アニメと原作
いがらしみきお原作のアニメ化。
原作は未読で、聞いた話によれば哲学的でシュールなところが強いそうだが、アニメは子供向けにするためか哲学的な部分を多少残しつつもギャグ色が強い。洞窟で迷子になった時に大量に出現して踊る「しまっちゃうおじさん」はギャグというか、どちらかというとトラウマ物だが……。
さて、ぼのぼのにはこのアニメの他に原作者が製作のほとんどに携わった劇場版アニメがあって、そちらを見る機会があったのだが雰囲気は丸っきり違っていた。深く考えずにただぼけっと見ることができ時々「深いこと言うな~」と思ったこのアニメに対し、劇場版は独特の静寂があってアニメよりも哲学的でぼけっとは見れなかった。
ギャグ色を強くしたこのアニメは結果的に成功だったかは正直分からない。ただ原作の雰囲気を聞いた感じでは、原作ファンはあまり寄りつかなかっただろうなとは思った。原作ファンは、原作の世界観を壊されることを嫌う人が多いから。
私も原作の世界観を壊されるのは嫌だというタイプだが、正直に言うとぼけっと見ることの出来るこの「ぼのぼの」は好きな方。一方で原作者が製作した劇場版も好きだった。作品がアニメ化すると原作派とアニメ派で対立することが多く見られるが、原作派に寄りがちな時にこのアニメのことを思い出すと、悩む時がある。真剣に見ることが出来るアニメも、ぼけっと何も考えずに見られるアニメもどちらもあって良いと思うからだ。原作を読んだらこの意見は変わるのだろうか?
こうして一視聴者を悩ませるこのアニメは存在そのものが哲学的なのかもしれない。
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