美しい奥会津の風景が素晴らしいノスタルジックな作品
奥会津にある廃校が舞台となるこの作品は、そこに生きるひとそれぞれの懐かしい記憶を、美しい奥会津の風景と共に表現されている素晴らしい作品だと思いました。一度観ただけではよくわからないというか、内容ははっきりと伝えていません。それが観客の想像力を膨らませ、見る人それぞれ楽しんで欲しいといったところが、この作品の良いところだと思います。監督は音楽活動もされているようなのですが、「カノン」を選曲されたところもセンスが良いと感じさせられます。どちらかというと芸術性が高い作品のように思います。廃校の建物や人形劇のシーンはなつかしい郷愁を誘うものでした。キャストも実力派ぞろいでそれぞれの個性が際立っていたように感じます。キャストでいえばトレンディ俳優の西島さんが主役ですが、今回は目立ちすぎない演技に好感を持ちました。おだやかで美しい賠賞さんと風見さんもこの作品に華を添えています。撮影に使われた廃校は今は展覧会や勉強会などに使われているようなので、実際見に行くことができるようです。この作品が学校を残す役割もはたしたのかも知れません。「忘れてはいけないもの」それは何かと考えさせられる印象に残る作品のひとつです。
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