでしょう。可愛い子と結婚して自分の家族が欲しいのかもしれません。家族の温かみを感じたいのかもしれません。寂しさを埋めるために旅を続けて、自分の孤独感を消して家族と城を求め続けているのかもしれません。

あなたも感想を書いてみませんか?
レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。
会員登録して感想を書く(無料)

関連するタグ

かいけつゾロリを観た人はこんなアニメも観ています

かいけつゾロリが好きな人におすすめのアニメ

ページの先頭へ