相沢すずから学ぶ生きていくということ。
衝撃を受けたセリフ'同情するなら金をくれ'
私はこの作品を見た時にいつまでも心の中に残っている言葉があります。”同情するなら金をくれ!”この強くもたくましい言葉は小学生が発した言葉です。せつなく、強く、自分が生きていくためにはこれくらいの強さがないと生きてはいけないだろう、きっと、すずの頭の中はこんな気持ちだったに違いない。すずはいつも1人ではない、側に犬がいます。すずの支えになってくれた存在でした。学校へ登校する前にすずは靴磨きをしてお金を得ていました。世間の目はすずを哀れんでみていました。そんな大人達に向けて精一杯の力で叫ぶのです。”同情するなら金をくれ!”同情するくらいだったらお金を下さいと。同情して可哀想と感じるのなら、哀れむなら、私を助けて下さいと。心の底から助けてくれと叫ぶのです。お金を下さいと。こんな真っ直ぐな悲しい叫びが、大人達に向けられます。作品を通して、テレビ画面の当時小学生の自分が言われているような気持ちになりました。ドキっとしました。私もすずを見て、可哀想と1番に思っていたからです。私以外でもそんな風に感じた方々は少なくともいたのではないでしょうか。当時小学生だった私にはこの言葉の強い思いがグサっと胸に刺さりました。当時はニュース番組で取り上げられる程、有名なドラマでした。視聴率もかなり良かったようです。貧乏な家に育ったすずは働かない酒好きの父親と、病気がちな母親のために靴磨きをしてお金を稼ぎます。稼ぐといってもほんの少しのお金だけなので、その日の食事がとれない日もありました。一食とれれば良い方でした。パン1切れを犬と分け合い過ごす日もすずは孤独と戦いながら必死に強く生きていたのでしょう。そんな生活は苦しく辛く見ていられない程でした。
同情は優しさではなくただの哀れ見る心である。
本当の優しさとは何なのでしょうか。同情しただけではすずのような子には何も価値がありません。今生きること自体が難しいのですから。そういう子供は世の中に沢山いること、その事実を忘れてはいけないというメッセージのようなものを感じられる作品です。日本では少なくなりましたが、まだ都心の方にはホームレスとして生活している人がいます。ニュースなどでその映像を見たことがあるでしょう。汚れた服に、ズボン、伸びきってしまったヒゲや髪の毛。映像を見て人は、可哀想と同情するでしょう。しかしホームレスの人もきっと、同情するくらいならお金をよこせと思うことがあるでしょう。可哀想と思うくらいだったら、助けてくれと心の中で叫んでいるのです。
すずも同じです。すずは、毎日同じ服を着ています。この服しかないのです。世間から冷たい目で見られても、学校でいじめられたとしても、強い心を持ち続けて必死に生きています。生きることの大切さを主人公のすずから教えられているような気持ちになります。
世の中の永遠の問題に立ち向かう小学生相沢すずの生き様。
いじめは現代社会において大きな問題となっています。いじめを受けて、自殺してしまうという事件が起きています。自殺は決してしてはいけないことです。自らの手で自らの命を傷つけ、家族や友人を残してこの世を去ることは許されることでありません。いくら自分に辛いことがあったとしてもです。もし悩んでいるなら誰かに相談をして欲しいのです。すずのように強い心を持って欲しいです。それが出来ないのなら誰かに話して下さい、あなたの辛いことを。きっとすずの強さは今が辛い人へのメッセージです。すずが強く生きていることこそが、今いじめを受けて悩んでいる人へのメッセージです。そう捉えたら、この作品は現代社会の問題を主人公の小学生、相沢すずによって発信されているということになるのです。相沢すずを演じた当時子役だった安達祐実さんは、作品のイメージのせいでいじめを受けたこともあったそうです。通りすがりの知らない人に同情するなら金をくれ、と言われることもあったそうです。しかし、負けじと完璧に相沢すずを演じ切りました。子役ながら、この作品がきっかけで大きな注目を浴びるようになっていったのです。子役といえば安達祐実というくらい有名になりました。いじめを受けている人、いじめをしている人、この作品を見てきっと心が少しでも良い方向へ動くはずです。強くならなければいけないと言っているわけではありません。ただ、安達祐実さんが演じた相沢すずという強い女の子の存在を知っておいて欲しいのです。その上で、行動して欲しいのです。次に自分がするべき事は、自殺することやいじめをすることではない、ということに早く気付いて欲しいのです。この作品は当時から今現代、これから先も永遠に受け継がれて何らかの影響を与えることが出来る作品だと思います。すずの強い心とすずの存在自体が、誰か1人でも多くの人の助けになればと願います。この世からいじめによる自殺がなくなるよう願いを込め、多くの人にこの作品を勧めたいと思います。
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