北条司が本来書きたかったC・Hの続編「エンジェル・ハート」
昔、週刊少年ジャンプで連載されていた「シティー・ハンタ・」の続編的存在で
当初は「週刊コミック・パンチ」で連載されていたのだが、現在は「月刊コミック・ゼノン」で
2ndシーズンとして掲載を継続している。
本来、北条司としては、「シティー・ハンター」の中で人情ものを描きたかった部分が
あったのだが、掲載先が「少年ジャンプ」という点で「もっこり」を入れたらという提案で
入れてみたら、ハードボイルドから外れてパロディの部分が目立って、連載終了となってしまう。
そこを知った「週刊コミック・パンチ」が本来描きたかったことを提供してくれることになる。
殺人兵器として、とある富豪の娘で事故でみなしごと思われていたグラス・ハートこと春瑩。
香と結婚を決意して、記念写真を撮ろうとした日に香を失った冴羽。
事前にドナー登録をしていた香の心臓は、その日自殺しようとした春瑩に移植される。
そのつながりから、正道会から春瑩が抜けるきっかけとなり、
殺人兵器としての人生ではなく、冴羽と共にスイーパーとしての仕事をしていきながらも、
普通の女の子としての人生も始まっていく。
冴羽も、香の死をきっかけに、スイーパーとしての生き方や人生そのものに
希望を失っていたが、香の心臓が春瑩の体の中で生きていて、お互いが人生について
何もかも希望を失っていたのに、香の心臓を通じて、人生というのはなにか、
どうすることが、登場人物にとってよかったのかということを、
描いている。これが、本来、作者である北条司が書きたかった
本来の「シティー・ハンター」であり、春瑩が新しく冴羽の元で人間として成長していく
「エンジェル・ハート」であったのかと思う。
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