原作の再現がうまい
魍魎の匣に続く、京極堂シリーズの漫画化第2作。
作画は、魍魎の匣の時と比べて線が細くなったというか、シンプルになった。
全体の作画もそうだけれど、遺体の表現もソフトになったというか…。
魍魎の匣の繊細な描き込まれた画風が好きだったので少し残念に思えてしまったのは私だけかと思ってしまった。
ただ、今回の漫画化にあたって、うまいな。と思ったのは、原作で度々展開される、突然時代がガラッと変わる表現。
原作のストーリーに準えながら忠実に再現されつつも読みやすく描かれている。
というのも、記憶障害を持った登場人物出てくる今作は、その記憶の断片がコロコロといきなり変わるので、頭を整理するのに結構労力使ってしまうのだが、混乱することなくスムーズに場面が切り替わるのは活字を読むより分かりやすい。
これは漫画だから成せるワザなのかもしれない。
グロテスクな表現に関しては前作より柔らかめにしてあるのは意図してのことなのか?
殺され方も、魍魎の匣に比べて猟奇的では無いから仕方ないのか…。
でも、あの残酷なまでの悲しい殺戮がもう少しリアリティもって描いていただけたらなぁと思ってしまった。
画風が変わってしまったにしても、相変わらず原作のキャラクターを上手に描いてあって、釣堀屋のいさま屋などはモロに私の頭で描いていたキャラクターそのものだった。
志水アキ自体が、京極堂シリーズの漫画化を熱望していただけに、相当読み込んでるな…
とキャラクターを見ていたら本当によく分かる。
このまま全作品を漫画化してほしいものだ。
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