守るべき人なくして守るべき国なし
防衛庁や自衛隊が全面協力した作品ということで、映像の迫力や緊迫感がとても伝わってくる作品です。アクションシーンも迫力がありました。 そういった派手な部分とは別に、ストーリーも考えさせられるものがあります。この作品は、「誇りも愛国心も持てない国を守るのか?」という疑問を抱いた防衛大学生の死をきっかけに、自衛隊幹部とある国の工作員が手を結び、最新鋭のイージス艦を乗っ取り、それを阻止すべく戦う自衛隊員2人の姿を描いたものです。 ただ、国のことを思っての行動と口では言っていますが、冷徹な工作員のリーダーでさえ、自身と血縁のある工作員が亡くなった時は、感情をあらわにします。自衛隊幹部も息子の死をきっかけに工作員に手を貸すことを決めます。そして、阻止しようと戦う自衛隊員の脳裏に浮かんでいるのは、離れて暮らす娘であり、自ら命を絶ってしまった母の姿です。 すっかり平和に慣れていると、戦争してまで守る国というものを意識することはありません。でも、この映画を観ていると、守るべき国を持つためには、守りたいと思える人がいてこそだと感じます。愛国心とは、愛する人を守りたいと思う気持ちの延長に生まれるものではないでしょうか。 家族、友人、恋人、自分と関わるすべての人を大切に思う気持ちを思い出させてくれる作品でした。
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