勝利者などいない
大人気シリーズ『踊る大捜査線』の登場人物、 室井慎次にスポットを当てた踊るスピンオフ作品第2弾。 キャッチコピーにある『正義に裏切られた男』という言葉が、切ないほどにマッチします。 物語は踊るシリーズとしては珍しいまでの全編シリアス調で進んでいきます。 堅物な室井さんが主人公なんだから、しょうがないですね。 しかし、シリアスながらもシリーズ独特のユーモアやらしさは健在であるようにも見受けられました。 まさにそれを体現するようなキャラが、劇中で敵役として登場する灰島弁護士でしょう。 敵役、と書きましたがあくまで室井さんの立場から見たお邪魔キャラという立ち位置であり、 彼は彼の正義のために、信念をもって立ちはだかってきます。 一見ゆるくてチャラけた印象を受けはしますが、 その鋭さ陰険さ狡猾さは、もしかするとシリーズ通して最大の強敵かもしれません。 スピンオフ作品ではありますが、 踊るとは切り離して単体の映画としても十分楽しめる作品なのではないでしょうか。
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