吉田松陰留魂録の評価
吉田松陰留魂録についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
吉田松陰留魂録の感想
気迫が伝わる一作!
吉田松陰が赤裸々に自分の思想や感情を書いたまさに渾身の一作といっても過言ではないと思う。特に私が目を引いたのは松陰が、当時の老中であった間部詮勝の暗殺計画を、幕府側に捕まってしまった際に自分から言ってしまい、驚いた幕府側が彼を死刑にしてしまったところの話である。幕府側は当初松陰については特に罰するつもりがない中で、松陰は江戸に呼ばれ、前述の暗殺計画を話してしまった。しかし、この時に松陰は京都に往来する友人たちの名前や連判状に署名した人々の名前を明かすことはなかったということである。これは後から立ち上がってくる人々を思うささやかな老婆心であると述べられており、自分に続く人物が現れることを望む松陰の思いが伝わってくるようであった。