男の世界 - ワーストの感想

硬派な男の世界

クローズの続編で、その1年半後からのその1年半後からのストーリーになってます。

鈴蘭高校（カラスの学校）は、誰もが近づかないという不良の学校。伝説的な不良がたくさんいましたが、統一された事がありません。前作からも、誰もトップにはなる事は、ありませんでした。

毎年恒例の新入生で最強男の決定戦の勝者、新入生で、誰も知らない田舎から出てきた月島花が、番長になると言い出しましました。でも、上級生達には、まだまだ強者がたくさんいます。誰も勝てなかった、花木 九里虎屋、リンダマンがいます。他にも、色々な、派閥もありますが、みんなが徐々に花を認めていき、鈴蘭も変わっていきます。

周りの高校も、色々な問題や、事件が起きたりします。それが、鈴蘭に大きなトラブルに巻き込むことになります。高校だけではなく。それ以外にも、学校に行ってない不良グループ、暴走族など、争いはつきません。でも、読んでいくうちに、悪役の気持ちも、状況も、理解できるようになります。すべてが、腕力で解決していきます。それが、力でねじ伏せるわけではなく、登場人物たちも、納得でき、読者も納得できる結果になります。暴力とは、喧嘩の違いというのが、わかると思います。

前作クローズからの、キャラクラー達も、上級生になって登場します。ちょっと大人になって、素敵な魅力が出てきて、セリフも変わってきます。個人の趣味なのですが、一押しのゼットンこと花澤三郎は、本当に前作から、成長して、かっこよすぎです。なんとか、大学に受かって、学校の先生になってほしいです。

喧嘩と友情

本当に、目があっただけで、喧嘩。自分が喧嘩が強いって事だけが、存在価値と上に立つ証明。でも、読んでいて、本当に嫌味がないんです。気持ちがすっきりします。喧嘩の後は、憎しみも、恨みも本当に消えた感じです。ただ、友人は本当に大事にします。こういう世界が、本当に残っててほしいと思います。

義理と人情も本当に大事にします。優しく慰めてはくれませんが、一人じゃないと思わせてくれます。大事な時に、一緒にいてくれて、辛い時に、一緒に泣いてくれて、嬉しい時に一緒に喜んでくれる、大事な仲間たちがいます。

恋愛？て何でしょうかって思うくらい、女性が出てきません。恋バナもありません。モテる人はいますが、話だけで、ほとんどストーリーにはありません。これが、クローズの時からの魅力とも言えると思います。

キャラクターの個性　登場人物

出てくるキャラクター達は、主人公も、脇役も、悪役も、本当に個性的でかっこいいです。現実に、こんなに中身が素敵な人がいるんだろうと思うくらいすごいです。見た目は、ほとんどの人が、ごっつい感じで、強いイメージですが、そこがいいかもしれません。登場人物たちのセリフも、心に響きます。もし、自分が辛い時に言われたら、泣いちゃうくらい心の奥深くに届きます。多分、現実には、誰も言ってくれない本当に欲しい言葉を、この作品で見ることができるでしょう。ここまで、友人、家族を大事にできるって、今の時代にあるのでしょうか？学校のいじめや、子供のたくましさ、理不尽な事から反抗できる強さなど、ただの不良漫画ではないと思います。自分が、一人ぼっちと感じた時、何かを思い出させてくれる作品だと思います。読んでいて、自分に似ているキャラクターが、作品の中にいるかもしれません。

ワーストの世界

多分、今の現実にはない世界だと思います。ありそうだけど、絶対無理。そんなに殴ったら、警察行きだよか、死んじゃうよとか、読んだ後になって思いますが、読んでる最中は、鈴蘭の生徒の一人になって、ワーストの世界に入り込んでいきます。鈴蘭の卒業生は、作品中に話題として書かれていますが、ヤクザになって、のたれ死んだとか、ヤク中になったとかで、あまり明るい未来は、話されていません。それでも、中には、大工になったり、土木や、家業を継いだりと、みんな卑屈になっていません。自由人になって、どこにいるかわからない人もいますが、不幸になってる気がしません。大好きな作品なので、前作クローズ含め、何度か読み返しました。その度に、落ち込んでる自分に、元気をくれます。くよくよしてたって、ダメなんだと、思わせてくれます。こういう気持ちにさせてくれる作品は、本当に少ないと思います。パッと見てこの作品の中の喧嘩で、暴力では、何も解決しないと思う方もいるでしょうし、嫌いだと思う方もいるでしょう。でも、ワーストは、喧嘩ですが、暴力ではないんです。その中に、優しさも、許しも、悲しみも、友情もたくさん詰まっています。それを読み取って欲しいです。恋愛の話もないし、不良漫画だしと思われるかもしれませんが、女性にも読んでいただきたいし、子供達にも読んでほしいと思います。自分も、大事な存在だし周りも大事にしようと、気がつかせてくれる気がします。