小説を読んでからTV版を見て、映画を見ると良い
綾瀬はるかの雪穂は美しかった。幼少期の経験を踏まえたであろうヤサグレ感も出ていて本当によかった。
TVドラマ版の『白夜行』は小説のストーリーを軸としているが、小説の補足というか、説明というか、そういう風にとらえるのが良いかもしれない。小説を読んでからTV版をみるのが最適と私は考える。
何故か。小説版では表面の部分しか描かれていないからだ。
雪穂と亮司は小説版では直接接触する場面は全く描かれていない。なのに二人の意思疎通は完璧に近く、多くの事をやり遂げている。
この意思の疎通の部分を補完したのがTV版というわけだ。
綾瀬はるかの雪穂は、亮司を慕い、同志とし、本当の自分を知る人物として信頼していた。小説では雪穂が亮司に対する心情を吐露する部分は出てこないので、非常に切ない気持ちになる。
山田孝之の亮司も素晴らしかった。影のある、優秀な若者。小説では笑顔はなかったが、TV版ではたまに笑うので「そうだよな、そういうところもあったはずだよな」と思わせる。
諸事情あったのだろうが、希望としては雪穂が再婚してからの一件を見たかった。再婚相手の娘を取り込む術を綾瀬はるかがどう演じたのか興味深い。
対して映画版の堀北真希の雪穂も大変美しかった。
映画版は小説版を踏襲していて、ほぼ小説のストーリー通りに進行する。ただしラストが全て異なるのがそれぞれのヴァージョンの醍醐味というものであろう。
高良健吾の亮司はクールすぎたかな・・・?ほとんど喋らなかったし、山田亮司のほうが印象が強い気がする。
鑑賞順としては、小説→TV版→映画、が良いかもしれない。
いずれにしても綾瀬雪穂と山田亮司の印象が強すぎて、か弱い印象の堀北雪穂は霞む気がする。
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